有村架純『中学聖日記』の熱狂ぶりは“韓流ドラマ”に似ている

女優の有村架純主演のドラマ『中学聖日記』(TBS系/毎週火曜22時)。4日放送の第9話の視聴率は過去最高の7.8%だった(ビデオリサーチ調べ、関東)。回を追うごとに熱気も高まるばかりだが、そんな盛り上がりに通じるものがある。それが「韓流ドラマ」だ。
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第9話。晶(岡田健史)の電話を受け、駆けつけた聖(有村)。慌ててフェリーの甲板に上がると、船が動き出してしまう。到着した山江島には、晶の生き別れた父・康介(岸谷五朗)が住んでいた。
晶の母・愛子(夏川結衣)は2人の仲を疑い、聖のかつての婚約者・勝太郎(町田啓太)の会社にいきなり出向き、消息を尋ねる。そして、聖に何度も電話をかける彼を、上司で恋人の原口(吉田羊)は黙って見ていた。
フェリーは1日1便のため帰れず、聖は康介の家に泊まることに。だが翌日も海が荒れて欠航。しかも携帯電話の電池が切れていたため、勝太郎からの連絡に気が付かなかった。一方、康介は晶に、愛子と離婚した本当の理由を告げる。
聖はキャンプ場で泊まろうとするが、降りしきる雨の中、坂道から滑り落ち、足をケガしてしまう。そこへ現れたのは晶。ずぶ濡れになった2人は山小屋に身を寄せる。そして聖は、ついに秘めた思いを口にしたのだった。
生き別れた父、ヒステリックな母、婚約者との別れ、勝気な女性上司、フェリーのグッドタイミングな欠航、携帯の電池切れ、崖からの滑落、山小屋での一夜…。
教師と生徒の禁断の恋を描いた名作は『高校教師』『魔女の条件』(いずれもTBS系)などあったが、ここまで良い意味でベタな作品は近年なかったのではないか。それは『冬のソナタ』に代表される、韓流ドラマに通じるものがあると言えよう。
もちろん“本家”は、記憶喪失、不治の病、異母兄弟、恋人を忘れるための海外留学など、面白さを重視したありえない展開のオンバレード。『中学聖日記』はそこまでではないにせよ、やはり同じように「お約束」が散りばめられ、視聴者はいつしかその沼にハマってしまう。今作よりも視聴率の良いドラマはあるが、熱狂度は今期No.1ではないだろうか。(文:塚田均)