クランクイン!

  • クランクイン!ビデオ
  • クラインイン!コミック
  • クラインイン!トレンド

  • ウェブ全体を検索
  • このサイト内を検索

真田広之が語るアクションの極意「映画は自分の技術をひけらかす場じゃない」 

映画

■映画は自分の技術をひけらかす場じゃない

 日本が誇る世界のアクションスターも今年10月に62歳を迎える。映像の上では全く衰えを感じさせないが、映画に備えて、日頃どんなトレーニングを行っているのか。普段のルーティンを聞いてみると、少し照れくさそうに口を開く。「昔のようにハードなトレーニングをやってると体が持たないので、ここ最近は最低限のことしかしていないです。1日1万歩前後のウォーキングと軽いランニング、あとはストレッチや筋トレを少しやる程度。体を鍛えるというよりも、『健康を保つ』くらいの感覚ですね」と意外な答え。


 ただ、映画やドラマが決まると、役に合わせてモードに入るという真田。「演じる役によってファイティングスタイルも変わってくるので、その都度求められる体力や動きを訓練し、構築していきます。撮影が終わると、1度まっさらに戻して、また役が決まったら、その役に合わせて構築する…。映画は個人の技術や動きをひけらかす場所ではありませんからね。あくまでも役に求められていることを具現化することが大切。だから、作っては壊し、作っては壊し、その繰り返しなんです」とプロフェッショナルならではの姿勢を明かす。

 今回のエルダー役は、特別なトレーニングはしなかったそうだが、「小道具さんが用意してくれた武器をいかに有効に使うか」に苦心したのだとか。「例えば、エルダーがいつも持っているダックヘッドの仕込み杖。ヘッドをフックにしたり、サヤも武器として使ったり、いかにコリオグラフィーとして反映することができるか。ただ、それはあくまでも、エルダーという役と、その時の感情に沿った動きであり、時には少ない動きの中にも純粋に演技の延長としてのファイティングがあることが重要であり、そこに説得力が生まれると思うんです」。

 異国の地で数えきれないほどの辛苦に耐え、己を磨き、そしてたどり着いた真田の境地は、実に真摯で深遠だ。

■渡米から約20年 チャンスは広がっている


 ハリウッドにわたって約20年。「当初は東西の壁を感じた」という真田。それでも、少しずつ道は拓けているという。「チャンスはどんどん広がっています。大切なのは、チャンスが来た時に、それを逃さないように、言葉であるとか、その国のシステムであるとか、事前に学べることは、しっかり学んでおくこと。そうすれば、デヴィッドのような監督の目に止まるかもしれない」。本作は運の悪い男の物語だが、1つ1つの出会い、1つ1つの作品の積み重ねを大切にしていれば、幸運はめぐってくる…真田を見ていると、その出会いへの感謝の気持ちが彼を力強く形成しているように思えてくる。(取材・文:坂田正樹 写真:高野広美)

 映画『ブレット・トレイン』は公開中。

2ページ(全2ページ中)

この記事の写真を見る

関連記事

あわせて読みたい


最新ニュース

  • [ADVERTISEMENT]

    Hulu | Disney+ セットプラン
  • [ADVERTISEMENT]

トップへ戻る