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坂東彌十郎、『鎌倉殿の13人』で66歳のブレイク “時政パパ”人気は「完全に三谷さんのおかげ」

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◆プライベートはアクティブ 影響を受けた猿翁からの言葉とは



――ますます注目度が高まる中、今後挑戦してみたいものは何ですか。

彌十郎:声をかけていただけるものは、何でもやりたいですね。旅もそうですし。僕はヨーロッパを1人でウロウロするのが好きで、カメラも好きなんです。実はスイスに行った1回目、2回目のときはカメラを持っていなかったので、空港で使い捨てカメラを買って持って行ったんですが、帰国後に現像してみたら、あまりにうまく撮れていなくて。それで、フィルムの一眼レフを買いました。でも、フィルムの量が膨大になっちゃうんですよね。そのうちデジタルが出てきましたが、僕の場合、山歩きが主眼なので、小さな初心者向けのデジタルカメラをずっと使っていたところ、近年小さくて性能の良いミラーレスが出てきたので、今度それも勉強しなきゃなと思っています。

――根っからの勉強好きで、凝り性ですね。

彌十郎:好きなものは、つい何でも「もっともっともっと」と思っちゃうんですね(笑)。


――世間は時政パパに癒やされてきましたが、逆にご自身が今、1番癒やされる存在は何ですか。

彌十郎:孫ですね……と言いたいところですが、孫は娘夫婦の大切な存在ですから、僕が溺愛して育て方に影響を及ぼしてもいけないので、遠慮しなきゃいけない(笑)。癒やされるのは旅、特にスイスですね。僕はスキューバの免許も持っていて、もともと海派だったんですよ。でも、ある時から山へ行くようになって。最近気づいたんですが、海も山も、どっちも前に「空」があるんです。山にいたっては下までずっと空だから、上を見上げなくていい。実は見ているものはずっと空だったなと。山の上にかかる天の川なんてたまらないですから。そうすると、今度はカメラでそれを綺麗に撮れる方法を調べたくなっちゃう。

――山に行き始めたきっかけは何だったのですか。

彌十郎:猿翁さん(二代目市川猿翁/三代目市川猿之助)に教わった影響ですね。猿翁さんがヨーロッパでオペラの演出をされるとき、助手としてついて行ったんですが、休日はいつも山へ行っていました。それでじっと夕暮れまでロープウェイの頂上で山を見ていらっしゃって。猿翁さんは言うんです。「私たちの仕事は、人様に感動を与える仕事だけど、人と同じだけの感動では伝わらない。人の何倍も感動して、それを表現して、やっと人様を感動させられるんだから、まずは自分が感動しなさい」と。それを20代の時に言われていたから、綺麗な景色、美味しい食べ物、何でもいいから日々の中で感動することを大切にしていて、それが原点になっています。感動と自分の癒やしが人様に伝わるような人間にならないと、やっぱり役者としてはダメだろうなと教わったんだと思います。

(取材・文:田幸和歌子 写真:高野広美)

 木下グループpresents『新作歌舞伎 ファイナルファンタジーX』は、東京・IHIステージアラウンド東京(豊洲)にて3月4日~4月12日上演。

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