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傑作『エクソシスト』の恐怖を“深堀り” 母クリスの不安、汚されたマリア像の謎…原作小説から検証

映画

●娘リーガンの孤独、ハウディー船長とは一体、誰?

 リーガンに迫る悪魔の影。その発端は少女がウィジャ盤(西洋式こっくりさん)で交信する空想上の遊び相手「ハウディー船長」だ。映画ではさらりと流される場面だが、小説には詳しい書き込みがある。

 ウィジャ盤はかつて母クリスが好奇心から買い求めたもので、「ハウディー」はリーガンの別居中の父、ハワードの愛称だ。彼はリーガンの誕生日に祝福の電話を寄こす約束を破った。父親への思慕が歪んだ形で現れたのだろうか。

映画『エクソシスト』(1973) 写真提供:AFLO
 こっくりさん遊びに熱中するリーガンは、自宅で開かれたホームパーティで招待客の宇宙飛行士に「お前は宇宙で死ぬ」と呟き、失禁する。超常現象が起きるわけではないのに、いくつものタブーが重なり、非常に恐ろしく不気味な名場面だ。

 小説版ではこのパーティに同席した女性占い師が「こっくりさんは潜在意識を解放し、精神をおかしくする」とクリスに忠告する場面が続き、リーガンは「ハウディー船長が怖い顔で暴力をふるう」と訴え始める。クリスの不安とリーガンの孤独が、次第に「悪魔憑き」へとすり替わってゆく。小説が特に筆を割く、リアルな恐怖描写である。


●『エクソシスト』最大の謎? 汚された礼拝堂のマリア像

 胸と下半身に卑猥な細工を施され、毒々しい色彩で汚されたマリア像。映画で唐突に現れるショックシーンだが、『エクソシスト ディレクターズカット版』に寄せたウィリアム・フリードキン監督の音声解説によれば、冒瀆行為の現場はクリス邸から5分の徒歩圏内。イエズス会派のジョージタウン大学構内の礼拝堂だ。小説はこの箇所にも細かい書き込みが見られる。

映画『エクソシスト』(1973) 写真提供:AFLO
 この礼拝堂では祭壇を汚す冒瀆行為が頻発。聖像の前に人糞が盛られ、キリスト像の横に粘土の巨大な男根像が並び、聖母像はペンキで売春婦の姿に塗り替えられる。いずれも犯人は不明だが、警察は現場で聖母を冒瀆するラテン語をタイプした祭壇カードを発見。子供の指紋を検出する。また、カードの文字はクリスの秘書が使うタイプライターと同じ機種で打たれていた。もちろん、リーガンひとりでそんな芸当ができるはずもない。今もファンの間でさまざまな解釈が飛び交う、本作の謎のひとつだ。

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●苦悩する男 カラス神父と聖ヨセフのメダル

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