『科捜研の女』1999年の第1回を見てみたら…沢口靖子の今とは全然違うキャラにびっくり
■ 内藤剛志がまだいない
今ではホームズとワトソンぐらい、マリコとの鉄板コンビが定着した感のあるのが、内藤剛志が演じる警部補・土門薫。しかし、第1話にはいつまで立っても登場しない。事件が解決したあとも出てこない。それもそのはず。イメージでずっと昔からいるように思えてしまうが、実は土門が出てくるのは、4年後のSeason5からなのだ(ちなみに、内藤本人はSeason2から犯罪心理分析官・武藤要という全く別人の役でしばらく出演していた)。
土門の代わりに第1話から登場するのが、小林稔侍演じる警部・木場俊介。本物の刑事以上に刑事っぽい小林が演じる木場は、“刑事の勘”で捜査するいわゆる「昔気質のデカ」。“科学はうそをつかない”をモットーとするマリコとは水と油の関係で、第1話で早くも対立するが、2人が全く別のプロセスをたどって殺人事件の同じ容疑者にたどり着く展開は興味深く、ドラマが進むに連れてマリコと木場が反発しながらやがては共闘する、という展開を期待させる第1話となっている。
■ 驚いたのは沢口靖子の変わらなさ
ほかにも、第1話を見返してみると、現在放送中の最新Season22では原型をとどめていない要素がいくつもある。科捜研メンバーのキャストも刑事メンバーのキャストもほとんど入れ替わっている。また、現在放送中のSeason22では、マリコたちが日夜働くラボがリニューアルしたことが話題になった。
しかし、その中で唯一、ほとんど変わっていないものがある。それはマリコ演じる沢口靖子本人だ。第1話を見返してみると、沢口の容ぼうの変わらなさには誰もが驚くのではないだろうか。漫画のキャラクターでさえ23年も連載したら、もう少しタッチが変わるものである。
23年という歳月によって感じられたマリコの内面の変化と、沢口の変わらなさ。そのどちらもが味わえる『科捜研の女』Season1第1話だった。