清原果耶「失敗して泣いてもいい」 進化途中の20代、原動力は“自分に対する負けず嫌い”
凛(りん)とした透明感あふれる佇(たたず)まいが魅力的で、実力派女優として話題作への出演を重ねている清原果耶。監督・山下敦弘と脚本・宮藤官九郎が初タッグを組み、第57回台湾アカデミー賞最多受賞作をリメイクした映画『1秒先の彼』では、岡田将生とNHK連続テレビ小説『なつぞら』(NHK総合)以来の共演を果たし、テンポの違う男女が繰り広げる愛らしいラブストーリーに身を投じている。10代の頃は「頑張らなきゃ、ちゃんとしなきゃと気負っていた」という清原。21歳となった今のモットーや、岡田との再共演について語った。
【写真】キリっとした眼差しが美しい! 清原果耶の撮り下ろしカット(全9枚)
◼清原果耶はテンポが遅いor早い?
本作は、何をするにも人よりテンポが“1秒早い”ハジメ(岡田)と、“1秒遅い”レイカ(清原)による“ある1日”を、それぞれの視点で描くラブストーリー。チャーミングな登場人物と、“ある1日が消えてしまう”というファンタジックなストーリー、次第に明らかとなる2人の過去など、目の離せない展開にあふれた一作だ。
宮藤による脚本を読んだ清原は、「魔法がかかったような脚本」と、特別な魅力を持つキャラクターが描かれている点に面白みを感じたという。「みんなに個性があって、脚本を読んだ時には『優しく温かい映画ができるのだろうな』と思っていましたが、完成した作品を見ると、宮藤さんの描く人間同士のつながり、言葉の優しさのようなものを感じて、『こんなにもピュアな心を持って帰らせてくれる映画になったのだな。とてもステキだな』と思いました」としみじみ。
映画『1秒先の彼』より (C)2023『1秒先の彼』製作委員会
人よりテンポが遅いレイカを演じたが、清原自身は「どちらかというと、せっかちなタイプ。私生活では、『何時から何時までにこれをやって、次はここに行って』など大まかに決めておきたい」のだとか。
自分とは違う性質を持つレイカを演じる上では、「“ぽやっとする”努力をしました」とほほ笑んだ。「レイカは表面に感情が出にくいキャラクターで、驚くほどセリフも少ない。だからこそ、いろいろとやりようのある役なのではないかと」と多くを語らないからこそ、難しい役でもあるという。
「私自身、黙っていると“クール”、“強そう”という印象を持たれることが多いのですが、山下監督とも『レイカとしては、“強そう”という印象になるのは違いますよね』と話し合いをしながら、どうやったら“ぽやっと”した顔になるのか、口を少し開けてみようかなど、毎日悩んでいました」と楽しそうに話す。「ぽやっとしているレイカだけれど、それは表面上の部分。その裏には自分の好きなものに対して一直線という一途さが隠れている。とても強い女の子です」。