『キリング』『ブリッジ』…観る者を引き付けるデンマーク発ドラマの魅力とは

日本でも話題となった映画『ドラゴン・タトゥーの女』、海外ドラマ『THE KILLING/キリング』、『THE BRIDGE/ブリッジ』など、これらには“ある共通点”がある。その共通点とは、北欧発のハリウッドリメイク作品だ。ここ10年くらいは北欧ドラマが注目を集めているが、特に日本でも“北欧ミステリー”ブームの火付け役となった『THE KILLING/キリング』と『THE BRIDGE/ブリッジ』を生み出したデンマーク発のドラマは、観る者を引き付ける独特の面白さを持つ。
【動画】デンマーク発の話題作『BELOW THE SURFACE 深層の8日間』予告編
『THE KILLING/キリング』は、1つの事件が解決するまでを1日1話で進んでいき、『THE BRIDGE/ブリッジ』は興味深いキャラクターと映画『セブン』を彷彿とさせる先の読めない事件の展開に、視聴者が夢中となり大ヒットを記録。派手さはないものの、静かな語り口と繊細な心理描写、そして歴史ある美しい街並みなど、アメリカのドラマにはない独特の雰囲気がある。
そんな中、良作の宝庫デンマークから新たな話題作『BELOW THE SURFACE 深層の8日間』が日本初上陸を果たす。

(C)SAM Productions 2017
舞台はデンマークの首都コペンハーゲン。ある日、地下鉄の乗客15人を人質にとったテロ事件が発生し、多額の金を要求する3人の犯人たちと、対テロ特殊部隊の攻防戦が幕を開ける。現場の陣頭指揮にあたるのは、中東で軍務中に捕虜になって拷問を受けた経験のあるフィリップ。しかし、テロリストのリーダー格がある言葉を発したそのとき、フィリップは凍りつく。それは、自分を拷問した男の言葉に酷似していたのだ…。
緊迫した攻防戦は、『THE KILLING/キリング』同様に解決するまでの8日間を1日1話で描き、さらに1話の中で登場人物のうちの1人の過去が回想の形で語られるというスタイルで進んでいく。 また、どこか鬱屈したものを抱えながら、強いリーダーシップを発揮すると同時に怒りをあらわにすることもあるフィリップは、タフで有能、仏頂面でクセのあるキャラクターがいかにも北欧ドラマらしい味付けで渋い魅力。このフィリップや人質、犯人、関係者の過去を含めた人間描写には、背景にあるデンマーク社会が抱える問題も見え隠れする。

(C)SAM Productions 2017
さらに、優秀な北欧ミステリーらしくきっちりと張り巡らされた伏線と、それらを回収していく終盤は社会派のテイストもあって見ごたえも十分。一方で、重厚で密な映像世界に独特の味わいが、ともすれば地味な印象にもなりがちだが、本作は対テロ特殊部隊の活躍を描くとあって、爆破や銃撃戦、肉弾戦などアクションも派手でハリウッド的な華やかさがあり、北欧ドラマの幅の広さ、進化を感じさせる一作でもあり、サスペンスアクションとしてもドラマとしても見ごたえのある内容に仕上がっている。
『BELOW THE SURFACE 深層の8日間』は、海外ドラマ専門チャンネル スーパー!ドラマTVにて10月4日(木)22時から独占日本初放送。

(C)SAM Productions 2017