
小林旭
小林旭 出演映画作品
-
幕末太陽傳〈デジタル修復版〉
制作年:2011年12月23日(金)公開
『洲崎パラダイス 赤信号』『女は二度生まれる』など数々の名作を世に送り出した川島雄三監督の代表作を、日活が創立100周年を記念してデジタル修復。今から50年以上前に撮影された日本映画史に残る名作を最高の映像で上映する。川島監督の軽妙洒脱な演出と、お調子者だがどこか陰のある主人公の佐平次に扮すフランキー堺の名演が印象深い。
-
鮮血の記録
制作年:
野村孝監督・小林旭主演によるニュー・アクション。終戦直後、野尻稔は基地の物資を横流ししてあぶく銭を得るが、暴力組織の陰謀で米軍に逮捕される。数年後出獄した稔は、組織への報復を開始。ところが、組織の背後には大きな黒幕がいた……。
-
代紋・地獄の盃
制作年:
「代紋・男で死にたい」の続編。前作で刺された梧井組の親分が全快するが、縄張りを狙う的場組が実力行使に出てくる。梧井組の代貸・鉄五郎がこれを阻止するというもの。小林旭が“片目の一本松“という、一匹狼のヤクザ役で客演。この年だけで11本の任侠映画に出演した高橋英樹の好演も見もの。
-
女の警察・国際線待合室
制作年:
“女の警察“と呼ばれる正秋が一流のホステスに育てた佐和子が失踪する。正秋は彼女の勤めていた店を訪ね、客の田淵が怪しいとにらむ。やがて佐和子は、シンガポールの私娼街で麻薬漬けになっているところを発見されるが……。
-
続 女の警察
制作年:
あるときは夜の蝶のスカウト、あるときは“女の警察“と呼ばれる篝正秋は、自分の店のホステスを引き抜こうとしたクラブ“アロン“を訪れた。この店のマダム久代は、かつての正秋の恋人の姉であった……。
-
嵐の果し状
制作年:
小林旭が主演した日活後期の任侠アクション。時は大正中期。ヤクザ稼業にいや気がさし、征次郎は回漕問屋・沢井屋で出直す決心をした。しかし、その直後、主人が病で倒れ、店は本堂組に取られてしまう。征次郎は沢井屋再建のために動き始めるが、本堂組からは様々な妨害が……。
-
不死身なあいつ
制作年:
都築浩介は、ヤクザを嫌って刑事と結婚したかつての恋人と再会する。しかし、彼女の夫は誤殺事件を起こして刑事を辞め、悪玉の用心棒になっていた。彼女の夫は、悪玉から都築の殺害を依頼されるが、彼はそれを拒否して殺されてしまう……。二谷英明が悪になりきれない男を好演。
-
黒い賭博師 ダイスで殺せ
制作年:
神戸の友人のもとに身を寄せていた氷室浩次は、マカオ賭博団の“殺し屋“の異名を持つギャンブラー、ヌイ・サップの挑戦を受け、瀬戸内海の毒ガス島で1000万円を賭けて勝負を開始する……。二谷英明がヌイ・サップに扮し手慣れたライバルぶり。
-
銀座旋風児 黒幕は誰だ
制作年:
日本開拓公団汚職の核心であるニセ札事件を探知した銀座旋風児・二階堂卓也。殺し屋の手から印刷工を救った彼は、ニセ札の首謀者が公団理事長であることを突き止めるが、その裏にはまだ、新日本共産促進連盟の黒川という黒幕が潜んでいて……。
-
銀座旋風児 嵐が俺を呼んでいる
制作年:
『銀座旋風児』シリーズの第4弾は、謎解きが入りミステリー的色彩の濃い作品になった。小林旭が演じるマイトガイの神出鬼没な活躍に加え、探偵助手に扮する若かりし頃の浅丘ルリ子の、アイドル乗りのキュートさにも要注目! 東京税関の係官殺人事件が起こり、さらにその娘が誘拐された。事件を知った探偵が真相究明に乗り出す。後半の犯人追跡シーンなどがスリリング。
-
銀座の次郎長
制作年:
深刻な人手不足に悩む銀座商店街。同じくヤクザ組織も人手不足に悩み、全国グレン隊の大ボスから叱責された銀座のボス・竜巻は、苦手とする“銀座の次郎長“と手を組み、人材探しに専念することに。さっそく次郎長は全国から人を集めて来るが、竜巻が罠を仕掛けて……。旭主演の“暴れん坊“ものシリーズの第4作。
-
修羅の群れ〈2001年〉
制作年:
【豪華キャストで蘇る壮絶な実録任侠ドラマ】 '84年の松方弘樹主演「修羅の群れ」を、松方以外のキャストを一新して撮り上げた任侠映画。ひとりの若衆が関東一帯を牛耳る巨大組織の頭へと上り詰めていく激動の半生を描く。
-
さすらいの賭博師
制作年:
小林旭主演で大ヒットし、多くの続編を生み出した人気シリーズの第1作。ダイスを振らせれば右に出る者はいないと言われるほどの黄金の腕を持つ男・氷室浩次は、神戸の高級アパートで恋人・信子と楽しい生活を送っていたが、ある夜、氷室の兄・健一が血だるまで部屋に転がり込んできた。暴力団柏田組のしわざだと知るや、氷室は単身で殴り込みをかける。しかし、氷室がアパートに戻ってみると、兄は息絶え、恋人の信子までも柏田組の者に殺されていた。氷室は復讐の鬼と化し……。シリーズを通して繰り返されるダイスのトリックが楽しく、スピ
-
風に逆らう流れ者
制作年:
野村浩次は、親友の瀬沼に会うため豊橋市にやって来る。ところが瀬沼は、すでに火薬工場の爆破事故で死亡。その裏に事件の匂いを嗅ぎつけた浩次は、塩沢火薬の社長に近づく。塩沢が、瀬沼の父が持つ造船所と島を乗っ取り、火薬の密造所にしようとしていることを知った浩次は……。ライバルの拳銃使いが神山繁では、いささか役不足の感じがするシリーズ最終作。
-
やくざ渡り鳥・悪党稼業
制作年:
小林旭・宍戸錠・渡哲也の三大スター揃い踏みのアクション映画。ある温泉町で、二組のヤクザが対立している。小林旭扮する流れ者のヤクザ・立原が、二つの組の間をうまく立ち回り、麻薬取り引きの金をせしめようとするが、脇から渡哲也扮する香港ジョーが割り込んでくる。
-
首領〈ドン〉への道
制作年:
【群雄割拠を突破して頂点へ! 人気劇画に基づく極道ドラマ】 昭和45年の連載開始以来、息の長い人気を博している村上和彦の劇画を映画化。激しい抗争と略謀の中で、極道のトップを目指して突き進む男の戦いの物語が、ドラマチックに繰り広げられる。
-
大海原を行く渡り鳥
制作年:
“渡り鳥“滝伸次は九州の雲仙高原に流れつき、観光事業にからむ悪玉の企みからヒロインを助けて大活躍。ダイヤモンドライン入りした宍戸錠に代わって藤村有弘がライバル“ツブテの竜“に扮し、得意の無国籍語を駆使して怪演!
-
太平洋のかつぎ屋
制作年:
腕利きパイロット・哲次は、パートナーのジムの失敗を一人でかぶって解雇される。航空大学の教官となった哲次だが、自分もパイロットとしてもう一度飛びたいという思いを捨てきれない。が、ある日救助物資輸送のため、哲次は台風の中を飛ぶことになった……。小林旭主演の痛快な航空アクション。
-
マカオの竜
制作年:
日本に運び込まれたヒンズー教の名宝“ヒマラヤの星“を買い戻すべく、香港から30万ドル入りのスーツケースをさげた“マカオの竜“がやってくる。日本の組織は執拗に彼の命をつけ狙うが……。動物作家にしては珍しい題材の戸川幸夫の小説をベースにして、日本を舞台にアドベンチャー・アクションが弾ける。
-
対決
制作年:
大正末期から昭和初期にかけて、渡世の義理を貫き通そうとするヤクザを描く任侠アクション映画。上州の芝寅一家は新興勢力の高安一家に殴り込みをかけ、お互いの親分の死で終わった。すべての罪をかぶり自首した芝寅一家の直次郎が6年後に出所したとき、町は両方の大貸に支配されていた。
-
春来る鬼
制作年:
遥か昔、相思相愛だったが身分の違いのために結ばれず、駆け落ちの果て流れ着いた島で、岬の長老たちに様々な試練を強いられた青年漁師とその恋人。原作を一読してその世界に魅了され、何度も企画を出し続けた“マイトガイ“小林旭の念願の一作。空想の世界を借りて日本古来の慣習や生命の尊厳を訴える。
-
春来る鬼
制作年:
遥か昔、相思相愛だったが身分の違いのために結ばれず、駆け落ちの果て流れ着いた島で、岬の長老たちに様々な試練を強いられた青年漁師とその恋人。原作を一読してその世界に魅了され、何度も企画を出し続けた“マイトガイ“小林旭の念願の一作。空想の世界を借りて日本古来の慣習や生命の尊厳を訴える。
-
爆破3秒前
制作年:
大藪春彦の原作『破壊指令No.1』を小林旭主演で映画化した、ハードボイルド・アクション。内務局諜報部の破壊工作員・矢吹は、戦時中に日本軍が某国から略奪した宝石を私物化した犯人を追うが、かつての同僚がボディガードとして雇われていた……。
-
波止場の賭博師
制作年:
小林旭がすご腕のギャンブラーに扮し、「カサブランカ」ばりのラブ・ストーリーを展開していく日活アクション。横浜のクラブ社長であり“逃がし屋“の異名を持つ賭博師の秋津五郎のもとに、一組のアベックが密航を依頼してきた。しかし、その女の方は秋津がかつて神戸で捨てた初恋の女だったのだ。
-
暴力街
制作年:
安藤昇・小林旭・丹波哲郎・菅原文太の4大スター顔合わせによるヤクザ映画。関東の東菊会と、関西の西日本連合。抗争を続ける二つの組織の間で、カタギの生活を送っていた元東菊会の江川は、平穏な日々を破壊される。監督は、骨太の演出で知られる五社英雄。
-
歌う暴れん坊
制作年:
大学時代に“フットボール部の三羽烏“と呼ばれた親友同士が、対立する二つの暴力団の跡目、やり手の警視として運命的な再会を果たす。高速道路をめぐる受注争い、麻薬密売騒動の果てに、縄張りを横取りしようとする黒幕の存在に気づいた彼らは……。クライマックスが歌謡ショーという趣向の異色活劇。
-
飢える魂(正・続編)
制作年:
社会的地位のある実業家の若妻とプレイボーイの青年実業家、二人の子供を抱えて生きる未亡人と病気の妻を持つ男。そんな二組の愛の行く末を、全国各地に転々と舞台を移して描くメロドラマ。正・続編同時に撮影されたが、別々に封切られた。
-
女の警察・乱れ蝶
制作年:
“女の警察“篝正秋は、悪どいホステスの引き抜きに怒り心頭。妹を人質にとられていた敵方の部下とともに悪の巣に乗り込む。無頼シリーズの小沢啓一が監督。なお、製作会社のアロー・エンタープライズとは小林旭のプロダクションだが、それほど入れこんだ割には作品の質は低い。
-
川上哲治物語 背番号16
制作年:
打撃の神様・川上哲治の半生を描いたスポーツ映画。熊本の豪球投手時代から巨人軍入団、太平洋戦争出征を経て、戦後の大スターとして昭和31年に2000本安打を達成するまでを綴る。川上役は少年期、青年期、現在(川上自身)を3人が演じ分けている。
-
命しらずのあいつ
制作年:
熊五郎とともに故郷・博多に戻った都築は、親友・武原の失踪事件を調べていた。そんな都築を村岡組の新組長・長谷部は執拗に妨害し、都築は爆風を受けて聴力を失ってしまう。だが、熊五郎の調査の結果、長谷部が村岡前組長を殺していたことを突き止める……。
-
不敵なあいつ
制作年:
その悪どさにいや気がさし、組を飛び出して流れ者となった都築浩介。彼は流れ歩くうちに同業の流し・熊五郎と知り合い、食堂兼ホテルの黒潮亭に身を落ちつけることにする。しかし、そこにも横暴なヤクザ・港東会が。都築は何度か彼らを叩きのめす……。
-
海を渡る波止場の風
制作年:
宍戸錠が前作の悪役からライバル役へと昇格した。大金を積んだセスナとともに消えた弟を探して、鹿児島に現れた浩次。彼は弟の婚約者と一緒に背後にいる敵の正体を暴くが……。“渡り鳥“シリーズに比べると話は暗いが、錠のコミカルな金庫破りは旭との掛け合いとともに一見の価値あり。
-
地獄の夜は真紅だぜ
制作年:
アサヒサーカスの目玉、オートバイの曲芸“地獄の夜“のさなかに三田光五郎が何者かに射殺された。サーカスは警察の目の光る中、興行を続け、流れ者の伸二を一員に加え、オートバイ曲芸で人気を盛り返した。ちょうどその頃、アサヒサーカスの乗っ取りをたくらむタカラサーカスの片岡が沖合で麻薬取引を始めていた……。
-
三匹の野良犬
制作年:
小林旭扮する主人公は、保税倉庫からダイヤを強奪して警備員を殺した犯人の濡れ衣を着せられ、投獄される。彼は、復讐に燃えて脱獄するが……。旭に協力する金庫破りの名人、金持ちのプレイボーイと日活のスター3人をそろえたアクション作品。
-
さすらいは俺の運命
制作年:
ヤクザ仲間の争いで恋人・利子を失った氷室は、2度とダイスは持たないと心に誓った。だが利子の姉・咲江が経営するレストランが、彼女を自分の女にしようとする町の実力者・貴島の陰謀で膨大な借金を抱えていると知った時、彼は再びダイスを握る決心をする……。
-
黒いダイスが俺を呼ぶ
制作年:
兄と恋人を賭博がもとで失った氷室浩次は、もう2度とダイスは握るまいと決心するが、ぶらりと立ち寄った街で、暴力団にイカサマバクチで金をむしりとられる市民を目にする。自らの誓いに悩みながら、見かねた氷室はついに立ち上がるのだった。
-
拳銃無頼帖 流れ者の群れ
制作年:
組長を殺されたヤクザの幹部・麻島は、組員に足を洗わせ、自分一人で復讐を誓う。だが、敵方のボス・貝塚は、復讐を恐れて、麻島をはじめ、3人の元幹部に殺し屋を差し向けた……。善玉の小林旭を含む3人が、逆襲に立ち上がるあたりから、ハードボイルド・タッチの味わいが出る、アクション映画の佳作。
-
ギター抱えたひとり旅
制作年:
氷室は兄と恋人をイカサマ賭博師の辺見によって失い、復讐のため辺見を追って信州に向かった。ひょんなことから、暴力団貝原組の客人として迎えられた氷室だが、貝原組の主催する賭博場に辺見がやって来ることを知る……。
-
関東遊侠伝
制作年:
松尾昭典監督、小林旭、宍戸錠主演による任侠アクション。元渡世人の主人公が、二つのヤクザ組織にはさまれて青息吐息の小さな組を救うために、再び渡世人の道に戻り一家の再建に乗り出す。小林旭と宍戸錠のコンビは、“渡り鳥“シリーズのノリで演じている。
-
博徒百人・任侠道
制作年:
昭和の初期、九州一の大親分・村井磯吉は、若松の縄張りを江頭と郷田の二人に分け与えた。しかし、郷田は江頭を暗殺し、領地を我がものとする。江頭の息子・悟は、父の仇を討つことを誓い、郷田を追いつめていく。高橋英樹が復讐に燃える博徒を熱演する任侠映画。大親分役には嵐寛寿郎が扮している。
-
やくざの詩
制作年:
小林旭が、殺された恋人の復讐を誓う男を演じたアクション・ドラマ。犯人を探す手がかりとして、スペイン製の銃ゲルニカの銃弾が、効果的に使われる。恋人を殺した犯人を探すため、ピアノ弾きと称して佐伯組にもぐり込んだ哲也。彼は、狙う相手が、かつて自分が命を救った拳銃ブローカー、相川一郎の弟・次郎だと知り……。垂水悟郎が次郎を怪演。
-
さすらい〈1962年〉
制作年:
野口博志監督、小林旭主演によるアクション映画。かつて空中ブランコの名手として鳴らした佐竹正二は、事故で相棒を死なせ船員になるが、サーカス団の乗っ取りをたくらむ港町のボスに雇われ、古巣のサーカス団に戻ることに。佐竹はそこで、相棒の事故は流れ者のブランコ乗りによって仕組まれたものだと知る……。クライマックスのヘリコプターで吊り下げられた空中ブランコのシーンは、小林旭が自ら演じ、日活アクション・スター第一人者の貫禄をみせた。流れ者のブランコ乗りに扮する平田大三郎がもうけ役で怪演し、団長の娘役の松原智恵子の可憐なタイツ姿も忘れがたい。なお同年、同じスタッフ・キャストで姉妹編「地獄の夜は真紅だぜ」が作られた。
-
渡り鳥故郷へ帰る
制作年:
“渡り鳥“シリーズの便宜上の最終作。瀬戸内海の地方都市に、筧組幹部の滝浩が3年ぶりに戻って来て、新興ヤクザと闘い、組を立て直し去っていく。タイトルに“渡り鳥“とあるのは興行的な配慮によるもので、主人公の名も監督もヒロイン役も異なるシリーズ外の作品。
-
投げたダイスが明日を呼ぶ
制作年:
ギャンブラー・氷室は神戸の賭博場に流れ着く。そこでイカサマにひっかかった素人賭博師、中島を助けたために、氷室は逆恨みから狙撃される。しかし、銃弾がそれ、中島が命を落としてしまった。氷室は遺族と中島のうらみを晴らすため暴力団と対決する。
-
あゝ決戦航空隊
制作年:
第二次世界大戦で、自爆テロのような特攻作戦を生んだ実在の男・大西瀧治郎の生涯を描く実録ものの戦争映画。敗戦国となった日本側の視点から捉えられた。パールハーバーの奇襲作戦から始まった太平洋戦争以来、日本軍は連戦連勝を重ねていたが、遂に追い詰められる時がやって来た。サイパン島でのアメリカとの決戦に敗れた日本軍は、最後の切り札を繰り出すことに。
-
民暴の帝王
制作年:
地上げ、不正融資、政治献金と巧妙な手口で法の目をくぐり抜け、バブル経済下の政財界を暗躍する大物ヤクザ・江田。そんな彼の生き様を、対立する武闘派との抗争の中に描く。「修羅の伝説」の和泉聖治監督と小林旭が2度目のコンビを組み、息の合ったところを見せている。
-
修羅の伝説
制作年:
利権争奪のためには、人の命など何とも思わない企業と政治家に対し立ち向かっていく昔気質のヤクザの姿を描く。小林旭主演のヤクザ映画。旭とは初共演の平幹二朗が“マル暴“担当の刑事を演じている。
-
多羅尾伴内・鬼面村の惨劇
制作年:
クリーン・ヒットの第1作を受けて製作された2作目。信州赤石山脈のある村の豪農・雨宮家で次々に連続殺人が起こり、名探偵・多羅尾伴内が、事件の解明に乗り出す。オドロオドロしい設定は、旭のカラッとした個性を殺してしまい、凡作に終わった。
-
都会の空の用心棒
制作年:
ビラまきを主な仕事とするちっぽけな会社のヘリコプターのパイロットが、殺人事件に巻き込まれて大活躍する。「紅の翼」や「天と地を駈ける男」などで高い評価を得た日活特殊撮影陣による航空シーンが最大の見せ場だが、マイトガイ・小林旭の骨身惜しまぬアクション・スターぶりも高く評価される。「拳銃は俺のパスポート」や「夜霧のブルース」など日活アクション史上に残る傑作を監督した野村孝としては、中級のできながら、的確なドラマ運びとスピーディなアクション処理で楽しめる作品に仕上げている。ジェリー藤尾がアイスピックを持った殺し屋役で、特異な個性をみせた。
-
海から来た流れ者
制作年:
大島に流れてきた男が、土建業者同士の対立抗争に巻き込まれていく。“渡り鳥““流れ者“を通して、小林旭演じる主人公と奇妙な友情で結ばれるライバルに扮した宍戸錠は、ここではまだ完全な悪役。この二人は、このあとコンビとしての面白さのボルテージを上げていく。
-
高原児〈1961年〉
制作年:
ヒーローを慕う浅丘ルリ子のヒロイン、ライバルの殺し屋など、ほとんど同じ小林旭の“渡り鳥“シリーズを思わせるアクション。看護婦の伸子は、射撃の名手・健次に惚れていたが、彼の態度が煮えきらないので、ほかの男と婚約する。一方で、伸次の姉夫婦が経営する牧場を悪玉が狙っていた。その危機を知った健次は、牧場に駆けつけて……。
-
南海の狼火
制作年:
四国の宇和島。須賀真珠会社は、新興の宇高真珠に借りた借金を、闘牛の賞金で返そうとする。だが、須賀真珠の乗っ取りをたくらむ宇高真珠は、陰謀を巡らしていた。そこに流れ者の野村浩次がやって来て……。ライバル役の宍戸錠は、常に数珠を離さない“坊主の政“に扮し、相手を射った後に念仏を唱えるという、とぼけた殺し屋を好演している。
-
大暴れ風来坊
制作年:
四国・松山の瀬川運送は、県から払い下げられる土地の入札資金調達に奔走していた。瀬川は関西の実力者、大田黒に頼むが、彼こそ瀬川の土地を狙う悪漢で、執拗なまでに瀬川の土地を奪おうとする。そんな時、松山に得体の知れない風来坊がやって来る……。
-
広島仁義・人質奪回作戦
制作年:
8年の刑期を終えて出所した広島のヤクザが、足を洗おうと東京に出て総会屋になるが、結局ヤクザ渡世に舞い戻り、兄弟分に殺されるハメになる。残酷描写はなかなかのものだが、盛り上がりに欠ける。「人質奪回作戦」というサブタイトルは不当表示のきらいあり。
-
花と怒涛
制作年:
「関東無宿」に続く小林旭と鈴木清順のコンビによる任侠アクション。ストーリー以上に、大正中期の浅草のセットが印象的である。幅広のオペラ・ハットに黒マントという、“ペラゴロ・スタイル“の殺し屋に扮する川地民夫が強烈なインパクトを残し、主役の旭をすっかり食ってしまった。
-
日本最大の顔役
制作年:
小林旭扮する主人公は、港湾都市を支配する組の三代目を襲名し、新興暴力団やヤクザ組織を次々に退けて勢力を伸ばしていく。長谷部安春監督の力作「広域暴力・流血の縄張」の姉妹編的な作品。バイオレンス描写などドキドキの展開で、最後はスカッとする。
-
渡り鳥いつまた帰る
制作年:
佐渡に流れて来た“渡り鳥“滝伸次は、戦時中に日本軍が隠匿した貴金属を独り占めにしようとする悪玉の野望を阻止する。宍戸錠が主人公のライバル“ハジキの哲“として登場し敵対するが、最後は協力して悪玉を倒す。
-
黒い傷あとのブルース
制作年:
小林旭のヒット曲をベースにした日活ムード・アクション。暗い過去を引きずり、復讐の鬼となったヤクザの悲哀を描き出す。主人公とのプラトニックな恋を演じるヒロイン役は当時17歳の吉永小百合。これが彼女と小林旭の唯一の共演作となった。
-
霧の中の男
制作年:
石原慎太郎の原作・脚本を蔵原惟繕が監督した日活アクションの一編。捕虜収容所での生活から賭博場荒らし、殺し屋という道を歩んだ男の数奇な運命を、回想形式で綴る。葉山良二がギャング役に初挑戦。情婦に扮する左幸子が日陰の女の哀しさを好演している。影を巧みに使った画面構成が秀逸。
-
銀座旋風児・目撃者は彼奴だ
制作年:
庶民経済会の前会長謀殺事件を追っていた刑事がある夜殺される。目撃者は銀座旋風児の二階堂卓也とサラリーマンの小山田。警察は小山田を犯人として捕まえるが、卓也は事件の鍵は猟銃にあるとにらみ、東京中の銃砲店を歩いて回るのだった。
-
波止場の無法者
制作年:
海を捨て、陸で堅気になって働こうと決心した木島だが、飲み屋ではからずもケンカに巻き込まれる。キャバレーのマスターに気に入られた木島は用心棒として店につくことに。しかし、その店は香港の麻薬王に狙われていた……。「ギターを持った渡り鳥」の小林旭・斎藤武市コンビで贈るマドロスものアクション。
-
多羅尾伴内
制作年:
片岡千恵蔵の当たり役である多羅尾伴内を、マイトガイ・小林旭が、二代目として演じる。超満員の観客で湧き返る東京K球場で、ホームランを打った選手が殺される事件が発生する……。小林旭の久々のアクションが見もの。
-
嵐を突っ切るジェット機
制作年:
1960~62年に作られた、小林旭の“パイロット“もの4本のうちの1本。榊は航空自衛隊アクロバット・チームの一員。彼の兄、英雄は私設航空集団“太平洋“を経営していたが、窮境の渦中にあり、麻薬商人・劉の仕事を請け負ってしまう。榊は劉と英雄の間のイザコザに巻き込まれて……。ラストの劉と英雄の空中戦は、迫力タップリ。
-
赤い夕陽の渡り鳥
制作年:
ギターを背に“渡り鳥“滝伸次が会津磐梯山の麓に現れ、牧場主を助けて、牧場乗っ取りをたくらむ悪玉一味を叩きつぶす。宍戸錠がライバル“ハジキの政“として登場し、大坂志郎が珍しく悪玉に扮する。
-
太陽・海を染めるとき
制作年:
マイトガイ・小林旭と舛田利雄監督のコンビによる痛快娯楽アクション。主人公は外国航路の船員で、ある港で商船大学の同級生と2年ぶりの再会をするが、旧友は処女航海に失敗し、今はヤクザになっていた。主人公は彼のために悪玉と戦う。浅丘ルリ子が男勝りの娘を演じ、イキな啖呵を切るのが可愛らしい。
-
意気に感ず
制作年:
サラリーマンを描く源氏鶏太の同名小説を、斎藤武市が映像化した企業内幕もの。神保物産営業部員・英吉は、神保物産から独立した西田物産に引き抜きの誘いを受けていた。それを蹴って、彼は神保物産立て直しをはかるべく、4年前退職した東沢を連れ戻す。が、社内にも西田物産派がおり、様々な妨害が……。
-
大草原の渡り鳥
制作年:
北海道摩周湖付近の広大な自然を舞台に、ギターを背負った“渡り鳥”が、観光地の利権を狙う悪玉からアイヌ集落を救う。小林旭と宍戸錠が息のあったところを見せ、斉藤武市の演出も好調、シリーズの最高作となった。
-
女を忘れろ
制作年:
「完全な遊戯」と並ぶ小林旭の初期の代表作。ボクシングの試合で相手を失明させてドラマーに転向した主人公は、浅丘ルリ子扮する美しい娘に心惹かれ彼女のために悪徳土建屋と戦う。恋人と別れて異国へ旅立つ小林を乗せた車が、冬の夜道を静かに去っていくラストシーンの余韻は忘れがたい。
-
南国土佐を後にして
制作年:
ペギー葉山が歌い大ヒットを記録した同名曲にあやかり、斎藤武市監督、小林旭主演で映画化された歌謡アクション。刑務所を出所したヤクザの原田譲司は、故郷の高知へ帰り恋人と堅気に生きようとするが、恋人に横恋慕する地元ヤクザのボスにことあるごとに痛めつけられ、またヤクザの世界に舞い戻る。しかし再び恋人のために出直そうと決意し、警察に自首する。この作品は封切りで予期せぬほどの興行成績を収め、マイトガイ・小林旭は、石原裕次郎と並ぶスターの地位を獲得した。また、小林旭の全盛期を代表する“渡り鳥”と“流れ者”の両シリーズの原型となった点でも重要な作品。
-
広域暴力 流血の縄張
制作年:
ヤクザ連合組織、関東桜田会が警察の圧力を逃れるため偽装解散。しかし、傘下の一家がこれを承知せず、桜田会と関西ヤクザとの標的になる。一家の幹部になるのが小林旭で、仲間を殺され、ラストに雨と泥と血まみれになりながら殴り込みをかける場面が印象的。
-
三匹の悪党
制作年:
イカサマ博徒の半次郎と三郎はとある漁師町にやって来る。その町ではヤクザの舟留屋が高利貸しをして人々を苦しめていた。二人は舟留屋3代目襲名披露の賭場に乗り込み、まんまと大金をせしめる。これをかぎつけた流れ者、一本松と二人の攻防が展開するアクション作品。
-
無頼無法の徒 さぶ
制作年:
山本周五郎の同名小説を小林旭と長門裕之のコンビで映画化。敏捷で腕のたつ栄二と鈍重なさぶの二人は、ある日、10年前に知り合った女性・すえと再会した。すえは栄二を慕うが、人気者の彼に嫉妬してしまう。そんな折、綿文屋の家宝が紛失し、栄二が犯人として捕らえられてしまうのだが……。
-
波濤を越える渡り鳥
制作年:
滝伸次は行方不明の兄を探すためタイのバンコクに渡り、そこで日本軍が戦時中に埋めた貴金属を奪おうとする悪玉と対決する。香港・バンコクに大ロケーションが敢行されたが、シリーズ特有のロマネスクな魅力が失われてしまった。
-
都会の空の非常線
制作年:
「都会の空の用心棒」に続く小林旭のパイロットもの。旭扮するヘリコプターのパイロットが、土地の利権を狙う悪玉一味と戦う。「紅の翼」などで見せた日活特撮陣の航空シーンは今回も快調で、ヘリコプターによる航空活劇シーンが次々と登場する。
-
俺にさわると危ないぜ
制作年:
日活ニュー・アクションの雄、長谷部安春監督のデビュー作。主人公・小林旭はベトナム帰りの報道カメラマン。彼の恋人の亡父が戦時中、莫大な金塊をどこかへ隠したという噂を聞きつけた国際ギャングとブラック・タイツ団なる女賊が争奪戦を繰り広げる。
-
銀座旋風児
制作年:
インテリア・デザイナーの二階堂卓也は、戦時中に国民から上納されたダイヤを横領し、中国人になりすまして銀座のボスになった男・堀田を追い詰める。ラストに“風ノ如ク又カエリ来ル!”という紙片を残し、消え去る卓也のキャラクターのキザッぽさ、これぞ小林旭の真骨項といえよう。
-
黒い賭博師
制作年:
東京に舞い戻った氷室浩次は、国際賭博団マルコムの団員・楊と対決する。初めはイカサマと見破れずに負けるものの、再度の対戦では見事に見破って一矢を報いた。ところが、彼の腕を恐れるカード師・犬丸が氷室の左手を痛撃。氷室は奮然と船中の大賭博に乗り込み、傷ついた左手でダイスを握る。
-
黒い賭博師 悪魔の左手
制作年:
回教国パンドラ王国の若き国王アブダラ三世は、賭博大学の技術部長“教授”にあやつられ、日本のギャンブル市場獲得に邪魔なギャンブラー・氷室浩次を亡きものにしようと3人の凄腕ギャンブラーを送り込む。ストーリーをデフォルメしすぎて散漫な印象に。
-
野郎に国境はない
制作年:
小林旭がパリを拠点に活躍する国際刑事警察の捜査官に扮した、刑事アクションもの。バンコクのメナム河畔で二つの死体が発見され、国際刑事警察捜査官・辺見は、さっそくパリからバンコクへと飛ぶ。やがてこの殺人事件の背後に日本の組織によるニセドル札偽造がからんでいることがわかり……。中平康が得意のアクション演出に才を発揮した作品。
-
殺したのは誰だ
制作年:
自動車セールスマンの栄吉は老いたせいか仕事の成績が悪い。そんな時、車を故意にぶつけて保険金を詐取しようという仲間の誘いを受けたが、弱気の栄吉は断った。栄吉の代わりに決行した男は車の事故で死ぬ。新藤兼人のオリジナル・シナリオを中平康が演出。
-
血斗
制作年:
舛田利雄監督、小林旭、高橋英樹共演による任侠アクション「対決」の姉妹編的作品。山辰一家が傍若無人にふるまう町に流れてきた二人の男が、協力して一家を叩きつぶす。小林旭が前作に引き続きコミカルな一匹狼・満州常を演じて新境地を見せる。
-
地獄の破門状
制作年:
日活スター勢ぞろいといった感のある任侠映画。大正末期の浅草を舞台に、4人の男がそれぞれの思惑を胸に秘めながら、協力して悪徳ボスを倒す。小林旭・浅丘ルリ子という、かつての名コンビが久々に本格的な共演をした作品で、二人の日活時代の共演はこれが最後。浅丘の芸者姿がひときわ美しい。
-
姐御〈1969年〉
制作年:
磯島組幹部の紺野淳一は親分から跡目相続を頼まれたことから、同格の影山のうらみを買う。やがて淳一は影山の刺客につけ狙われるようになり、縄張りも次々と奪われていく。そして、ついにだまし討ちに倒れた淳一のため、兄貴分の正貴が立ち上がった……。“渡り鳥”シリーズの斎藤武市による任侠もの。
-
群集の中の太陽
制作年:
城南大学ラグビー部部員の尾崎とその仲間3人は、祝勝会の料理屋で洋子と知り合う。洋子は尾崎の親友・武井と結ばれ、やがて彼らは大学を卒業するが、実業家志望の武井は事業に失敗、洋子も失踪する。新聞記者になった尾崎が乗り出すが……。地味ながら印象的な青春ドラマ。
-
俺たちの血が許さない
制作年:
日活時代の鈴木清順が最もノッていた頃の作品。ヤクザの兄と会社員の弟が、暴力団の抗争に巻き込まれる。恋人を殺され復讐を誓う兄が、それでも弟にだけはまじめな一生を送らせようとするが……。車に降る不思議な雨の効果が有名。
-
完全な遊戯
制作年:
『太陽の季節』で太陽族ブームを巻き起こした石原慎太郎が、自ら“太陽族の終点”を描いたという原作を職人・舛田利雄が監督。話は、いくら学生時代に無茶をしても、結局のところ若者は職に就き、世間の中に埋没していくというもの。当時与えた衝撃力が現在通用するかという点では、多少の疑問も。
-
絶唱〈1958年〉
制作年:
大江賢次の原作を小林旭と浅丘ルリ子のフレッシュコンビで映画化した純愛メロドラマの古典。戦前の山陰地方。封建的な大地主の息子・順吉は、山番の娘・小雪と恋仲になるが、周囲の猛烈な反対の末に駆け落ちする。二人はつかの間の幸福を得るが、戦争が始まり順吉は召集される。戦争が終り順吉が復員してきた日、小雪は息を引き取る。戦前派の滝沢英輔監督が、キメ細かな演出で観客の涙腺をゆるませ、小林旭と浅丘ルリ子の二人も初々しい演技で好感が持てる。特に小林旭は、“マイトガイ”として売り出す以前の青春スターとして地味に活躍していた時期の作品だけに、興味深い。
-
嵐を呼ぶ友情
制作年:
「嵐を呼ぶ男」同様バンドマンの世界を背景とした男たちのドラマ。ジャズ喫茶“ジャズボート”では岡辺と川添のトランペットが人気を呼び、連日満員であった。二人は名トランペッター・旗から演奏を一から叩きこまれたのだった。そんなある日、恩師・旗の息子がチンピラとなっているのを知った二人は、彼をジャズの力で更生させようと誓う。
-
遥かなる国の歌
制作年:
神戸でクインテットを結成、東京でジャズバンドとして売り出した山川らのもとに、一人の混血青年が訪ねてくる。彼は母親に会いたい一心で、何も知らずに香港から日本へ麻薬を届け、組織に追われる身だった。山川らは青年をバンドのメンバーに加え、歌を歌わせることで母を捜す手伝いをしようとするが、皮肉にも組織に見つかってしまって……。全編にジャズが響く歌謡アクション。
-
踏みはずした春
制作年:
清順の太陽族青春映画の第1作。実在の青少年非行矯正ボランティア団体の若い女に左幸子が扮し、使命感と少年への思慕との間で揺れる姿を好演している。清順演出は、説教臭いストーリーをモダンなリズムで飄々と描いている。若き小林旭のふてくされたアウトローぶりが楽しい。
-
大森林に向って立つ
制作年:
南アルプス。津山木材が所有する路線を乗っ取ろうとたくらむ神戸産業は、津山木材の人夫を一人残らず引き抜いていまう。仕方なく集められた臨時の人夫は、風来坊、賭博好き、酒飲みといったありさま。だが津山木材に恩があるヤクザの伊吹がやって来て、山は急に活気づき……。アルプスの広大な自然を背景にしたアクションもの。
-
夜の勲章
制作年:
数日前から姿を消した姉の行方を捜して欲しい、と看護婦から依頼を受けた探偵の阿久津純一。調査を続けるうち、姉は麻薬中毒患者で、異国で死んだ父の遺産1000万円を持って行方をくらましていることがわかる。そして事故発生後7日目、遺産の入った預金通帳とともに姉の死体が発見される。失踪事件から始まる、ハードボイルド・スタイルのサスペンス。
-
関東無宿
制作年:
映像派・鈴木清順と美術・木村威夫が生んだ様式美あふれる任侠映画。平林たい子の原作『地底の歌』はすでに1956年に野口博志監督の手によって映画化されているので、これが2度目となった。今回の映画化では、小林旭に眉を太く描かせるなどして歌舞伎の様式を取り入れ、主人公の情念の象徴である赤を中心にした色彩設計がなされている。特に、クライマックスで主人公が敵方の賭場で相手を斬った瞬間、背後の襖がスローモーションで倒れていき、真っ赤なホリゾントが画面一面に映るシーンは、まさに清順=木村の真骨頂だ。伊豆組の幹部・鶴田は、吉田組に押されている組のことで親分と意見が対立。ある日、鶴田は賭場で出会った女が有名なイカサマ博奕打ちの女であることを知った。しかし、そうとは知りつつも鶴田はその女に惹かれていく。そして、その女の亭主であるイカサマ博奕打ちと勝負がしたいと思うのだった……。
-
東京の暴れん坊
制作年:
俗に小林旭の“銀座の次郎長”ものといわれる作品の第1作。旭扮する主人公は、銀座のレストラン“ジロー”の若旦那。彼の恋人は、“松の湯”の一人娘で、この松の湯が悪玉一味に乗っ取られそうになり、主人公がやっつける。銀座の商店街の面々と力を合わせて事件を解決するという、ローカル性と明るくコミカルなタッチがなかなか面白い。
-
夜をひらく 女の市場
制作年:
夜の銀座の引き抜き屋こと槌田昭。経営に苦しむクラブシャトウに狙いを定めた彼は、デマを流して大量引き抜きをかけ、シャトウのNo.1ホステスを獲得。続けて美人姉妹にアタックするのだったが……。1960~70年、夜の銀座を舞台にした小林旭の主演シリーズ“女の警察”の流れに連なる作品。
-
実録外伝 大阪電撃作戦
制作年:
“仁義なき戦い”シリーズの大ヒットによって火がついた東映実録路線の異色作。ひたすら暴力的でエネルギッシュな深作欣二に対し、中島貞夫の狂暴さの中に秘めたシニカルな視線が、この作品に奇妙な味を残している。
-
青い乳房
制作年:
清順の前作「踏みはずした春」に続く日活無軌道青春映画第2作。小林旭は再び不良少年を演じる。内容は一種の家庭崩壊劇で、継母の過去の強姦、エロ映画製作、恐喝、痴話ゲンカなど不道徳のオンパレードであるが、清順は題材に流されず、独自の映像美で画面を切り取っている。原作名は「嘆きの乳房」。
-
昇り竜やわ肌開帳
制作年:
関東桜一家の二代目組長を継いだ桜勝美の活躍を描く女任侠映画。鈴木清順門下の葛生雅美の監督デビュー作でもある。昇り竜の刺青を肌に刻む勝美の前に、流れ者の哲次郎という男が現れた。彼女の許婚は哲次郎の身代りになって殺されたのだという。勝美はやがて哲次郎に惹かれていくのだが……。
-
唐獅子警察
制作年:
暴力団・大成会の直人と腹違いの弟・拓との宿命的な愛憎を描いたヤクザ映画。兄を憎む拓を渡瀬恒彦が好演。直人役の小林旭とガッチリ組んで、ラストの二人の対決を盛りあげた。題名・原案は滝沢解&かわぐちかいじによる同名劇画からとられている。
-
今日のいのち
制作年:
病院の再建に奔走する理子と、彼女をいちずに慕う年下の男・岳二との恋愛を描いたメロドラマ。前年の「太陽の季節」でデビューした石原裕次郎が岳二の恋のライバルとして出演している。原作は「女中っ子」に続いて由起しげ子の作品が選ばれた。
-
北帰行より・渡り鳥北へ帰る
制作年:
“渡り鳥”滝伸次は弟分を殺した敵(かたき)を求めて函館へやって来て、造船所乗っ取りをたくらむ悪玉と対決する。ライバルに宍戸錠の実弟・郷英治が扮したが、貫禄不足は否めなかった。この作品は事実上シリーズの最終作となった。DVDタイトルは「渡り鳥北へ帰る」。
-
ゾロ目の三兄弟
制作年:
小林旭主演・東映第1作のアクション映画。昭和28年頃の大阪を舞台に、小林・田中・渡瀬扮する助平でケチでけんか早い3兄弟が、故郷への工場進出をめぐって大資本と結託したヤクザ組織を敵にまわし、大立ち回りを演じる。脚本は当時任侠路線から実録路線への推移のなか、本領を発揮しつつ量産し続けていた高田宏治。
-
錆びたナイフ
制作年:
石原慎太郎の原作を舛田利雄監督と石原裕次郎の黄金コンビによって映画化した、日活アクションの古典的名作。地方都市の市長選挙にからむ殺人事件を3人のチンピラが目撃する。錠は金に困って組織をゆするが逆に殺されてしまう。裕次郎と旭はカタギになって小さな酒場を経営しているが、組織に嗅ぎつけられて旭が殺され、怒りに燃えた裕次郎は組織と対決する。裕次郎がダンプカーで逃げる悪玉のボスを、同じくダンプカーで追うクライマックスは、アクション派・舛田利雄のダイナミックな演出が冴え、悪玉ボス役の杉浦直樹も熱演。また、石原裕次郎と小林旭が初めて本格的な共演をした点でも、歴史的な価値がある作品。
-
実録 飛車角 狼どもの仁義
制作年:
大正末期から昭和にかけての不況と社会不安を背景に、地方からやって来た“侠客”石黒彦市が、自分の力と暴力のみを信じて生き抜いていく姿を、実録風に描いた任侠もの。飯干晃一の『狼どもの仁義』を原作に、菅原文太、小林旭らが熱演。
-
幕末太陽傳
制作年:
川島雄三の代表作。元ネタになるのは落語の『居残り佐平次』だが、これに『芝浜の革財布』『品川心中』のネタを取り入れている。あと5年で明治維新という、文久2年の11月、品川の遊廓街で、佐平次は仲間を連れて大尽遊び。ところが、金は一文も持っていない。かくして佐平次は居残りとなって、しばらくそこに腰を落ち着けることになる。宿にはもう一組居残り組がいる。高杉晋作を中心とする勤皇の志士たちである。佐平次は、この高杉と仲良くなったり、廓の仕事を要領よくこなし、たちまち廓の人気者となる。映画はこれらの人物を絡ませ、佐平次のバイタリティーをテンポよく活写していく。佐平次は胸を患っており、時折、咳き込みながら見せる暗い顔には死の匂いが漂っていて、そうしたニヒリズムがバイタリティーの裏に見え隠れし、川島の体質を体現した傑作となった。
-
仁義なき戦い 頂上作戦
制作年:
昭和38年、広島は西日本広域暴力団・明石組と神和会の代理戦争の場と化していた。相次ぐ抗争事件への市民の批判から、警察は頂上作戦を敷く。明石組系の打本組と広能組、神和会系の山守組の双方は激しく対立。広能の組員が槙原の組員に射殺されたことから抗争は一段と激化する。一方、山守組系の早川組の組員が女を巡り、打本組の組員を射殺したため、明石組が大挙して広島へなだれ込む。しかし、老獪な山守の画策によって広能は別件逮捕され、形勢は逆転する……。
-
仁義なき戦い 代理戦争
制作年:
今回の舞台背景となるのは昭和35年から38年の高度成長時代。前2作ではまだ組員だった広能も広能組の組長になるなど、組織的に固まってきた広島ヤクザの陰謀と裏切りが渦巻く抗争を描く。昭和35年、広島最大の暴力団・村岡組の跡目の座をめぐって、打本と山守が対立していた。打本は神戸の明石組に広能を介して盃を申し入れた。それを快く思わない村岡は跡目を山守に譲り、山守組は広島最大の暴力団となった。打本は孤立し、明石組に逃げ込み正式に明石組の傘下に入った。一方、山守も神戸の神和会と縁組みし、代理戦争の幕が切って落とされた。
-
日本暴力列島 京阪神殺しの軍団
制作年:
大阪で起きた暴力団の抗争事件が波及して山陰、北海道、岐阜などに飛び火するさまを描いた実録ヤクザ映画。小林旭以外は“悪役勢ぞろい”といった感のあるキャスティング。それぞれの性格もよく描き分けられていて、典型的パターンだが実録ヤクザ映画の集大成的作品といえる。
最新ニュース
おすすめフォト
おすすめ動画 >
-
X
-
Instagram