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映画『るろ剣』成功の理由は「原作に寄り添うこと」 大ヒットの裏側を聞く

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 一方、前作を観なかった人を呼び込むためには、思い切った戦術も試みた。撮影地の一つでもある熊本県のPRキャラクター“くまモン”に協力をお願いしたのだ。小杉さんは「本シリーズは、ルックスがハードですからね。お茶の間に広げるのが難しい」と苦笑い。「でも剣心は葛藤して悩むヒーロー。もちろん超人的ですが、等身大の人物。だからこそ、くまモンとご一緒して、身近な存在としてお客様の手の届くところに作品を持っていきたかった。公開直前の唐突なお願いにならないよう、くまモンに撮影場所にも来てもらったりなど、長期的なお付き合いをお願いました」。

 漫画原作の実写化は成功が難しいとも言われるが、小杉さんは本シリーズの成功の理由をこう語る。「原作に寄り添うと成功する。大友(啓史)監督は何より原作をリスペクトしていますし、健くんももともと原作の大ファン。健くんの、剣心へのOKラインはものすごく高いんですよ。現場でも、何度も自問自答しながら、トライしながら取り組んでいる。健くんがそういう気構えと覚悟で挑んでいるから、アレンジを加えても、原作のスピリットを受け継いだものになっているんだと思います」。

 『京都大火編』は福山雅治の登場もあり、驚愕の展開で幕を閉じた。『伝説の最期編』はよりオリジナル色の濃いものとなるが、本作は「原作から独り立ちして成功した、稀な例になるのでは」と熱っぽく語る。「大の大人が160人も集まって、本気を出すとこんな熱量の作品ができるんだと実感したんです。現場に行くと、大友監督のもと汗をかいて埃まみれになって、みんなが高みを目指している。僕も“この熱が冷めないようにお客様に届けなきゃ”と思いました」。

 本作に携わる誰もが、大友監督や佐藤健の熱に引き上げられるかのように「限界を超えたい」という闘志を抱えていた。異例の大ヒットは、その本気の挑戦が観る者の心を揺り動かした結果に他ならないだろう。(取材・文:成田おり枝)

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