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過酷すぎる撮影に毒物混入騒ぎも! 『タイタニック』はいかに狂った映画だったか<後編>

映画

●キャメロン監督、まさかのノーギャラ!?

 2億ドル(約240億円)という金額を費やした本作。キャメロン監督は、予算を倹約するためにさまざまな工夫を凝らし、幾度となく20世紀フォックスの幹部とコストを抑える方法を話し合った。それでもオーバーしていく予算に責任を感じたキャメロン監督は、監督としてのギャラだけでなく、映画がヒットした場合に受け取る歩合の権利までも放棄している。実のところキャメロン監督は本作の脚本も務めているため、脚本料は支払われているのだが、監督としてのギャラはほぼなし。“何が何でも映画を完成させる”という信念のもと、狂気ともいえる執念で映画を完成させたのだった。

 ところで、本物のタイタニック号の建造費は、1912年当時で150万ポンド。映画『タイタニック』が公開された1997年では約1億2000万~5000万ドルに相当する金額となり、2億ドルかかった本作は、あの絢爛(けんらん)豪華な世紀の豪華客船よりも高くついたことになる。

●公開前の尋常じゃないバッシング

 今でこそ映画史を塗り替えた大ヒット作であるが、公開前、特にアメリカのマスコミからさんざんなバッシングを受けた作品でもある。膨れ上がった予算はオーバーに書き立てられ、撮影中のトラブルの数々、撮影スケジュールの延長、そして夏から冬への公開延期。それらのネガティブな情報が大々的に報じられた。映画『タイタニック』は歴史的大傑作どころか、史実通りの“沈みゆく船”と揶揄(やゆ)され、歴史的大コケ映画になると見られていたのである。

●空前の大ヒット

 そんな中、ようやく映画が完成。記念すべき初公開は、否定的な空気感がまん延するアメリカではなく、日本の東京国際映画祭と英国王室の試写会で初披露された。その戦略が奏功し、肯定的なレビューがアメリカへ届いたことで映画への評価は一変する。そしてついに公開を迎えた映画『タイタニック』は、初登場1位で興行をスタートした。

 3時間14分という長尺作品のため、劇場での1日の上映時間が少なくなるにもかかわらず、次々と過去の興行記録を破る最高のスタートを飾り、映画史上初めて世界興収10億ドルを突破。同じキャメロン監督の『アバター』(2009)に抜かれるまで、12年間にわたり世界興収1位の座を守り続けた。そして初登場から全米16週連続興行収入1位という記録はいまだ破られていない大記録である。そしてここ日本でも社会現象となる大ヒットを記録し、興行収入262億円という大記録を打ち立て、実写映画No.1の座をいまだに守り続けている。

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