奥田民生、『カツベン!』エンディング曲担当 “パイノパイノパイ”「東京節」アレンジ

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俳優の成田凌が映画初主演を務める周防正行監督最新作『カツベン!』のエンディング曲を、奥田民生が担当することが発表された。「パイノパイノパイ」というコミカルなフレーズで大正期に流行した「東京節」の歌詞を本作用にアレンジした「カツベン節」を歌う。
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本作は、今からおよそ100年前の大正時代を舞台に、サイレント映画の活動弁士を夢見る青年・俊太郎(成田)を主人公にした物語。
一流の活動弁士を夢見る青年・俊太郎(成田)は、小さな町の映画館「青木館」に流れ着く。隣町のライバル映画館に客も人材も取られて閑古鳥の鳴く青木館に残ったのは、人使いの荒い館主夫婦、ごう慢で自信過剰な弁士、酔っぱらってばかりの弁士、気難しい職人気質な映写技師と、くせ者ぞろい。雑用ばかり任される俊太郎の前に突如現わる大金を狙う泥棒、泥棒とニセ活動弁士を追う警察、そして幼なじみの初恋相手。俊太郎の夢、恋、青春の行方は…。
「東京節」は、米国の「ジョージア行進曲」のメロディに歌詞をつけて大正7年に発表。「ギッチョンチョンでパイノパイノパイ」というユーモラスな歌詞が大流行し、ドリフターズやなぎら健壱などによる多くの替え歌も生まれ、長年歌い継がれてきた。
その「東京節」の歌詞を、脚本の片島章三が本作用に書き換えたのが、「カツベン節」。歌詞には映画黎明期のスター“めだまの松ちゃん”こと尾上松乃助や、『怪盗ジゴマ』『椿姫』『雄呂血』『不如婦』など歴代の名作が登場。さらに時代を代表する活動弁士・駒田好洋が活弁の際に口癖のように言っていた「頗(すこぶ)る非常」という説明や、生駒雷遊の「ああ、春や春、春南方のローマンス」でも知られる名調子もちりばめられた、映画愛あふれる曲となっている。
クランクイン前から音楽監督の周防義和の提案で「東京節」を本作の中で使おうと構想していた監督は、「東京節」が持つ時代感を現代にも通じる味わいに変える歌手は誰かと考えたときに、自身も好きな奥田が思い浮かんだという。
周防監督は「奥田さんとお仕事するのは初めてでしたが、楽曲の狙い、映画の狙いを見事に表現してくれた」と、奥田の歌う「カツベン節」を絶賛。奥田も「子供の頃、大人たちが歌っていた感じというか、ムードを思い出してやりました。自分が昭和の生まれなので、この歌がもっていた心は分かると思います」と語っている。
映画『カツベン!』は12月13日より全国公開。