
佐藤慶
佐藤慶 出演映画作品
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動乱〈4Kデジタルリマスター版〉
制作年:2020年11月6日(金)公開
日本を代表するスター、高倉健と吉永小百合が初共演を果たしたことで当時大きな話題を集めた、歴史ドラマ。五・一五事件から二・二六事件までという混迷の昭和初期を背景に、寡黙で実直な青年将校と、その妻が貫いた愛を“海峡を渡る愛”“雪降り止まず”の2部構成で描き出す。監督は『日本沈没』や『八甲田山』などで知られる名匠、森谷司郎。
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日本の首領〈ドン〉 完結篇
制作年:
片岡千恵蔵が、政財界の黒幕役で登場する。政財界の黒幕・大山は任侠団体の統一合体を提唱するが、佐倉も大石も乗ろうとしない。そこで……。片岡、佐分利、三船という三大スターの顔合わせが迫力満点。
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無国籍の男 血の収穫
制作年:
【サラリーマンからヒットマンへ流転するアウトローの哀愁】 「新・悲しきヒットマン」でも組んだ望月六郎監督と石橋凌が再び組んだ、アウトロー・バイオレンス。サラリーマンからマフィアへと身を持ち崩した男の悲哀をドライなタッチで描く。
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必殺仕掛人・梅安蟻地獄
制作年:
出演者をTVのレギュラー陣に入れ替えた第2作。梅安と浪人・小形十五郎は、裏で悪事をたくらむ伊豆屋と医者の宗伯の殺しを頼まれ、衆人環視の中で伊豆屋を殺す。梅安のテクニックが見ものだが、全体的なまとまりに欠ける。
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マグニチュード 明日への架け橋
制作年:
【震災と闘う人々の姿に学ぶ自主防災意識の大切さ】 阪神大震災を背景に、大災害に立ち向かう人々の群像を描いたヒューマン・ドラマ。CGによるリアルな震災シーンに接することで、防災意識の大切さを改めて考えさせられる。
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完全なる飼育
制作年:
【濃厚なセックス描写あり女子高生誘拐事件の顛末は?】 「生きたい」の新藤兼人脚本による、誘拐犯と女子高生の禁断の愛。監禁目的で少女を誘拐した孤独な中年男と自由を奪われた18歳の行方を描く。小島聖が大胆すぎるヌードを披露。
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花と竜 洞海湾の決闘
制作年:
錦之助版「花と竜」の続編。正編のような出世話の色彩は薄まったが、その分貫禄のついた玉井金五郎親分で魅せる。若松港に一家を構えた金五郎が悪どい友田喜造の妨害をはねのけながら、沖仲士の組合結成をサポートしていく。
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金融腐蝕列島・呪縛
制作年:
【ベストセラーを映画化経済の腐敗をえぐり出せ!】 産経新聞に連載された高杉良の小説に基づく経済ドラマ。大手銀行の改革に挑んだ男たちの奮闘が力強く描かれる。金融の腐蝕構造を一蹴しようとする主人公を役所広司が熱演。
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宣戦布告
制作年:
【一触即発の危機そのとき、日本は?】 麻生幾の同名小説を映画化したシュミレーション・ストーリー。もし、国籍不明の潜水艦から特殊工作員が日本に攻撃を仕掛けてきたら? 政府のうろたえぶりと一触即発の危機を見つめる。
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魚からダイオキシン!!
制作年:
東京の知事選に敗れたロックンローラーがニューヨークに渡り、クルド人のミュージシャンと出会う。彼らに深く感銘したロッカーは、日本でクルド人難民救済コンサートを開こうとプロモーターに持ちかけるが、相手にされず、彼はついに音楽事務所に銃を持って乗り込む……。内田裕也脚本、主演による意欲作。
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あずみ
制作年:
【斬って斬って斬りまくる 上戸彩の清冽なド迫力!】 小山ゆうの同名漫画を新鋭、北村龍平監督が映画化。戦乱の世を抑止する最強兵士として“教育“された少女が任務遂行の過程で己の矛盾と格闘する。上戸彩が美しく力強い殺陣を披露。
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ゲルマニウムの夜
制作年:
【花村萬月の衝撃ドラマを映像化!】 花村萬月の芥川賞受賞作を『赤目四十八瀧…』で話題を集めた荒戸源次郎のプロデュースで映画化した衝撃作。暴力に身を任せる青年の神への挑戦とも言える日々を描く。若手俳優の新井浩文が、荒々しくも透明感のある熱演を見せている。
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60歳のラブレター
制作年:
【手紙に込められた言葉にできない愛と感謝の気持ち】 長年連れ添った夫婦が、感謝の言葉をはがきにつづる応募企画に着想を得て描く感動作。3組の夫婦を通して、年を重ねてこそ感じる喜びと不安を見つめ、築き上げた絆の尊さを浮き彫りにする。中村雅俊、原田美枝子ら演技派が、それぞれ味わい深い名演を披露。より豊かな人生を送ろうとしている大人たちに、勇気と希望を与えてくれる。
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カイジ ~人生逆転ゲーム~
制作年:
【めざせ一発逆転! フリーターの借金奮闘記】 舞台やテレビでの活躍に加え、『DEATH NOTE デスノート』の天才・夜神月や『カメレオン』の詐欺師など、次々と意欲的な役どころをこなしてきた藤原竜也が“負け組“のフリーター役に挑戦。福本伸行による同名コミックを原作にした荒唐無稽な痛快ストーリーで、「ごくせん」などの人気ドラマのディレクター、佐藤東弥が演出にあたる。
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パ★テ★オ
制作年:
PART1、PART2をTV放映、完結編を劇場公開するという、初の試みによるサスペンス・ミステリー。謎の秘宝“パテオの赤いバラ“を求め、菊池桃子扮する旅行添乗員の真理と、加勢大周演じる考古学者の優が、冒険を繰り広げる。香港、シドニー、ジャカルタ、インドネシア、そして日本。各地に点在する、パテオ伝説をつなぎ合わせた、その結末とは……。
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銃殺 2・26の叛乱
制作年:
1954年の「叛乱」と同じ立野信之の『叛乱』を原作とした昭和史問題作。丹波哲郎扮する相川中佐の軍務局長暗殺から2・26事件の勃発、そして青年将校たちの処刑までを描いていく。慎重派の安東大尉を鶴田浩二が熱演。撮影の仲沢半次郎は、のちに同テーマの「動乱」も手掛けている。
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白い野望
制作年:
主任看護婦との愛のもつれ、色仕掛けで近づく製薬会社のセールス・レディ、病院内での激烈な権力争い――才能と野望にあふれるエリート脳外科医を主人公に、彼を取り巻く様々な人間模様を描いた社会派サスペンス。医学界の内実もチラリと垣間見られる。
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グリーン・レクイエム
制作年:
完成から3年、陽の目を見なかった今関あきよしの劇場用映画第2作。光合成によって栄養を補給するという少女・明日香と国立植物学研究所に勤める若者・信彦との愛を描いたSFファンタジー。
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蘇える金狼
制作年:
大藪春彦・村川透・松田優作のトリオで次々ヒットを生み出したハードボイルド・シリーズの口火を切った作品。昼間は平凡なサラリーマンを装いながら、夜は身体を鍛えて巨大資本を乗っ取る企みを持つ男の姿を描く。都会を冷たく、また迫力ある映像で切り取った仙元誠三のカメラワークも光る。
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路傍の石〈1964年〉
制作年:
山本有三の同名小説を戦後3度目の映画化。総代として学校を卒業した吾一は将来の夢を思い描いていたが、飲んだくれの父のために進学できずに呉服屋に奉公に出る。つらい日々を耐えながら、同じ境遇の友人たちとの語らいに吾一は勇気づけられていく……。
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夢の祭り
制作年:
著書『紙ヒコーキ通信』で映画への思い入れを知られる直木賞作家・長部日出雄が、長年温めてきた企画で監督デビュー。昭和初期の津軽の山村で、津軽三味線にとりつかれた若者が、三味線競争でライバルに敗れ、修行の旅に出る。旅の途中、様々な人々との出会いのなかで自分を見つめ直し、1年後、再び彼はライバルと対決する。
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ギャング対ギャング 赤と黒のブルース
制作年:
東京オリンピックの射撃選手候補・加納信之はささいなケンカから人を殺して将来を踏み誤る。出所後横浜を仕切るヤクザ組織・菊栄会の凄絶な跡目争いに利用された彼は……。鶴田浩二が孤高の暗殺者を演じた、実録タッチの任侠アクション。ハードボイルド風の筋立てだが、描写はかなりウェット。
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藪の中の黒猫
制作年:
平安中期の京都。4人の落武者に暴行され、家ごと焼かれた母娘が、妖怪となって次々と復讐を遂げる……。民間伝承話に着想を得た新藤兼人作品。師である溝口健二の「雨月物語」を思わせる幻想的な物語のなかに、生命の根源である“性“の主題を追及している。太地喜和子の妖艶な化け猫ぶりが圧巻。
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陸軍中野学校 雲一号指令
制作年:
神戸を舞台に、大型軍用船爆破事件の真相を探る椎名次郎の活躍を描く。前作は、中野学校生たちの青春群像劇といった作りだったが、本作は人間ドラマよりもストーリー性を重視した娯楽作となっている。敵スパイとの対決という基本型ができあがった。
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極道記者2 馬券転生篇
制作年:
競馬記者の生き様を描く第2作。“極道記者“と呼ばれる競馬記者の松崎は、恋人にもツキにも見放され近頃ついていない。そんな彼の前に、一点買いで万馬券を的中させる老賭博師・徳大寺が現れる。彼に興味を持った松崎が家を訪ねると、彼は関東ヤクザの大物で、関東と関西の抗争を治める中心人物だった……。競馬はもちろん、麻雀、チンチロリン、シリーズ初登場のバカラと白熱したギャンブル・シーンも満載。
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座頭市の歌が聞える
制作年:
座頭市は一の宮で、町の人々を苦しめている板鼻権造一家を叩きつぶし、浪人・黒部玄八郎と剣を合わせる。第1作の平手造酒役で名演技をみせた天知茂が、黒部玄八郎役で再び座頭市と対決。
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墨東綺譚〈1992年〉
制作年:
永井荷風の小説をもとに、荷風自身を主人公に脚色して映画化。日本的な官能美が話題となった。大学教授でありながら、粋な遊蕩生活に明け暮れる荷風は、玉ノ井の娼家でお雪と名乗る娼婦に出会う。生まれて初めて理想の女性と出会った荷風は、57歳にして結婚の約束をする。しかし東京大空襲の炎に追われて二人は別れ別れに……。
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無頼 人斬り五郎
制作年:
藤田五郎は、刑務所の中で獄死した弟分の林田の姉を探して林田の故郷を訪ねると、彼女が赤線の女になっていることを知る。地元の暴力団・名振会は、五郎を煙たがり、刺客をさしむけるが……。
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スーパーGUNレディ ワニ分署
制作年:
警視庁の秘密捜査組織、通称ワニ分署の女刑事・火野三夏は、新任の相棒・加倉リンと組んで航空機汚職に絡んだ殺人事件に挑む。汚職問題は商社から国会にまで及び、もみ消し工作によって二人も命を狙われる……。人気劇画の映画化に、カバー・ガールの横山、キックボクサーのジャンボかおるが堂々と挑んだ。
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戒厳令の夜
制作年:
博多の古びたバーで、偶然に発見された1枚の“幻の絵“によって、闇に葬られたはずの政治的陰謀が一斉に明るみに出る。五木寛之の同名ベストセラー小説を、ジョー山中の歌唱に乗せて展開させた壮大なミステリー・ロマン。怪老人役で鶴田浩二が熱演。
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課長 島耕作
制作年:
『週刊コミック・モーニング』誌に9年間連載された弘兼憲史の同名の人気漫画を根岸吉太郎が映画化。大手電機メーカー宣伝課の若き課長、島耕作は、仕事人間だが出世志向はなく、常にマイペースで生きている。そんな彼の日常を、彼を取り巻く女性たちとの恋模様も絡めて軽快に綴る。
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竹山ひとり旅
制作年:
3歳の頃、はしかをこじらせて半失明となってしまった高橋竹山の、津軽三味線に懸けた半生を描いた伝記映画。竹山自身が画面に登場してインタビューに答え、それから劇化された物語が展開するという、ドキュメンタリーとフィクションの枠を取り払った意欲作。
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日本の悪霊
制作年:
瓜二つの刑事とヤクザが、互いに間違えられたことをきっかけに立場を入れ替える。刑事は潜在的にあった自由への憧れを満喫し、ヤクザは自分を罪に陥れた当時の犯罪事件を調べ上げる。佐藤慶が一人二役で熱演した高橋和巳の同名小説の映画化作品。
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白日夢〈1981年〉
制作年:
武智鉄二が1964年に監督した同名作品の、武智自身によるリメイク。愛染恭子と佐藤慶の本番濡れ場が封切り前から話題を集め、ハード・コアとしては異例のヒットを記録したが、作品的には前作同様酷評された。愛染恭子はこの作品で一躍ポルノ界の大スターになった。
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やくざ番外地
制作年:
丹波哲郎主演によるヤクザ映画。野見組は、多摩市の高瀬組を傘下に入れるべく、大幹部・村木に高瀬組壊滅を一任する。村木は愚連隊を手下に高瀬組をいためつけるが、高瀬組の代貸・塚田はかつて村木と兄弟の盃をかわした仲だった……。
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人間〈1962年〉
制作年:
真夏。船長の亀五郎、船頭の八蔵、海女の五郎助ら4人を乗せて小さな荷役船・海神丸は船出した。たった2日の旅には十分の食料を積んで。しかし海神丸は、嵐に巻き込まれ、難破。太陽が照りつけるなか、あてもない漂流生活が始まる。やがて水は底をつき、乗組員たちは、自分の命を守るため互いに敵意を抱き、果ては精神に異常をきたしはじめるのだった……。野上弥生子の『海神丸』を新藤兼人が脚色、監督した人間ドラマの秀作。食料はおろか水までも失ってしまった難破船という極限状態のなかで、次第に狂い始めていく人間たちの姿を新藤兼人は冷徹な視点で淡々と描写、息づまる作品に仕上げている。
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裸の十九才
制作年:
世間を震撼させた“連続射殺魔事件“に材をとった新藤兼人監督の代表作。犯人である19歳の青年の貧しい生いたちや、集団就職で上京してからの生活がさりげなく描かれる一方、幼くして別れた母の存在がきわめて強調されている。青年役の原田大二郎が好演。
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エロティックな関係
制作年:
パリの裏路地にあるビルで、探偵事務所を開いているKISINと秘書RIE。仕事もなく、観光ガイドで生計を立てている彼らの前に一人の男が現れた。奥山と名乗るその男は、愛人の浮気調査を依頼する。彼らはすぐに行動に移るが調査を進めるうちに不可思議な出来事に遭遇していく……。何かと話題を呼ぶ男、内田裕也がビートたけし、宮沢りえという異色のキャストを得て製作したミステリアス・ムービー。「キスより簡単」「われに撃つ用意あり…」「寝盗られ宗介」に続き若松孝二監督は、ここでも演出にさり気ない切れ味を見せている。
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処刑の島
制作年:
篠田正浩監督が松竹を退社後、初めて撮り上げた文芸映画。戦時中、軍によって太平洋の孤島に流され、地獄の責め苦を受けた少年が20年後、ある目的のために島に舞い戻ってきた。しかし、男はかつて自分を虐待した雇い主の娘と恋に落ちる。しかも、その雇い主の正体は、男の父母と兄を殺した犯人だった……。
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鬼婆
制作年:
戦国時代に生きる娘と義母の物語。とはいうものの落武者を殺してはその武具・甲ちゅうを売りさばいて生きる女二人の話である。ところが娘の夫の友人が帰郷し娘と激しく燃える。それに嫉妬した母は般若の面をつけ二人を恐怖に陥れる。が、その般若の面はとれなくなる、という一種の和製ホラー。
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あなたの命
制作年:
芸能プロ同士の抗争を、アクションを交えて描いた作品。マネージャーの不始末を肩代わりして、刑務所に服役していた、オリオンプロ社長の火野。彼は、出所後すっかり傾いたプロダクションを再建するため執念を燃やす。しかし、ライバルの新々プロ社長、大崎が妨害して……。大崎の用心棒のくせに、火野と意気投合する今川を、宍戸錠が好演。
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悪の華〈1961年〉
制作年:
財閥の娘、多鶴子を誘拐した辰をはじめとする3人組は、犯罪者の逃がし屋をする澄江の指示で軽井沢へ向かう。一方、これを横取りしようとする澄江は愛人の正一とその弟、タカシに跡を追わせるのだが……。悪党2組の身代金をめぐる争いと多鶴子とタカシの愛が展開するアクション作品。
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剣鬼
制作年:
犬の子と言われ馬鹿にされて育った俊足の斑平が、初老の浪人から居合いを学び、妖剣の使い手として成長する。柴田錬三郎原作による三隅研次の“剣三部作“のうちの一つ。斑平が馬と駆けっこをしてぶっちぎりで勝つシーンは語り草に。
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日本の首領〈ドン〉 野望篇
制作年:
三船敏郎が暴力団会長に扮して登場する。昭和46年、勢力を回復した中島組は、関東進出の第一歩として桜商事を作る。東京の暴力団松風会の会長・大石は右翼の大物・大山を顧問に迎えて、暴力団連合“関東同盟“を結成し、これに対抗する。
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刺青
制作年:
女の情念と、その妖しい美しさを生涯通して描き続けた大映出身の鬼才・増村保造の美学のまさに頂点ともいうべき作品。谷崎潤一郎の有名な処女短編小説『刺青』を原作として新藤兼人がシナリオ化した。主演の若尾文子は、増村保造とは何本もコンビを組み、増村描く女性像になくてはならない存在となった。物語は手代と駆け落ちした質屋の娘が、悪人のたくらみにかかり芸者として売られる。刺青師に白い肌一面に巨大な女郎グモを彫られた娘は、男と女の欲望のうごめく世界に本能のうごめくまま生きていく……。冒頭、山本学が演じる刺青師が、薬で眠らせた若尾文子の肌に、丹念に女郎グモを彫り込んでいくシーンの妖気ただよう美しさは見事。そしてラスト、若尾文子の肌に彫られたクモが、娘の体に絡み付き、まるで呼吸でもするかのように血の中でうごめくシーンのあざやかな地獄絵は日本映画史上忘れられない名場面であろう。また、随所に増村保造独特の色彩感覚があふれ、オレンジ・赤・青などの原色を使った画面は“大映調”の真骨頂といえる。
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一心太助 男一匹道中記
制作年:
“男一匹道中記”とあるが、実は太助と恋女房お仲の新婚一周年・二人旅を描くてん末記。旅先で鯛の出荷を牛耳り、大もうけをたくらむヤクザと豪商の陰謀を知った太助が、持ち前の機転と行動力で立ち向かう。錦之助の魅力を最大限に生かした、沢島忠の代表的シリーズの最終作。
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四谷怪談・お岩の亡霊
制作年:
おなじみの“四谷怪談”の映画化。大映の鬼才・森一生が鮮やかなカラー画面の中に描く。原作と違い映画では、お岩と一緒に伊右衛門に殺される按摩が伊右衛門と組んで、自殺したお岩を不義の心中にみせかける……。
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日本の青春
制作年:
遠藤周作の小説『どっこいショ』の映画化。戦争中に上官からリンチを受けて耳が不自由になった男。今は特許事務所を開いて平凡に生きている彼が、たまたま元上官に再会したことから、心の古傷が甦り……。戦争がトラウマになった者の哀感のドラマ映画。
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弾痕
制作年:
CIAの工作員である滝村は、来日中の中共貿易促進使節員を助けた夜、中共側の工作員によって狙撃された。滝村は難を逃れたが、通りすがりの女性・沙織を負傷させてしまった。加山雄三が非情なスナイパーに扮して、殺人マシンの孤独を描いたクール・アクション。
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御用牙・かみそり半蔵地獄責め
制作年:
かみそり半蔵は、捕らえた盗人から、寺や神社ではやっている“子おろし”に関係する殺人事件をかぎつける。女神主を得意の拷問にかけて、事件の裏に潜む尼寺の腐りきった実態を突き止めていく……。名匠・増村が1作目に負けぬ迫力で描いた佳作。
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左ききの狙撃者 東京湾
制作年:
麻薬取締官が射殺され、銃弾の角度から犯人は左利きと判定された。捜査一課の澄川刑事は麻薬関係者の立ち回り先を洗い始めるが、容疑者を尾行中、戦場での命の恩人である左利きの狙撃兵、井上と再会する……。俳優の佐田啓二の第1回企画作品。松山善三と多賀祥介のオリジナル脚本を、刑事ものに定評のある野村芳太郎が監督。
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連合艦隊
制作年:
司令官、参謀、下級の兵員など、様々な階級の人々の人間模様を交錯させながら、戦艦大和が撃沈されるまで日本海軍連合艦隊がいかに戦い、いかに敗れていったかを描いた戦争映画の大作。特撮による戦闘場面とミニチュア戦艦大和が秀逸。
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十階のモスキート
制作年:
崔洋一監督の骨太なデビュー作。「水のないプール」に続いて内田裕也が企画した実録犯罪ものの第2作にあたる。離婚した現職警官が、慰謝料、子供の養育費などのためにサラ金から金を借りる。しかし、支払いが滞り、交番にまで催促の電話がかかってくるようになる。悩んだ末に男は郵便局強盗をするのだが……。主人公の姿を執拗に追いかけるカメラワークが堕ちていく男の姿を見事に捉え、内田裕也も初の脚本とは思えないほどの堂々とした語り口だ。歌手デビュー前の小泉今日子が竹の子族姿で特別出演している。
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忍者武芸帳
制作年:
白土三平の長編劇画を、大島渚監督が映画化した意欲作。室町幕府十三代将軍・足利義輝の治世、家臣・坂上主膳の謀略のために非業の死を遂げた結城光春の一子・重太郎は、逃走した主膳を求めて各地を旅するが、時同じくして百姓一揆が各地で勃発する。大島渚がTVの仕事で韓国に渡って撮った秀作ドキュメント「ユンボギの日記」(1965)で使った、静止画によるモンタージュという方法がここでも使われ、白土三平の静止原画が様々な撮影方法でモンタージュされる。劇中、狂言回し的に登場する謎の忍者・影丸が民衆を統率するカリスマ的指導者として描かれている。創造社が初めてATGとかかわった作品。
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無理心中 日本の夏
制作年:
無理心中を迫る敵“国家”に向けた、奇妙な風来坊集団の殴り込みは中止された。ヤクザたちは逃げ去り、残った一匹狼の殺し屋たちは機動隊との銃撃戦に一人また一人と倒されていく。大島渚が学園紛争の末路を予兆したかのような作品。巨大な柱がそそり立つセットは秀逸だが、ドラマは尻すぼみで成功作とはいいがたい。だが妙に面白い。
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帰ってきたヨッパライ
制作年:
同名タイトルのミリオンセラー突破のヒット曲を題名に使い、曲を歌ったザ・フォーク・クルセダーズの3人組を出演させた大島渚の異色作。全体は2部構成で、日本人と韓国人という、政治的因縁浅からぬ民族問題の意識を扱っている。物語の途中でファースト・シークエンスがそっくり回帰する斬新なスタイルが話題に。
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儀式
制作年:
少年のとき満州で敗戦を迎えた主人公が内務官僚だった祖父の支配する桜田家に帰り、自殺した父の異母兄弟やその子供らと戦後を生きていく。桜田家は家長の祖父が手あたり次第に手をつけた女たちの子や孫により複雑な血縁関係をつくっていて、この奇怪な男根支配の中に左翼や右翼といった個人個人の立場は飲みこまれてしまっていた……。敗戦によっても揺らぐことのなかった家父長制度の中で生きていくことを強いられた戦後世代の若者たちの悲劇を、大島監督が自らの青春をも投影して作り上げた傑作。個人が家に組み込まれ支配されるさまを、冠婚葬祭の儀式によって描いた点にこの映画のオリジナリティーがある。また主人公が幼くして死んだ弟の存在を大地から聞きとるシーンや、戦後の自由を精いっぱい謳歌するかのように野原で繰り広げられる三角ベースといった、可憐なポエジーに裏打ちされた戦後の青春への鎮魂歌でもあるのだ。不気味な日本の家制度をそのまま日本家屋に造形しえた美術も、絶賛に値しよう。
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愛の亡霊
制作年:
「愛のコリーダ」でスキャンダラスな話題をふりまいた大島渚が、再び海外資本で、大胆なエロスをテーマに挑んだ問題作。兵隊帰りの若者は、40歳すぎながらまだまだ若くみえる人力車夫の妻と関係を持つ。26歳も年が離れていることを知りつつ若者との関係を断つことのできない女は、ついに若者と共謀し夫を殺害、井戸の中に投げ捨てる。しかしそれから、夢の中で車夫を見たという者が現れ、やがて妻や若者の前にも車夫の亡霊が姿を見せるようになる。山村の四季を見事に描き出した素晴らしい美術と撮影を得て、日本での評価は今ひとつながら1978年カンヌ映画祭で監督賞を受賞。
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あかね雲
制作年:
昭和12年。ダークブルーの能登の海を背景に、薄幸の中で必死に生きる土地の女・まつのと、逃亡中の脱走兵・小杉の間に悲劇的な愛の炎が燃えさかる。二人の運命を象徴するかのように、真赤なあかね雲だけがカラーで挿入されている。
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わが命の唄・艶歌
制作年:
五木寛之の『艶歌』を映画化した舛田利雄監督作品。ヒット競争に明け暮れるレコード界の内幕を暴きながら、艶歌に生涯を賭けた男たちの人間像を描き出し、艶歌と日本人の心情との関係を考えさせる。売り出し中の新人歌手に扮した水前寺清子が好演。
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悪名幟
制作年:
大阪へ舞い戻った朝吉は“悪名”の足を洗い清次とも別離。しかし女社長をだまして町工場を乗っ取ろうと画策する悪徳ヤクザに彼の“悪名”の血が騒ぐ。結局、そこに駈けつけた清次とともに、悪玉一味を打ちのめすのだった。
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太陽を盗んだ男
制作年:
中学校の孤独な物理教師、城戸誠は東海村の原子力発電所からプルトニウムを強奪、アパートの自室で原爆製造に成功する。TVのプロ野球中継を終わりまで見せろと政府を脅迫し、ラジオ番組を通じローリング・ストーンズの日本公演を要求するが不可能で、ついには5億円の要求にエスカレート。国家を敵に回しての孤独な戦いを始めるが……。バスジャック、原発襲撃、カー・チェイス、警察の手に渡った原爆の奪回と息もつかせぬ見せ場が連続し、クライマックスでは屋上で大活劇! 毒のある、壮大な娯楽アクション映画となっている。沢田研二が孤独でニヒリスティックな青年を好演している。
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黒の奔流
制作年:
松本清張の小説『種族同盟』を映画化した社会派サスペンス。殺人容疑で法廷に立った旅館の女中と敏腕の弁護士。二人の間にはやがて情交ができるが、男の方がほかの女と結婚すると知り、女は復讐する。岡田茉莉子が女の情の怖さを表現して巧演。
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エイジアン・ブルー 浮島丸サコン
制作年:
1945年8月24日、青森での厳しい労働から解放され、帰国の途にあった数千人の朝鮮人たちを乗せた輸送船、浮島丸が京都・舞鶴湾で爆沈した。戦後50年を経て、在日韓国・朝鮮人の大学講師・林は、教え子の姉妹とともに当時を知る人々の話を聞いていくうち、韓国・朝鮮人たちが置かれた過酷な環境を追体験する……。平安遷都1200年記念映画を作るべく、京都市民が始めた製作支援募金運動に支えられた作品。“戦後50年を問う”という視点が貫かれ、浮島丸事件を通して反戦の痛みと重さが伝わる。堀川弘通が6年ぶりに監督に当たり、ここでも誠実さと堅実な力量を発揮している。
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大悪党
制作年:
洋裁学校の生徒が街のヤクザに睡眠薬を飲まされたうえにヌード写真を撮られ、人気歌手と寝ることを強要される。そのことでゆすられた歌手は弁護士の所へ駆け込むが、これがまたとんでもない悪徳弁護士だった……。田宮二郎が、名実ともに脂の乗りきった頃に主演したピカレスク・ロマン。
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友よ、静かに暝れ
制作年:
町の顔役と癒着する警察に逮捕された大学時代の旧友の窮地を救うため、主人公が巨大な組織に挑んでいくという、ハードボイルド・タッチの友情物語。藤、原田、倍賞はいずれもハマリ役。沖縄を舞台にした映像も、独特の雰囲気が出ている。
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動乱
制作年:
二・二六事件を背景に、青年大尉の高倉健と、彼の部下の姉・吉永小百合の悲恋を古典的なタッチで描いた2部構成の作品。フィクションとノンフィクションを巧みに織り交ぜながら、銃声とともに散った男女の愛を淡々と綴った森谷の演出が光る大作。
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薔薇の標的〈1980年〉
制作年:
4年前に麻薬取引を密告され、弟分を殺されたあげく逮捕されてしまった一匹狼の若者が、暴力団組織を相手に繰り広げる復讐戦を描いたハードボイルド映画。舘ひろしの野性的な部分とナイーブな部分をうまく使い分けた。スピードと殺気に満ちた冒頭シーンも見もの。
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地獄の饗宴
制作年:
中村真一郎の推理小説『黒い終点』をもとに岡本喜八がムードたっぷりに作った無国籍風アクション映画。ポン引きの戸部修はふとしたことから、東光住宅の1億5千万円横領事件にかかわり、殺し屋に命を狙われる。敵のアジトを突き止めた戸部は、復讐に乗り出した。団令子の黒を基調としたファッションも見もの。
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絞死刑
制作年:
ATG最初の1千万円映画として製作された記念すべき作品。1958年に起きた小松川女子高校生殺人事件を材に取り、死刑制度や在日韓国人問題などを追求した大島渚代表作の1本。物語は死刑囚・韓国人少年Rの絞死刑が失敗したところから始まる。Rは死刑執行失敗のショックで心神喪失状態に陥ってしまう。その状態では刑の再執行は許されないため、Rの判断能力を取り戻させようと、死刑執行人たちが四苦八苦する姿がブラック・ユーモア風に描かれていく。執行人たちはRの家庭環境や彼の犯罪を芝居で再現して見せる。その混沌とする事実と虚構が、事件の真相や日本国家に内在する矛盾、問題点をあらわにしていく。
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女と味噌汁
制作年:
同じ池内淳子の主演で『東芝日曜劇場』の人気シリーズとなったTVドラマの映画化。美人でしっかり者の芸者・千佳子は、貯金をはたいて買ったライトバンで移動味噌汁屋を始める。庶民性と色気を兼ね備えた池内淳子のはまり役。五所平之助の最後の劇映画。
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切腹
制作年:
武家社会の非人間性、権力者の体面を取りつくろう偽善を“切腹”という形で鮮烈に描いた作品。小林正樹監督にとっては初の時代劇である。彦根藩邸で津雲半四郎と名乗る男が、生活に困窮し、いっそ武士らしく切腹して果てたいので玄関先を借りたいと申し出る。どこの武家屋敷でも玄関先を血で汚されてはかなわぬと、いくばくかの金を与えて追い返す。つまりこれは当節流行のたかりであった。井伊家の家老はこれを聞くと、しばらく前に同じような申し手をした若い武士のことを思い出し、半四郎に話して聞かせる……。物語はふんだんに回想形式を取り入れ、半四郎の真の目的を明らかにしていく。
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原子力戦争 LOST LOVE
制作年:
原発の町へ、失踪した情婦を探しにやって来たヤクザが、知らず知らずのうちに原発事故をめぐる汚職に巻き込まれ、命を狙われる。黒木和雄監督が、田原総一朗のノンフィクション・ノベルを原作に、原発問題に取り組んだ。途中挿入される実際の小名浜原発を撮影するスタッフたちのナマの姿はドラマ以上に迫力がある。
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おとし穴
制作年:
不況に追い込まれた北九州炭鉱地帯で、互いに抗争する第一組合と第二組合。やがて2つの組合の双方に疑惑を持たせるような事件が次々と起こり、その影にはいつも、不思議な坑夫の姿があった……。安部公房の『煉獄』をベースにした、ドキュメンタリー出身・勅使河原宏の長編劇映画第1作。DVDは「勅使河原宏の世界 DVDコレクション 」に収録。
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青春残酷物語
制作年:
当時、松竹ヌーヴェル・ヴァーグの旗手として強い支持を受けていた大島渚のデビュー2作目にあたる作品。欲望につき動かされるままにいきいきと行動しながらも、残酷な終末へジリジリと追いつめられていく青年と少女の姿が印象的な一編である。少しグレた女子高生マコこと真琴は、おもしろ半分で中年紳士の車に乗せてもらい、ラブホテルに連れ込まれそうになる。そこへ通りがかった大学生・清は、彼女を助けたうえに、紳士から金を巻き上げる。そんな風にして出会った二人は、その金で遊びまわるうちに深い仲になっていった。やがて、中年男をカモに、つつもたせで金を稼ぐようになる二人。無計画でアナーキーな彼らの行動は、警察に逮捕されてから一気に破滅へ向かう。“おれたち自分を道具や売り物にして生きていくしかないんだ。世の中がそうなっているんだ”。社会への敗北感にうちひしがれ、淋しくつぶやく清。この荒々しい野獣性と繊細さを合わせ持つ青年を川津祐介が好演。桑野みゆきとともに高い評価を得た。
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浪人街〈1990年〉
制作年:
日本映画の父、牧野省三の追悼60周年記念作品。マキノ雅広(この作品より雅裕から改名)によって、彼の代表作「浪人街」(最初は1928年)の4度目のリメイクがついに実現。マキノは総監修を務めた。近来稀な大チャンバラ・シーン、原田芳雄をはじめとする役者陣の好演など、見るべきところは多い。マキノの少年時代からの朋友、名カメラマン宮川一夫が、クライマックスのカメラを担当しているのも話題である。江戸の下町、食いつめ浪人が集う所。ここで夜鷹の連続殺人が起こる。犯人は、暇をもて余す旗本たち。権力の笠に隠れた旗本たちの横暴に、自分の武士としての存在を賭けた浪人4人が立ち上がる。対する旗本は120人。4対120の闘いの行方は?
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いのち・ぼうにふろう
制作年:
黒澤明、木下惠介、市川崑とともに“四騎の会”を結成した小林正樹が、結成後の第1作として作った時代劇。題名の「いのちぼうにふろう」は、アウトローたちが若者の純愛にほだされて“命を棒にふろう”とまでして、恋を実らせるという物語からきている。安楽寺は四方を堀に囲まれた“島”に建っていた。そこは一膳飯屋だが、無頼漢たちが住みついた吹き溜まりでもあった。ある日、そこへ無銭飲食で袋叩きにあっていた青年が逃げ込んできた。青年は幼なじみの娘が女郎に売られるのを助けようとして、店の金に手をつけたのだった。
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白昼の通り魔
制作年:
信州の農村で新たな事業を始めた娘・シノは、村長のドラ息子に心中を迫られる。ドラ息子は死に、シノは奇跡的に息を吹きかえす。気絶しているシノは以前から彼女を好きだった英助に犯される。これがきっかけとなって、その日から英助は“白昼の通り魔”となる。シノは英助の妻・マツ子に相談する。彼女は悩むが、結局夫を警察に密告する。マツ子はシノに心中を迫るが、またしてもシノだけが生き残る。犯罪と性の題材を好んで取り上げる大島渚が、大衆をシノになぞらえて撮った作品。カット数が極端に多いのにも注目。
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新・極道の妻〈おんな〉たち 覚悟しいや
制作年:
北大路欣也を相手役に迎えた、岩下志麻の女極道もの第6作。千之崎組組長の妻、野木安積は、3年ぶりに刑務所から出所する。彼女は、夫が大阪の淡野組の言いなりになっているのに失望し、活路を求めて香港へ。そこで、殺し屋・花杜と知り合い、二人は激しく燃えた。だが、花杜は安積の夫を殺害。この殺しを、裏で操っているのが、義妹の千尋だと知った安積は……。
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ギャング同盟
制作年:
深作欣二監督が、シリアスなハートボイルド調に徹して撮り上げたギャング映画。刑務所帰りのやくざ者、風間は、かつての縄張りを奪われたことから、組織の大物を誘拐して身代金をせしめようと画策。かつての仲間を集めて計画を遂行し、身代金を要求する。だが、風間らのアジトは、たちまち一味の殺し屋たちに包囲され、壮絶な銃撃戦が起こる。
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新宿泥棒日記
制作年:
1970年安保闘争期の新宿を舞台に、本を万引きする青年と少女が、騒乱を予言し待望してうたうシャーマンのような狂言回しに導かれて、エクスタシーを求めてさまよい歩く。そして新宿騒乱の起こった夜、ついに絶頂に達する。幻想と現実の世界が交錯した難解な内容であり、現代には果たして真のエクスタシーは存在するのか、という問題が随所で追求されている。登場人物が多数、実名で登場し、手持ちカメラを駆使したドキュメンタリー的な映像が劇映画的な虚構性を剥ぎ取り、別の(真の)虚構を打ち立てようとする作者の熱意が伝わってくる。実名で登場の渡辺文雄と佐藤慶のセックス談義がおかしい。
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地獄の掟に明日はない
制作年:
山崎組代貸の滝田は、権藤組が組んだ八百長競艇をやめさせたため、命を狙われる羽目になる。滝田は、巧みに権藤を暗殺し、裏切り者も始末して足を洗おうとするが……。降旗&高倉コンビの初顔合わせ。長崎で原爆の洗礼を受け、いつ死ぬか分からないという健さんのキャラクターがすごい。
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序の舞
制作年:
明治時代に画家として、また未婚の母としてひたむきに生き、女性として初めて文化勲章を受けた上村松園をモデルに、その一生を描いた作品。メロドラマになりがちなテーマを、中島貞夫が清楚で気品あふれる画風で骨太の女性映画に仕上げた。名取裕子が好演。
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夏の妹
制作年:
本土復帰直後の沖縄にロケをして作られた青春メロドラマ。一人の少女の視点を通じて、沖縄と本土との関係が考察される。沖縄の風景が大変美しく、ヒロインを演じる当時14歳の栗田ひろみの愛らしさが評判となった。大島渚監督にとって、最後のATG作品。
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殺人遊戯
制作年:
殺し請け負い業、鳴海昌平に松田優作が扮した、村川=松田のコンビによる“遊戯”ものの第2作。互いに抗争中の片方の組から、相手の組長を殺すよう依頼された鳴海は、相手の組長にも同じ報酬で仕事をさせろと持ちかけるのだが……。鳴海のとぼけた味がいい。
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極道の妻〈おんな〉たち
制作年:
粟津組組長の妻・環と妹の真琴を主人公に、対照的なタイプながらそれぞれ“強い女”である姉妹の情念の葛藤を、五社英雄監督が職人芸の冴えを見せて演出した異色実録ヤクザ映画。原作は『週刊文春』誌上に掲載された家田荘子の長編ルポルタージュ。
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鬼の棲む館
制作年:
谷崎潤一郎の戯曲『無明と愛染』を新藤兼人脚色、三隅研次監督、勝新太郎主演で映画化した文芸大作。南北朝時代、戦火をまぬがれた山寺を舞台として、4人の男女のそれぞれの愛欲模様が描かれる。主人公の妻に扮した高峰秀子が、さすがにうまい。
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