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鈴村健一、生きる原動力は“好きを謳歌” 「本当にこの仕事が好きか」何度も問いただした

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■今後の展望は若手の育成「やってきたことを惜しみなく伝えたい」



 ヤンは自由惑星同盟軍の大将としてその才能を発揮するが、戦いを望む人物ではなかった。同じように、「やりたいこと」と「できること」のはざまで悩む人間は多い。

 鈴村は「その意味で言うと、僕は本当にラッキーだったんです」とつぶやくと、「やりたいことをやれている。本当に奇跡であって、幸せなことなんだと思います」としみじみ語る。一方で「やりたいこと」にたどり着かないという現実に直面したとしても「それは恥じることでもないし、ドラマチックに考える必要もない」と持論を展開。

 さらに「自分がやりたいことって、何かのきっかけで変わっていくものだと思う」と語る。「自分のなりたいわけではないものになってしまったと思いがちなのですが、それもいろんな要因があってたどり着いたもので、自分の決断だと思う。それが本当に自分にしかできないものになる可能性もある。どちらにしても決断は自分ですること。そこだけはブレないようにした方がいいと思います」。

 “何かのきっかけでやりたいことが変わる”ということは、鈴村自身が身をもって体験していることのようだ。声優として活躍する一方、歌手や俳優業、さらにはワークショップで若手の育成にも携わる。「僕は変化こそ人生だと思っているタイプなんです」と笑い、「自分がやりたいと思ったことはやらないと損だと思うので、とにかく行動するようにしています」と自身の特性を明かす。

 いま鈴村が力を注ぎたいと思っているのは、これまで経験してきたことを若い人たちに伝えること。「僕が大好きなこの業界に入りたいという人たちがいるなら、これまでやってきたことを惜しみなく伝えたいという思いがあるんです」。

 続けて「やっぱり夢や思いを動機のトップに持ってきてしまいがちなんですよね。もちろんそれは自分を支えてくれる大きな部分だと思うのですが、 働く、生きていくというところが意外と置いていかれがちなんです」という。「やっぱり仕事としてやっていくには生活ができなくては成り立たない。そういうことをひっくるめて教える人は必要だと思うんです」。

 「演技って心だよ。とよく言いますけど、それは具体的にどういう構造をしているのか。その教えに早めにたどり着けた方が、より演技に集中できるようになります。僕は若い頃にメンターに出会えたのですが…なかなか出会えない人も多いと思います。何を学ぶべきかにたどり着くまでの労力より、学ぶものに気づいてからの時間が長い方がいいと思っています」と、自身の経験を踏まえた胸の内を述べる。

■「好きを謳歌」ツイッターで提唱する“生きる原動力”


 そういったことを全てひっくるめて、鈴村は「好きを謳歌する」ことを推奨する。「熱中すると時間を忘れてしまうことってあるじゃないですか。僕はそれが好きの正体だと思うんです」と語ると「それを仕事にできるのかはひとつの大きな勝負。ちゃんと好きを仕事に変えられるか。僕も何度も自分に『本当にこの仕事が好きなのか』と問いただしてきました」。

 一方で、好きと仕事が結びつかない人も多い。だからこそ、生きる原動力として公私問わず「好きを謳歌する」ことを勧めたいという。これは自身が“すごく面白い”と感じているツイッターでもよくつぶやいている言葉だ。

 「最近ツイッターを始めたのですが、そこには“好き”がいっぱい詰まっているんですよね。『このアニメが好き』『この考え方が好き』とか…みんなすごく生き生きしている」と楽しそうに話すと、「その力というのは、絶対的に自分の心や体を前に推し進めるものだと思う」と“好き”のパワーの尊さを語っていた。(取材・文:磯部正和 写真:高野広美)

 『銀河英雄伝説 Die Neue These 策謀』は、第一章が9月30日、第二章が10月28日、第三章が11月25日公開。

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