子どもも大人も、一緒に楽しめる物語『チョコレート・アンダーグラウンド』、鈴木アツト×國崎史人×仁木祥太郎座談会
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鈴木アツト 写真:松村蘭(らんねえ)
――台本を拝見したのですが、俳優さんが客席通路に降りてきたり、観客に向かって話しかけたりするような演出がありますよね。何か意図を持って取り入れているのでしょうか?
鈴木:まず、観客のみなさんにも一緒に考えてもらえるような構成にしたかったというのがひとつ。もうひとつは、僕自身が少し前にイギリスへ留学した経験が背景にあります。文化庁の在外研修で、子ども向けの演劇を1年間学んだんです。イギリスではクリスマスに、“パントマイム”と呼ばれるファミリー劇が上演されます。悪役が主人公をいじめる場面で、悪役が客席に「こいつら悪いやつだから、いじめてもいいよね?」と聞くんです。すると客席の子どもたちが一斉に「Boo!」と返す。そんな客席とのやり取りが、“パントマイム”の定番なんです。それをちょっと意識して、本作にも舞台と客席のコールアンドレスポンスのような演出を取り入れてみました。
――その演出を試演会で実際にやってみた仁木さんは、いかがでしたか?
仁木:試演会では、10組くらいの関係者の親子に観てもらえる機会があったんです。客席の子どもたちに向かって「あの子たち、これから初めてチョコバーにありつこうって歳なのにもらえないんだから」というセリフを届けられたのは、そのときが初めてでした。稽古にはお客さんがいないので、ずっと想像するしかなかったんです。でも実際に目の前で反応を見ることができたので、本番に向けた手がかりを掴めた気がします。どうやって場を温めたら反応があるのか、どういう言い方が子どもたちに刺さるのか、いろいろ試しながら演じていましたね。
――國崎さんは、客席から観ていてどんなことを感じましたか?
國崎:演劇には、どうしても舞台上の俳優と客席の観客の間に隔たりがあります。でも、その見えない壁を取っ払うことで、観ている人も物語の当事者になれるんだと実感しました。客席の通路で芝居があったり、俳優から急に話しかけられたりする演出は、まるで“飛び出すおもちゃ箱”みたいだなあって。日本のお客さんは僕も含めてシャイな方が多いので、その殻を破ってくれるような楽しい演出だと思いました。
◆“アクセルとブレーキ”のような2人
【公演概要】
新国立劇場の演劇 20の物語 -週末を、劇場で- 『チョコレート・アンダーグラウンド』
7月25日18時
7月26日13時
8月1日13時
8月2日13時
東京・新国立劇場 小劇場
◆原作
アレックス・シアラー
◆翻訳
金原瑞人(『チョコレート・アンダーグラウンド』求龍堂・刊)
◆脚色・演出
鈴木アツト
◆出演
國崎史人
仁木祥太郎
柳内佑介
斉藤悠
篠原初実
佐乃美千子
※仁木祥太郎の「祥」は、しめすへんが旧字体の「示」が正式表記
◆チケット料金
おとな(中学生以上):5500円
こども(4歳~小学生):2750円
※推奨年齢:10歳以上
【公式サイト】https://www.nntt.jac.go.jp/play/short-stories/