『あの夏のルカ』ルカが生まれたのは監督の故郷 歴代キャラクター誕生の由来に迫る
ディズニー&ピクサーの長編アニメーション最新作『あの夏のルカ』(ディズニープラス/6月18日より配信)より、海の世界に暮らすメインキャラクター“シーモンスター”についてエンリコ・カサローザ監督が由来を明かした。
【写真】『トイ・ストーリー』『モンスターズ・インク』ほか歴代ピクサー作品ビジュアル
『トイ・ストーリー』『モンスターズ・インク』『リメンバー・ミー』『ソウルフル・ワールド』など、美しく驚きと感動にあふれた物語を観客に贈り届けてきたディズニー&ピクサー。そんな彼らがさらなるイマジネーションを発揮した最新作では、北イタリアの美しい港町ポルトロッソを舞台に、ある秘密を抱えながらも人間の世界に憧れるシー・モンスターの少年ルカの“最高の夏”を描く。
シーモンスターというキャラクターについて、カサローザ監督は「故郷の街にあったすばらしい伝説からインスピレーションを受けている。子どもの頃はシーモンスターが描かれた古い地図を見ることが好きだったんだ」とその由来を明かす。故郷の街は海が近く、海に関するミステリーをたくさん聞かされていたと語り、「故郷は漁師の街でもあり、『あそこには行くな。海のドラゴンが出るから』と言われることもありましたが、実際は魚を獲るのに絶好の場所を取られたくないからそんなことを言っていたようです。そこから、変身するシーモンスターがいて、僕ら人間の中に混じっていたとしたら、という発想が僕の中で生まれました」と付け加える。
本作のように、ピクサー作品のキャラクターは、日常生活からインスピレーションを受けて生み出されることが多い。例えば、『トイ・ストーリー』は、監督を務めたジョン・ラセターが、横浜にあるブリキのおもちゃ博物館を訪れた際「まるでおもちゃが生きているみたいに感じて、映画の構想が浮かんだ」ことからおもちゃのキャラクターが生まれたと明かしている。
『リメンバー・ミー』のガイコツというキャラクターは、リー・アンクリッチ監督の「もし亡くっている先祖に会えるとしたら、どんなに驚くだろう、あるいは自分がやってきたこれまでの人生が変わるだろうか」という思いから生まれたもの。
“感情”をキャラクターとして描いた『インサイド・ヘッド』は、ピート・ドクター監督が、思春期を迎えた娘の感情の揺れや気持ちの変化に興味を持ったことから生み出された。同じくドクター監督作品の『ソウルフル・ワールド』は、「子どもたちは同じ環境で育っているのにどうして性格が違うのか興味が湧いたんだ」と、キャラクターが生まれた背景が明かされている。
シー・モンスターの少年ルカが、抑えられない未知の世界への憧れと好奇心を胸に禁断の地〈人間の世界〉へと冒険に出る本作。もしこんな世界があったら…という「もしも」の世界を描き、これまでにないキャラクターを生み出し続けているピクサーが新たに放つ“シーモンスター”はどんな感動を与えてくれるのか。その活躍ぶりに期待が高まる。
映画『あの夏のルカ』は、ディズニープラスにて6月18日より独占配信。