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鈴木亮平が考える、人を愛する「狭義のエゴと広義のエゴ」 宮沢氷魚もイメージに変化

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(左から)宮沢氷魚、鈴木亮平
(左から)宮沢氷魚、鈴木亮平 クランクイン! 写真:池村隆司

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鈴木亮平

宮沢氷魚

 2020年に他界したエッセイストの高山真さんの自伝的小説を、『トイレのピエタ』の松永大司監督が実写映画化した『エゴイスト』。鈴木亮平演じるファッション誌の編集者として働く主人公・浩輔が、宮沢氷魚ふんするパーソナルトレーナーの青年・龍太に愛を注ぐ中で、自身の“エゴ”と向き合い葛藤していく人間ドラマを描く。今回、恋人関係を演じた鈴木と宮沢が、「愛とエゴの境界線」について語り合った。

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■「ゲイだからこう」という答えはない(鈴木)

――この役をぜひやってみたいと思われた理由から教えてください。また、ゲイ役を演じるうえで意識したことはありましたか?

鈴木:まず原作小説が好きだったんです。そして小説の主人公にすごく共感しました。ゲイであることに関しては、自分なりに勉強をして、いろいろな方々にお話も聞かせていただきましたが、「ゲイだからこう」だという答えはないと思いました。ただ、僕が浩輔という人物を自分の想像だけで演じたり、あるいは自分に引き寄せすぎて演じることによって、結果的に世の中の差別や偏見、ステレオタイプを助長するような表現になってしまうようなことは、避けなければいけない。さらに何より大切なのは、ゲイの方が見てくださったときに、「これは自分たちの物語だ」と思ってもらえるように完成させなければいけない、その二つの責任は感じました。

――主人公に共感したというのは。

鈴木:僕も“愛とエゴの境界線”といったものを結構考えてしまうタイプでして。それに単純に、主人公(=原作者の高山真さん)とは、地方から出て来て同じ大学で外国語を学んでいたという共通点があったり、そういったことを含めて縁を感じました。

(C)2023 高山真・小学館/「エゴイスト」製作委員会
――宮沢さんは本作に参加されるにあたって、どんなことを思われましたか?

宮沢:初めてこのお話をいただいたのは、今から数年前のことでした。そのときに台本と原作を読んで、「なんて美しい物語なんだろう」と圧倒されました。「愛とはなんなのか。愛が、どんな風に自分の人生に影響しているのか」。そうしたことが、僕の中にぐっと入ってきたんです。それってたぶん永遠の課題ですよね。そこに真正面から向き合っていて、とても美しく、エネルギーを感じました。こうして今、映画化に至って、作品の一部になりたいというか、もし自分の持っている力も加わることで作品が世に出て、ひとりでも多くの人に観ていただけるのであれば、ぜひ参加したいと思いました。

■大事な人と一緒にいる時間を無駄にしたくない(宮沢)

――本作を観ると、鈴木さんのみならず、“愛とエゴの境界線”について考えたくなりますね。

鈴木:この映画を観た人が、鑑賞後に愛とエゴというテーマについて語り合ってくれるのを、横から聞いてみたいです。例えば……好きな相手から「愛してるよ」とか「あなたのこと、大事だよ」とか言われるのって、すごくうれしいことですけど、「あなたのことを、“私が”欲しいから一緒にいるの」という言われ方をされたとしたら、それもちょっとうれしくないですか? 最近、海外の映画の英語のセリフで、「私はあなたといるときの自分が好きなの」という告白の言葉があったんです。それって、うれしいと思う人もいれば、「え?」って思う人もいると思うんです。

宮沢:僕はうれしいです。

(C)2023 高山真・小学館/「エゴイスト」製作委員会
鈴木:だよね、うれしいよね。僕もそういう表現は好きです。でもこれも強烈なエゴですよね。「あなたを愛してる」じゃなくて、「あなたと一緒にいると、私はより好きな自分でいられる」って。でも究極の愛の言葉でもある。

宮沢:本当だ! 僕は、完成したこの映画を観たとき、家族でも友達でもいいんですけど、自分の大事な人に今すぐ会いたいと思いました。ただ会いたいって。伝わるかな…。映画を観て、もちろん色々話をしてもらえたらうれしいけど、僕は、限られた自分の人生のなかで、自分勝手かもしれないけど、大事な人と一緒にいる時間を1分1秒でも無駄にしたくないと思ったんです。だから観てくれた人のなかにも、そう思う人もいるかもしれないなと思います。

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■狭義のエゴと広義のエゴ

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