三浦春馬さん演じる“五代友厚” 知られざる偉人の「志」と「天外者」な部分とは

俳優の三浦春馬さんが主演を務める映画『天外者(てんがらもん)』が、12月11日より全国公開される。本作で三浦さんが演じた五代友厚とはどのような人物だったのか。その「志」と「天外者(すさまじい才能の持ち主)」な部分を紹介する。
【写真】三浦春馬さん全身全霊で五代友厚を演じた『天外者』場面写真
激動の幕末から明治初期、日本の未来のために駆け抜けた五代友厚。武士の魂と商人の才を持つこの男は、薩摩藩士から明治政府役人を経て実業家となり、今日に続く商都大阪の基礎を作り上げた。東の渋沢栄一、西の五代友厚とも評される功績を挙げながらも、長らく歴史に埋もれていたが、近年、多くの人の研究により、その真価が再認識されるようになった。
五代は土佐の坂本龍馬、岩崎弥太郎、長州の伊藤博文ら同年代の若者たちと学び、遊び、夢を語りあい、さらには高杉晋作、勝海舟、大久保利通、西郷隆盛、大隈重信、トーマス・グラバーといった日本を語る上で欠くことが出来ない偉人・傑物たちとも交わり、友として彼らを支えた。武士の身でありながらも上海に渡って蒸気船を購入し、海外貿易による商業立国を説き、英国へ留学生を送り出し、自らも欧州を視察。まさに五代は、「誰もが夢を見ることが出来る国」を作るべく、世界中の知見を手に入れ、また大久保利通らを支え殖産興業・富国強兵などに邁進させたのだ。
明治政府が誕生すると政府役人となるが、大阪を「東洋のマンチェスター」に発展させるため実業家に転身。明治11年には大阪に商法会議所を作り、造幣局の設立、電信、鉄道、紡績、鉱山など多くの事業を精力的に手がけ、現在の大阪証券取引所、大阪商工会議所、大阪市立大学など膨大な数の組織や企業の設立に尽力した。
明治11年に大阪に商法会議所を作った際には、自ら会頭に就いた五代。同時に株式取引所も創設させ、大阪財界を復興させる。同年東京では、渋沢栄一が東京商工会議所を創設し、「西の五代、東の渋沢」と呼ばれるようになった。渋沢よりも4年早い明治2年には民間に転じていた五代は、時代の一歩先を見据えて新しい時代を作ろうとしていたのだろう。
映画『天外者』は12月11日より全国公開。