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『田鎖ブラザーズ』猛烈に怖かった第6話。静かな圧力で迫る“とんとん先生”に身震い

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◆被害者の痛みも、加害者の痛みも「おあいこ、とんとんです」

 さて、第6話。もっともインパクトのあった人物について改めて触れたい。第5話で成田温子(中島ひろ子)が携帯メッセージを送った「先生」として触れられ、第6話で姿を現した市役所福祉健康課の相談員・秦野小夜子(渡辺真起子)。視聴者の間では「とんとん先生」の名も広がりつつある秦野が怖すぎた。

 穏やかな声のトーン、寄り添うような言葉遣い。しかしその実、相手の感情を巧みに掘り起こし、静かに誘導していく。「一人で抱え込むのは苦しくないですか」「私はその根に花を咲かせるお手伝いをしているんです」。聞こえはいい。しかしその言葉の一つひとつが、じわじわと相手の復讐心に火をつけていく。

ドラマ『田鎖ブラザーズ』場面写真(C)TBSスパークル/TBS
 被害者の痛みも加害者の痛みも「おあいこ、とんとんです」とささやきながら、相談者の手を自分の手で優しく包み、そっと叩く。手の甲にふたつのホクロが見える。「とんとん」というリズムで叩くたびに、そのホクロが目に入る。怖い。そして、この絶妙な不気味さと怖さは、渡辺真起子という俳優でなければ成立しなかっただろう。圧巻。穏やかさと狂気を同居させる佇まい。お見事というほかない。

 そんなとんとん先生・秦野の「正体」について。一部では、30年前の兄弟の両親殺害事件からすべてを操ってきた黒幕ではないかという説もある。確かに、真が「田鎖」と名乗った瞬間の反応は意味深だった。しかしこの説には懐疑的だ。「珍しい名前なので」という秦野の言葉通り、当時広く報道された事件として記憶に残っていた、という解釈で十分ではないだろうか。これまでの本作の構成を見ても、現代の事件は、数話をかけて積み上げられていく。秦野もまた、この数話をかけて描かれた事件の黒幕として捉えるのが自然だ。

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◆「とんとん先生」を前に流した、真の涙は本物か

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