水川あさみ、キネマ旬報主演女優賞 『喜劇 愛妻物語』は「運命的なものを感じた」
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女優の水川あさみが4日、都内で行われた「第94回キネマ旬報ベスト・テン発表＆表彰式」に出席。『喜劇 愛妻物語』『滑走路』で主演女優を受賞し、『喜劇 愛妻物語』のオファーに運命的なものを感じ「絶対に私がやりたい」と思ったことを明かした。
【写真】主演女優賞を受賞した水川あさみ、全身ショット 第94回キネマ旬報ベスト・テン発表＆表彰式の様子
「キネマ旬報ベスト・テン」は、1924年（大正13年）にスタートした歴史ある映画賞。その年を代表する「日本映画」「外国映画」「文化映画」のベスト・テンを挙げるほか、「日本映画主演男優・女優賞」「日本映画助演男優・女優賞」「新人男優・女優賞」などその年の称賛すべき作品や映画人を選出し表彰する。
『喜劇 愛妻物語』『滑走路』で主演女優賞を受賞した水川は「『喜劇 愛妻物語』のお話をいただいた時に、すごくこの役にビビビッと運命的なものを感じました。『絶対に私がやりたい』と思って、映画に深く関わることの出来た2020年でした」と『喜劇 愛妻物語』への思い入れを告白。「そのご褒美がこんな風にいただけてとてもうれしく思っています」と受賞を喜んだ。
役作りに関しては「脚本が素晴らしく完成していて、そこにあるものを現場で演じるという感じ。とにかく最初から最後まで怒っているので、エンジン全開で踏み込んで頑張りました」と回顧。怒る妻の役を演じ、私生活に役を引きずることはなかったかという質問には「あっはっは。大丈夫でした（笑）」と大きく笑った。
一方の『滑走路』では夫にはっきりモノを言えない、控えめな妻を演じた水川。「（『喜劇 愛妻物語』とは）まったく対照的で、どっちもすごく極端に大きく振れているので、自分の想像の範疇を超えるような役だったからすごく演じがいがあった」と撮影を振り返っていた。
また、『罪の声』『本気のしるし＜劇場版＞』などで助演男優賞に輝いた宇野祥平は「生まれて、こういう景色というか経験がないもので、正直実感がなかなか湧かずにいた」と受賞の心境を吐露。続けて「けど、周りお世話になった方々が喜んでくれて、このトロフィーが重いので、ちょっとずつ実感していけるのかなと思っています」と語り、「映画が好きで、映画があったから大人になれたような気がしますし、映画によってこの仕事をすることができていますし、映画によっていつも支えてもらっている方々と出会えたので、映画のおかげで、救われて立たせてもらっているなと、そういう思いです」と熱い映画愛を口にした。
『パラサイト 半地下の家族』で、外国映画＆読者選出外国映画ベスト・テン1位、外国映画監督賞・読者選出外国映画監督賞を受賞したポン・ジュノ監督は、手紙にて「とても光栄でエキサイティングなこと。多くの日本の観客の皆さんが熱烈に支持してくださった映画ですから、受賞の意味はなおさら大きい」と喜びをコメント。さらに「これまで20年の間に私がシナリオを書き、監督して生み出したのは7本の長編とを怠惰を恥じながらも努力していきたい」と意気込みを寄せていた。
「2020年 第94回キネマ旬報ベスト・テン」各受賞者
■作品
日本映画ベスト・テン第1位『スパイの妻＜劇場版＞』
外国映画ベスト・テン第1位『パラサイト 半地下の家族』
文化映画ベスト・テン第1位『なぜ君は総理大臣になれないのか』
読者選出日本映画ベスト・テン第1位『天外者』
読者選出外国映画ベスト・テン第1位『パラサイト 半地下の家族』
■個人
日本映画監督賞 大林宣彦『海辺の映画館―キネマの玉手箱』
日本映画脚本賞 濱口竜介、野原位、黒沢清『スパイの妻＜劇場版＞』
外国映画監督賞 ポン・ジュノ『パラサイト 半地下の家族』
主演女優賞 水川あさみ『喜劇 愛妻物語』『滑走路』
主演男優賞 森山未來『アンダードッグ』
助演女優賞 蒔田彩珠『朝が来る』
助演男優賞 宇野祥平『罪の声』『本気のしるし＜劇場版＞』『恋するけだもの』『37セカンズ』『星の子』
新人女優賞 モトーラ世理奈『風の電話』『タイトル、拒絶』
新人男優賞 奥平大兼『MOTHER マザー』
読者選出日本映画監督賞 田中光敏『天外者』
読者選出外国映画監督賞 ポン・ジュノ『パラサイト 半地下の家族』
読者賞 川本三郎 連載『映画を見ればわかること』
特別賞 野上照代
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