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鈴木亮平が考える、人を愛する「狭義のエゴと広義のエゴ」 宮沢氷魚もイメージに変化

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鈴木亮平

宮沢氷魚

■狭義のエゴと広義のエゴ

――「自分勝手」とは、まさにエゴに当てはまることですが、本作を観たあとでは、“エゴイスト”という言葉に対する印象が変化する人が多いと思います。

鈴木:そうですね。ちょっと複雑な話になっちゃうんですけど、僕はなんとなくエゴには狭義のエゴと広義のエゴがあるような気がしていて…… 一般的にエゴというと、相手の迷惑を省みない自分勝手な欲望のことですよね。これを狭義のエゴ、とするならば、広義のエゴは単純に「〇〇したい」「〇〇が欲しい」というような自分の欲望で、そこには「人のために何かをしたい」というエゴや、恋や愛といった感情も含まれるのかもしれない。狭義のエゴには気をつけたいけれど、自分のエゴが相手の喜びに繋がるのだとしたら、その広義のエゴは自信を持って貫く、そんなわがままさを持った人間でいたいと思ったりもします。浩輔の愛し方には、確かにエゴイスティックなところもあるけれど、「でもそれが純粋な愛じゃないって、誰が決められるの? 少なくとも、僕はあなたのことが好きだし、あなたの気持ちは痛いほどよくわかるよ」と、僕自身は映画を通して思いました。

――確かにそうですね。

宮沢:僕も、この映画に参加するまで、「エゴ」という言葉にネガティブなイメージがありました。自分のことしか考えていない言動という先入観が。でもそれが、その人を愛している、愛を表現するためのエゴだとしたら、それは果たしてネガティブなものなのだろうかと。僕はそこにも美しさがあると思います。例えば、僕は誕生日などのサプライズが好きなんですが、それって結局、喜んでいるその人を見て自分がうれしいという、自分のためですよね。自分勝手かなと葛藤したりしますが、でもその人のことを思ってやっていることでもあるし、そこに純粋な愛があるのであれば、エゴって必ずしもネガティブなことでもないんじゃないかなと思います。


――本編で、おふたりの間にとても愛を感じました。演じていても互いに感じられたと思うのですが、特に印象的だった瞬間があれば教えてください。

宮沢:僕は浩輔さんにハンドクリームを塗ってもらうシーンです。自分は寝ていて、触られている感触しか情報として入ってこないんですけど、愛と優しさと温かさをすごく感じました。ふ~っと力が抜けていって「このふわふわした感じはなんだろう」と感じたんです。それまでも視界や言葉とか身体全部で心地いいと感じていましたが、手だけで感じられたシーンでした。

鈴木:僕は髪を乾かしているシーンが印象深いです。ベッドシーンのような直接的な触れ合いの愛情表現もありますが、髪を乾かすって、優しいけど、動作としては結構激しい行為ですよね。それにひとりだったらめんどくさいし、あえてやらなくてもいい行為でもあって。でも愛情があると、やっている人にとってもやってもらう人にとっても、すごく特別な時間になるんだなと、今回思いました。

(C)2023 高山真・小学館/「エゴイスト」製作委員会

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■活躍中の鈴木亮平と宮沢氷魚が鎧をまとう瞬間は?

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