倍賞千恵子、“命の選択”を迫る高齢者制度に翻ろうされる主人公に 『PLAN75』公開
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女優の倍賞千恵子が主演を務める映画『PLAN75』が、6月より全国公開されることが決まった。
【写真】『PLAN75』場面写真
本作は、映画監督の是枝裕和が総合監修を務めたオムニバス映画『十年 Ten Years Japan』の一編『PLAN75』を新たに構築、キャストを一新した早川千絵監督の初長編映画。75歳以上の高齢者に自ら死を選ぶ権利を保障し、支援する国の制度「PLAN75」が施行された社会を描く。
主人公・角谷(かくたに)ミチを演じるのは倍賞千恵子。倍賞は脚本を読み、「最初は“酷い話”だと思ったのですが、物語の終盤でミチがある選択をする姿が描かれており、そこにものすごく心打たれ、惹かれて…それだけで出演を即決しました」と振り返る。
共演には磯村勇斗、たかお鷹、河合優実のほか、ステファニー・アリアン、大方斐紗子、串田和美らが顔をそろえた。
昨年12月から始まった撮影は、この度クランクアップ。倍賞は「『PLAN75』のような社会があってはならないと思うし、決して良いことではありません。でも、やって良かったなと思っています。皆さんにもこの映画を観ながら、自分の命や愛、生活などいろんなことを考えていただきたいです」と期待を寄せる。
倍賞との初共演を果たした磯村は「目で芝居をすることを意識しました。直近で演技を拝見し、同じ時間を共有させていただけたことは光栄でした」と明かし、河合は「ミチとの電話でのやり取りのシーンを本読みした際、倍賞さんの声を聞いて、自分が思っていた以上に心が動きました。言葉で言い表すのがもったいないような、訳もない感動でした。いま倍賞さんに感じさせていただいたことをそのまま大切にして撮影現場に行けば大丈夫だと、心から思えた貴重な時間になりました」と語る。
長年温め続けてきた企画で長編映画デビューを果たす早川監督は「経済的合理性を優先し、人の痛みへの想像力を欠く昨今の社会に対する憤りに突き動かされて生まれた映画です。倍賞千恵子さん演じるミチという女性の姿を通して、人が生きることを全肯定する。そんな映画にしたい」と思いの丈をぶつけ、「倍賞さんはこの映画に命を吹き込んでくれました。光と影の中で息をのむほど美しい倍賞さんのたたずまい、その存在自体がこの映画の魅力の一つです」と明かした。
倍賞も「早川監督はとてもバイタリティのある方。時折、ふわっと羽ばたくように近寄ってきてシーンや役の説明をしてくださると、ミチの気持ちがスッと入ってきて心が深くなり、役が立ち上がってくるような気がしてとてもありがたかったです」と語っている。
映画『PLAN75』は、6月全国公開。
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