ゆうめい・池田亮×東京にこにこちゃん・萩田頌豊与、「初めまして」の貴重対談で意外な共通点を発見
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観劇後に作品への理解や余韻を深めることができるアフタートーク。そうした対話を観劇前にも設けることで、作品とのより能動的な出会いに繋げられたら…。そんな思いからスタートしたのが、8月末に新作『ピカソぶっ飛ばせなくて、ごめん』を上演する東京にこにこちゃんの萩田頌豊与がホストを務める【before talk同世代劇作家対談】。第一弾のゲストは、7月24日よりユーロライブにて新作の音楽劇『あわせて』が開幕するゆうめいの池田亮。2人の意外な共通点から、カンパニーのこれまで、それぞれの作家性と現在地、そして新作の創作背景や見どころまでをたっぷり語り合ってもらった。
【写真】現代演劇界をけん引する池田亮&萩田頌豊与、貴重な対談ショット!
■「父親」と「声優」モチーフに見る2人の共通点
萩田:同じ歳でしたっけ?
池田:僕は92年生まれです。
萩田:僕は91年なので、ほぼ同じ歳だ。作品は観ているんですけど、初めましてですよね。めちゃくちゃうれしいです。僕、コンプソンズの金子(鈴幸)と仲がよくて。池田さんも結構親しいんじゃないですか?
池田:そうですね。ウーバーボーイズっていう団体で一緒に作品をつくったこともあります!
萩田:近いところにはいたけれど、初! まず話したかったのは、僕も新作で父親の話をやるんですよ。
池田:『ピカソぶっ飛ばせなくて、ごめん』チラシも拝見しました。お父様が画家でいらっしゃるとか…。
萩田:そうなんです。たしか、池田さんもお祖父様が画家なんでしたよね。しかもお父様の話もやられていて。だから、えっと…「『姿』のパクリだ」って言われたらすいません!!!
池田:とんでもない! むしろ光栄です。実は僕、結構前から東京にこにこちゃんをチェックしていて、2020年の『ラストダンスが悲しいのはイヤッッ』を観ているんですよ。
萩田:うわあ、それは本当にかなり前から! すごくうれしいです。あれも父親の話をモチーフにしてるんですよ。たしか、あれは『姿』再演の前だから…じゃあセーフか!(笑)
池田:あははは! あと、声優さんの生涯を描いた前作『ドント・ルック・バック・イン・マイ・ボイス』も面白かったです。実は新作『あわせて』もアニメの声優さんが出てくる話なんです。『姿』や『弟兄』でもアニメの描写は出てくるんですけど。僕がアニメの『ウマ娘』の仕事をしていたりもあって…。
萩田:そっか、そうですよね。会って5分でなんなんですが、僕らの共通点なかなかすごくないですか。同じアニメとか見て育ってる気がします。僕はディズニーとピクサーで構成されている人間なので、『トイ・ストーリー5』も公開日に観ました!
池田:僕は今は『名探偵プリキュア!』ですね。我が子がすごいハマってて、一緒に観てます。知ってました? プリキュアって、今、名探偵になっているんですよ。まさか『明日のナージャ』が終わって『プリキュア』が始まるとは思わなかったですけど!
萩田:『明日のナージャ』! 世代すぎますね。『ケロロ軍曹』はどういう見解ですか? あ、ダメだ。これ、このまま行くとアニメの話だけで2時間くらいしゃべっちゃう。アニメの話は一旦おいて、『姿』の感想をいいですか? (かぶせ気味に)めちゃくちゃ面白かったです! お父さんも出てきますが、お母さんがまた強烈で。脂の乗った言葉といいますか、すごい存在感ですよね。やはりお母様が強かったんですか?
池田:そうですね、お察しの通りうちは完全に(笑)。
萩田:いや、実はうちもというか、うちの場合はどっちもやばい、ダブル系。母親はパリコレモデルだったんで背がめっちゃデカくて、物理的に力も強いんですよ。父親も画家の悪いところだけ全部抽出したような人間でなかなかヤバいんですけど、そこと張り合えるというか張り倒すくらいの強さがあって。だから、僕、『姿』のお母さんにいろいろ重ねちゃって、めちゃくちゃ響いたし、めちゃくちゃ腹立ちました! また、俳優さんがうまいから。「池田くん、がんばれ!」って思いながら観ていました。
池田:そう、初演に続き、高野ゆらこさんが見事に母親役を演じてくださって…。当時は演劇についてすごく悩んでいる時期だったんですよ。アニメやVTuberの仕事もいろいろやっていたから、仕事と創作の間で引き裂かれるような思いになることもあって。今回の『あわせて』にもそういう要素や思いが散りばめられているんですけど。
萩田:でも、羨ましいです。アニメ大好きなんで、そういう仕事やりたい!
池田:やってもらいたい反面、『ドント・ルック・バック・イン・マイ・ボイス』を観たら、やらずにいてほしい気も…。僕にとっては、あのハッピーエンドがすごく眩しくて、めちゃくちゃ幸せな気持ちになったんですよ。だから、アニメの闇の部分は萩田さんにあまり背負わせたくないというか…(笑)。
萩田:僕、元々は暗い芝居ばっかやっていたんですよ。それこそコロナ前とかは人が死ぬ話ばっかやってて、それに自分が耐えられなくなって、逃げるようにハッピーエンドに駆け込んだような感じで。ちなみに、『あわせて』はどんな話なんですか?
池田:『あわせて』の主人公はある漫画の熱烈なファンで、それがアニメ化されることを生きがいにしていたんだけど、いざ情報公開されたら、主人公を演じる声優がかつて自分をいじめていた同級生だったと分かる、っていうところから始まるんです。
萩田:面白そう。ゆうめいの作品、結構アニメのモチーフが出てきますもんね。
池田:妻で、ゆうめいのアートディレクターでもあるりょこさんもアニメ制作会社で働いていた時期があって、その時の体験なども参考にさせてもらってるんですよね。なんか、アニメって描かれていることはすごく幸せなのに、現場や内側は結構ブラックだったり、地獄だったりするケースもあって…。でも、なんというか、そういう現場を「それは綺麗じゃない!」って糾弾するんじゃなく、「綺麗じゃない裏側でもとんでもないスペクタクルが起こってる」っていうことを描きたいと思っているんです。
萩田:その感覚、すごく分かる気はします。あと、僕『ハートランド』も好きで。あれも超超よくないですか?
池田:めちゃくちゃうれしいですね。あの作品はかなり賛否両論があって。僕は「これはいいぞ」って思っていたんですけど。
萩田:でも、岸田國士戯曲賞にも輝いて。ちょっとここで1回いいですか。悔しー!!! 同時にノミネートされた金子も相当悔しかったはずです!
池田:しかも、『ハートランド』の執筆のきっかけの1つが金子くんとの会話だったんですよ。それもあって、授賞式でもウーバーボーイズで余興に出てくれて…。
萩田:うちとかコンプソンズも笑いには結構こだわりあるんですけど、ゆうめいの笑いの角度もだいぶ攻めてますよね。行き切った残酷性というか、そういうのを臆せず入れているじゃないですか。すごく痛々しいんだけど、同時に切実な呪いの言葉として入っていて、でもそれが笑うしかないところまで行き切ってて。
池田:うれしいです。萩田さんがそういうところを気に入って下さっていたのなら、新作の『あわせて』も楽しんでいただけるのではないかと思います。
萩田:楽しみです! でも、正直池田さんが東京にこにこちゃんを観てくださっていたのは意外だったんですよ。ゆうめいみたいなソリッドでクレバーな作品を描く人が、僕の作品を観たらイライラすんじゃねえか、くらいに思ってて…。
池田:そんなこと全くないですよ! さっきの話にも通じるんですけど、僕めちゃくちゃアニメとか漫画のカルチャーが好きで、演劇を好きになったのも観劇がきっかけで、『弱虫ペダル』とかほとんど観てますし、2.5次元のお芝居も大好きだし、にこにこちゃんがモチーフで扱うものはすごくシンパシーあります。
萩田:あと、僕もクライマックスで結構音楽の力を借りるんですけど、『姿』のラストシーンのモー娘。「ハッピーサマーウエディング」はずるかった! あそこでお母さんのひどい態度とかよりも生きてきた切なさが勝るのって、物語にちゃんと向き合い切っているからだと思うんですよね。いろんな感情が去来しました。
池田:『ドント・ルック・バック・イン・マイ・ボイス』のOasisのカタルシスもすごいよかったですよ!
萩田:やっぱり僕ら意図ぜずとも、作品の端々にもかなりシンパシーがありますね。一旦、お互いの作品を観てないことにするっていう協定でも結びます?
池田:そうした方がいいかも!(笑)
■ゆうめい・池田亮になる前に匿名で鍛えられた物語の力
【公演概要】
ゆうめい 音楽劇『あわせて』
◆出演:宮崎吐夢
村山新
◆音楽:小西力矢
◆映像:りょこ
◆日程・会場
7月24日~26日/東京・ユーロライブ
8月28日・29日/岐阜・こどものほんや ピースランド
9月22日~24日/兵庫・旧奈佐小学校・弁天社(野外公演)
※豊岡演劇祭2026 公式プログラム
【公式サイト】https://www.yu-mei.com/awasete
【公式X】@y__u__m__e__i
【公式Instagram】@y__u__m__e__i