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若月佑美、舞台で知った演じることの面白さ “落選”経験がターニングポイントに

エンタメ

「“あの人、何をしてる人なの?”っていう存在になりたい」

――昨年デビュー10周年を迎えられましたが、振り返ってみるとどんな10年だったでしょう?

若月:あっという間ではありますけど、ただ思い出せないことも多いというか、密すぎて、あれとこれをやりましただけじゃない、いろんな思いがあるなぁと思うと長かったんだなとも思います。ただ、そもそもがこんな長く続けられるとは思わなかったというか…。

私、責任が生まれないとやれないタイプで。習い事とか、部活動もそうですけど、自分のためだけにあるようなものだと、あまりやる気が起きなくて。仕事としてこういう場に立たせていただいて、しかも芸能活動をしていると、私が頑張ったら現場の人も作品が届いた先の人も笑顔になる人がたくさんいる。こんな私でも頑張れば、誰かが救われるんだっていうのを知ることができたんです。今までは、習い事も部活も、なかなか長続きしなかったんですけど、10年立てているってことは自分には合っているんだと思いますし、もっともっと、5年後も10年後も続けて、たくさんの人に何かを与えられたらいいなって。


――この10年でターニングポイントになった作品や出会いはありましたか?

若月:お芝居の世界に自分が切り替えた瞬間は、グループにいる時に舞台を初めて全員でやるっていう作品があったんです(編集部注:2013年上演の「16人のプリンシパル deux」)。そこでお芝居の面白さを知れたことが大きかったです。

設定的にもけっこう過酷で、最初は全員が出るんですけど、途中で審査があって、その後は選ばれた何人かしか出られないんです。もちろん自分が落ちてしまう日もあったんですが、その時に、落ちてしまった人の役として舞台に立ってみようかなって思う日が来たんですよ。ずっとそれまでは自分が落ちたことに対して、自分が至らなかった、必要とされてないと思っていたんですけど、ある日、これは落ちる人の役でキャスティングされて、このステージに立ってるんだって思ったら、どんどん逆に意欲が湧いてきて。落ちたとしてもプラスになることをしたくなってきたんですよね。

その時に、一生懸命頑張って落ちた人の気持ちってどういう気持ちだろうとか、どういうしぐさをするだろう、どうやって帰るだろうとか、いろいろ考えている時に、自分に対しての劣等感みたいなのを忘れることができて楽しさに変わっていったんです。あ、お芝居って、人に届けるだけじゃなくて、自分の気持ちすら救えるんだなって思えるようになったら、本当に面白くなってきて。舞台も映像のお仕事も頑張ってみようと思えるようになりました。


――デビュー間もなくで、そんな発想の転換をご自身でできるなんてすごいです。デビュー10年が経ち、今回の作品の後には28歳の誕生日を迎えられます。来るべき30歳に向けて、どんな女優さん、女性になっていきたいという思いはありますか?

若月: 30歳に向けて役の幅を広げたいのはもちろんですけど、逆戻りもしたくて。今も30代の役や子持ちの役も頂いていて、それもうれしいことなのですけど、自分の本当の年齢にこだわらずに見た目で判断してもらって、学生役もそうですし、なんでもやらせてもらいたいなと思っています。

女性としては、マルチにいろいろやれる人になりたい。趣味で絵を描いたりとか、雑誌でコラムの連載を書かせてもらったりしていますが、自分で限界を決めずに伸ばしていって、“あの人、何をしてる人なの?”っていう存在になれるように頑張りたいです。(取材・文:編集部 写真:松林満美)

 舞台『薔薇王の葬列』は、東京・日本青年館ホールにて6月10~19日上演。
 テレビアニメ『薔薇王の葬列』はTOKYO MX他にて放送&配信中。Blu‐rayシリーズ発売中。

舞台『薔薇王の葬列』メインビジュアル (C)菅野文(秋田書店)/舞台「薔薇王の葬列」製作委員会

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