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二階堂ふみ、沖縄での原体験と役に没入する姿勢で『西郷どん』好演

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二階堂ふみ

NHK大河ドラマ

 多くの作品に触れてきた経験は、今も彼女を突き動かす原動力にもなっている。今年2月に公開された『リバーズ・エッジ』は、岡崎京子の同名漫画に惚れこんだ二階堂が、行定勲監督に映画化してほしいと直々に掛け合って実現にこぎつけた。行定監督は原作に対するリスペクトが強かったため漫画の実写化には抵抗があったが、二階堂からの申し出を受けて立たないと「映画監督をやっている意味はないのではないか?」と自問の末、メガホンを取ったという。

 2014年公開の出演映画『私の男』の原作である桜庭一樹の同名小説は中学生の頃に、2016年公開の主演映画『蜜のあわれ』の原作である室生犀星の小説は17歳のときに読破していたという二階堂。特に『蜜のあわれ』については「初めて読んでずっと映像化したくて」と明かしているように、作り手としての意識の高い女優でもある。

●進化し続ける“無私”な女優の未来

 作品性を重視する一方で、一度出演を決めた作品には女優として“無私”とも言える姿勢で臨む。二階堂の名を一躍世に知らしめた映画『ヒミズ』のインタビューでは、当時17歳の彼女がすでに「茶沢というヒロインに自分の体と声を貸すことによって、何かが生まれる」と語っている(『ORICON STYLE』インタビューより)。その後も『地獄でなぜ悪い』『私の男』『この国の空』と体当たりの演技が話題を集めたが、それらの過激なシーンは彼女にとって“女優魂”というような覚悟めいたものではなく、その世界に身を預け、声と体を委ねるというごく当たり前の作業なのかもしれない。

 その結果、エキセントリックな役が多い時期があり、演じることが怖くなった時期もあったという二階堂。過去のインタビュー記事をひもとくと、彼女の言葉に「気づく」「発見する」というワードが多いことにも気づく。どんな作品でも何かしらの糧を得てきた彼女が違和感なく奄美の女性になりきり、それでいて存在感を発揮した背景には、彼女のルーツだけではなく、魂ごとその世界に染まる独自の精神性があったのかもしれない。

 知られざる苦悩の日々を乗り越えて、今この瞬間も進化、成長し続けている彼女はこれから先、一体どこまで我々を翻弄してくれるのだろうか。二階堂の未来がますます楽しみになってきた。(文/今井良介)

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