世界では『アナ雪』超えヒット! “夢のない”ディズニーソング「秘密のブルーノ」の秘密<『ミラベルと魔法だらけの家』今夜放送>
「秘密のブルーノ」を語るうえでかかせないのは、作曲者・リン=マニュエル・ミランダの存在だ。大ヒットミュージカル『イン・ザ・ハイツ』や『ハミルトン』の生みの親で、トニー賞・ピューリッツァー賞・グラミー賞などを受賞している。ディズニーとの関係も深く、『モアナと伝説の海』のサウンドトラックを手掛け、『メリー・ポピンズ リターンズ』には俳優として出演。最近では、実写版『リトル・マーメイド』で音楽を担当。数々のディズニーの名曲を生み出したアラン・メンケンとのタッグが話題となった。
まさに、“新時代ディズニーソングの帝王”的存在のミランダ。ディズニー・スタジオ公式YouTubeにアップされている動画によれば、ミランダは「秘密のブルーノ」をなんと“即興”で生み出したという。ミラベルを取り巻く環境や本シーンのイメージ、そしてブルーノ叔父さんのキャラクターなどをバイロン・ハワード監督から聞くと、すぐにピアノでサビのフレーズを弾き始めたというのだ。これにはハワード監督も「彼の共同制作ぶりは最高だった」(※1)と振り返る。「秘密のブルーノ」は、天才・リン=マニュエル・ミランダを象徴する曲となった。
映画『ミラベルと魔法だらけの家』(左から)ミラベル、ブルーノ(C)2023 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.
■その秘密は「一度聴いたら」分かる
「秘密のブルーノ」は、実は2段階で盛り上がりを見せていた。まずは映画公開前、楽曲が先行公開した時。映画をまだ誰も見ていないのに、SNSなどでブームが起きるなど聴いた人の心をつかむ。そして2段階目は映画公開後。本作は劇場公開とディズニープラスでの配信開始が同時に行われ、作品自体のファンを獲得。公式YouTubeでは映画公開前から再生回数を伸ばし続け、今やなんと5.6億回再生だ。
「秘密のブルーノ」の“秘密”はズバリ「中毒性」だ。1度聴いたら頭から離れないサビのフレーズ、さらにたくさんの登場人物たちがマイクリレーの要領でメロディーをつないでいく構成。ミランダ自身も、この曲の素晴らしい点について「一節ごとに歌うキャラクターが変わること」(※1)としている。「全員、同じ楽曲に登場しますが、それぞれ全く違うのです」と解説している通り、同様のコード進行の中でそれぞれが異なるリズム・メロディーで歌うことで、どこを切り取っても印象が変わるのに見事にまとまっている。
映画『ミラベルと魔法だらけの家』「秘密のブルーノ」より(C)2023 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.
クライマックスでは家族たちが主人公・ミラベルを取り囲んで、それぞれ異なったメロディーを同時に歌うのだが、まるで見ているこっちがミラベルになって音楽に囲まれるような不思議な感覚に陥る。これを味わったが最後、もう“ブルーノ中毒”だ。気づけばもう一度、いや、二度三度と聴いている。こうして「秘密のブルーノ」は、“新時代ディズニー”を象徴する大ヒット曲となったのだ。
■今夜、あなたも“ブルーノ中毒”に
ここまでお読みいただいて、「秘密のブルーノ」に興味を持った方、久しぶりにまた聴きたくなった方、そして「曲に中毒なんてなるわけないだろ」と思った方に朗報だ。前述した通り、今夜21時から『金曜ロードショー』にて『ミラベルと魔法だらけの家』が地上波初放送される。今夜ぜひ、あなたの目と耳で「秘密のブルーノ」を味わっていただきたい。ブルーノの魔法にかかるのも時間の問題だ。(文:小島萌寧)
『ミラベルと魔法だらけの家』は、日本テレビ系『金曜ロードショー』にて今夜21時。
※1 「ミラベルと魔法だらけの家」 “♪秘密のブルーノ”は即興で作られた!? 「ディズニー・スタジオ」公式YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/watch?v=GAHGnmLI3W0(参照 2022‐2‐3)