元犯罪者が司祭になりすます 実話から生まれた衝撃作『聖なる犯罪者』予告

第92回アカデミー賞国際長編映画賞にノミネートされたポーランド映画『聖なる犯罪者』より、予告編と場面写真が公開された。
【写真】バルトシュ・ビィエレニアの演技が映画祭を席巻 『聖なる犯罪者』場面写真
本作は、過去を偽り聖職者として生きる男の運命を通して、聖と悪の境目を鋭く問いかける、実話を基にした衝撃作。ポーランドのアカデミー賞とされる「2020 ORL Eagle Awards」で監督賞、作品賞、脚本賞、編集賞、撮影賞ほか11部門を受賞したほか、世界中の映画祭を席巻し、作品賞、監督賞、主演男優賞を中心に計49の賞を獲得。ついには、第92回アカデミー賞国際長編映画賞にノミネートされた。
主演は、28歳の俳優バルトシュ・ビィエレニア。少年院出身のダニエルと司祭トマシュという真逆の人物像を緊張感をもって演じきり、第55回シカゴ国際映画祭、第30回ストックホルム映画祭にて主演男優賞を受賞し、第70回ベルリン国際映画祭では若手俳優に与えられる2020ヨーロピアン・シューティングスターにも選出された。監督は、Netflixにて配信中の最新作『ヘイター』(2020)も高評価を受けているヤン・コマサ。
予告編は、少年院に服役中のダニエルが、ほかの少年たちと共に祈りを捧げる場面からスタート。少年院で敬虔なカトリック教徒となったダニエルは、牧師に「神の元で働きたい」と頼み込むが、「前科者は聖職に就けない」と告げられる。やがて仮釈放となり、少年院を出たダニエルが向かった先は、小さな田舎町。そこで、たまたま教会に寄ったダニエルは、牧師の洋服を見せたことから、本物の司祭と間違われ教会に迎え入れられる。
その町では、少し前に凄惨な自動車事故が起き、多数の人々が亡くなったばかりだった。傷が癒えぬ人々が告解に訪れる中、ダニエルはスマートフォンでこっそりと対応する際のセリフや手順を盗み見しながら答えたり、教会のミサで説教を説く。やがて人々の信頼を勝ち得ていくダニエルだったが、かつての少年院の仲間が現れ事態は思わぬ方向に転がり出す。
予告編の終盤では、ショーン・ベイカー監督(『フロリダ・プロジェクト』)の「大胆で、面白く、情け容赦ない映画。」、エドガー・ライト監督(『ベイビー・ドライバー』)の「とんでもない映画だ! 生々しい現実を、スリル満点に描いている。」と本作に賛辞を贈るコメントも挟み込まれ、最後は「目の前にある事実を信じるな―」という本作のキャッチコピーと共に、牧師姿のダニエルを捉えた場面で締めくくられている。
映画『聖なる犯罪者』は2021年1月15日より全国順次公開。