『トップガン』続編で新鮮な魅力を放つ若手キャストたち トム・クルーズとのオーディション秘話
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オーディションを経て選ばれた若手キャストたち (C)2022 Paramount Pictures Corporation. All rights reserved.
ほかの役者たちも、厳しいオーディションをくぐり抜けて選ばれた。オーディションの第一ステップは、自分の演技を録画した映像を送ることだった。ニューヨークに住んでいたダニー・ラミレスは、テープを送った後、ロサンゼルスでのオーディションに呼ばれたが、飛行機が嫌いなため、どうせ受からないのに行く価値があるのかと悩んだと明かす。「オーディションの部屋に入っていくと、(ペイバックの役を勝ち取ることになる)ジェイ・エリスがいた。その隣で、別の俳優が彼の解釈するペイバックを演じてみせていたのを覚えている」と、ラミレスはファンボーイの役を獲得した経過を振り返ってくれた。
一方、コヨーテを演じるグレッグ・ターザン・デイヴィスは、最初、自分が『トップガン』のオーディションを受けていると知らなかったと述べる。別の作品のオーディションを受けたところ、ある秘密のプロジェクトのオーディションを紹介されたのだが、それがなんと『トップガン』の続編だったのだ。2、3回呼び出された後、コシンスキーの前でオーディションをすることになり、「トム・クルーズがあなたの演技の映像を見て気に入りました」と言われた時には、とても感激した。
「僕はトム・クルーズの演技をずっと見てきたけれど、トム・クルーズが僕の演技を見たなんて言われて、全然ピンと来なかったよ。こういうことがあるから、どんな作品であっても積極的にオーディションを受けるべきだと、僕はみんなに言うようにしている」(デイヴィス)。
80年代に作られた1作目と違い、今作にはフェニックスという女性のパイロットも登場する。その役に選ばれたのが、モニカ・バルバロだ。
フェニックス役のモニカ・バルバロ
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「1作目が製作された頃、女性は戦闘機に乗って戦うことが許されていなかったのよ。それが可能になったのは、公開から数年後のこと。実際の女性パイロットたちに話を聞いたら、男女の違いを意識されないほうが良い仕事ができると言っていた。彼女らは『女性パイロット』じゃなくて、『パイロット』と呼ばれることを好むの」(バルバロ)。
そんな彼らは、この映画の出来に大いに満足している。だが、良い映画になることは最初からわかっていたと、パウエルは話す。
「トム・クルーズが、自分のキャリアを定義した重要な作品の続編を作るんだから。すばらしい映画になるのでないかぎり、やるはずはないんだ。そのジャーニーに参加させてもらえた僕らは本当にラッキーだよ」。(取材・文:猿渡由紀)
映画『トップガン マーヴェリック』は公開中。