恋人は21歳年上 ブラック・ウィドウの“妹”フローレンス・ピューに大注目
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『ブラック・ウィドウ』でスカーレット・ヨハンソン演じる主人公の“妹”エレーナを演じたフローレンス・ピュー。衝撃のフェスティバルスリラー『ミッドサマー』やオスカー候補入りした『ストーリー・オブ・マイライフ/私の若草物語』、そして満を持して公開されたマーベル映画『ブラック・ウィドウ』と話題作に続々出演し、近年目を見張る活躍を見せている。確かな演技力と力強いまなざし、そして類いまれなる存在感で熱い視線がそそがれている彼女に注目したい。
【写真】“健康的なスタイルが私の強味” 「フローレンス・ピュー」フォトギャラリー
●初めての演技の記憶は6歳
フローレンスは、英オックスフォード出身の25歳。父はレストランチェーンを経営する実業家で、母はダンサー&ダンス教師。4人きょうだいで、姉のアラベラ・ギビンズは舞台女優、兄は人気ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』でトリスタン・マーテルを演じたトビー・セバスチャン。7歳年下の妹のラファエラ・ピューも子役としてデビューしている。
小さな頃から人前で演技をするのが大好きで、6歳の時に学校の芝居でよぼよぼ歩き、アクセントの異なるヨークシャー訛りを堂々披露したのが、舞台に上がった初めての記憶だそう。ガーディアン紙のインタビューで、「この時初めて、舞台に立つことのパワーを知ったわ。『みんなが私を待っている。みんなが私の言うことに耳を傾け、私がみんなを完全にコントロールしている』と思ったのを覚えている。それは今でも同じ感覚よ。人が私の言葉に集中し、私が人の感情を操っているのを感じる」と話している。
●高校在学中に映画デビュー ダイエットを迫られる経験も
その才能は早くも高校在学中に開花し、メイジー・ウィリアムズ共演の『フォーリング 少女たちのめざめ』(2014)で映画デビューを果たした。続く『レディ・マクベス』(2016)では映画初主演を務め、19世紀イギリスを舞台に、嫁ぎ先で虐げられ、冷酷な復讐(ふくしゅう)を果たす若妻を演じ、英国インディペンデント映画賞で主演女優賞、イブニング・スタンダード英国映画賞ではブレイク・スルー・オブ・ザ・イヤー賞を受賞している。
映画初主演を務めた『レディ・マクベス』(2016) 写真提供:AFLO
この少し前、彼女はオーディションのために初めて渡米し、そこで、ダイエットを迫られる経験をした。このドラマは実現しなかったが、彼女は教訓を得たそうだ。「ハリウッドでは、もし自分が何者かを大声で叫べば、気に入ってもらえる。でも、自分が誰か分らない状態で行くと、彼らの好きなようにされてしまう」「だから、自分が何者であるかを知るまで、(ハリウッドには)戻らないと決めた」。フローレンスの持ち味は、「決して屈しない」と言わんばかりの力強い視線と他を圧倒する存在感に加え、健康的なスタイルもその一つだろう。彼女は、『レディ・マクベス』で、細すぎない普通のボディサイズであること(ヌードを披露した)が評価されたのを機に、これこそ自分の強味だと意識したという。この経験ゆえか、彼女の演技には一貫して不屈の精神が見てとれる。
その後、パク・チャヌク監督がテレビドラマを初めて手掛けた『リトル・ドラマー・ガール 愛を演じるスパイ 』(2018)で、スパイに転身する女優の卵を演じ一躍スターに。同年公開されたNetflix映画『アウトロー・キング ~スコットランドの英雄~』(2018)では、スコットランド独立を率いたロバート1世の妻という、ともすればただの彩りになってしまう役柄を、強い意志と知性をもって演じ、ロバートの対等な同志に昇華させた。
怪演が話題に 『ミッドサマー』(2019) 写真提供:AFLO
そして翌年は、言わずと知れた衝撃作『ミッドサマー』(2019)に主演、『ストーリー・オブ・マイライフ/私の若草物語』(2019)では、シアーシャ・ローナンやエマ・ワトソン、名優メリル・ストリープと共演し、アカデミー賞助演女優賞にノミネートされるまでになった。