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広瀬すずが“大人の女性”に 『水は海に向かって流れる』で表現した「次のステージ」への可能性

映画

■キャリア10年を超えた広瀬すずが表現したかった“大人の女性”像とは

 そんな「心地よい空気感」を、榊さん自ら壊さなければならないときがやってくる。自分の母と直達の父の関係性を知っても、「私は無かったことにして今まで通り暮らしたい」といつも通りクールに振る舞う榊さんだったが、直達が「榊さん、怒ってるじゃないですか。傷ついてるじゃないですか」と涙ながらに彼女の心の奥の気持ちを言い当てると、榊さんの目にもうっすらと涙が浮かぶ。

(C)2023映画「水は海に向かって流れる」製作委員会(C)田島列島/講談社
 自分の元を去った母に対し怒りたいのか軽蔑したいのか許したいのか分からず戸惑うなかで、数年ぶりに母に会いに行くと、ここまで見せてこなかった感情が爆発。「怒るつもりはなかった。怒ったら負けだって分かってたのに」と少々悔しそうな表情も見せながら、そこからの榊さんは少し表情が豊かになったような気がした。

(C)2023映画「水は海に向かって流れる」製作委員会(C)田島列島/講談社
 紹興酒で酔っ払って笑ったり、海ではしゃいだり。物語の中で榊さんが見せた、決して豊富では無い感情の端々を集めると、クールな表情に隠された無邪気さやかわいらしさが垣間見えてくる。これこそ、25歳になった広瀬すずが表現する“大人の女性”像だったのではないかと思わずにはいられない。

■広瀬すず、20代後半へ――

(C)2023映画「水は海に向かって流れる」製作委員会(C)田島列島/講談社
 本作の撮影時、広瀬は23歳だったというが、来年には榊さんと同じ26歳を迎える。20代後半に突入し、いやが上にもこれまでのイメージからの脱却が少なからず求められるかもしれない。彼女にとって「次のステージ」への第一歩となっただろう『水は海に向かって流れる』榊さんの姿を、ぜひ今確認してほしい。(文:小島萌寧)

 『水は海に向かって流れる』はデジタル配信中。

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映画『水は海に向かって流れる』予告

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