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中村倫也&賀来賢人「俺らは辛酸舐め組だから」 若手時代の苦悩を経て見つけた“仕事の向き合い方”とは

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(左から)中村倫也&賀来賢人
(左から)中村倫也&賀来賢人 クランクイン! 写真:上野留加

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中村倫也

賀来賢人

 人気テレビアニメ『SPY×FAMILY』が、満を持して初映画化。完全オリジナルストーリーで展開する『劇場版 SPY×FAMILY CODE:White』に加わったのが、中村倫也と賀来賢人だ。超能力者の少女アーニャを連れ去ろうとする敵キャラを託された二人は、この“ミッション”にどう挑んだのか。10年以上の親交がある両者が、今までの足跡を振り返りながら語ってくれた。

【写真】会話を弾ませ、仲がいい様子を見せる中村倫也&賀来賢人

■「もっとできるはず」「みんながOKならよし」 自己評価は真反対!?

――『SPY×FAMILY』は元々大ヒット漫画ですが、テレビアニメ化されてより国民的作品まで人気が拡張した印象です。お二人は本作が支持されている理由をどう分析されていますか?

賀来:エンタメが全部詰まっているところじゃないかと思います。家族物でありコメディ要素もあり、シリアスさや激しいアクションシーンもあって、とにかくレンジが広いですよね。各キャラクターも強いですし、全シーンがとても華やかな印象を受けます。

中村:ロイド、アーニャ、ヨル、ボンドとそれぞれ壮絶な過去を背負っているけれど、そのうえですごく一生懸命生きていますよね。そんな人たちが仮初めの家族を結成することで、“家族”というテーマが浮かび上がってくる。そこに見ている人たちが感情移入するのではないかと思います。賢人が言ったエンタメ要素プラス、そうした骨組みがしっかりしているし、寄り添えるから無条件に面白い。自ら近づいていきたくなるような吸引力が魅力かと思います。

『劇場版 SPY×FAMILY CODE: White』場面写真 (C)2023「劇場版 SPY×FAMILY」製作委員会 (C)遠藤達哉/集英社
――中村さんは『100日間生きたワニ』、賀来さんは『金の国 水の国』などでアニメーションの声優経験がありますが、「わからないことも多かった」と話していましたね。

賀来:そもそも台本自体、普段僕らが読んでいるものとはまるで違ってタイムラインに合わせてセリフが記載してあるので、冗談抜きで読むだけで3、4時間かかりました。

アニメーションに声優として参加させていただく経験はそこまでないですし、“全身全霊+α”くらいじゃないと越えられないハードルだと感じています。例えば、“アドリブ”の概念も実写とまるで違って、すべてを声だけで表現するアニメーションでは“息遣い”もアドリブに入りますし、“肩をすくめる” など仕草も声で表現しないといけない。普段やったことがありませんから。だからこそ挑戦しがいがあるし、その分得るものも大きかったです。

中村:僕らの普段の仕事は、表情や体のちょっとした動き、呼吸や間合い、音程といったさまざまなことを複合的にやっています。でもアニメになると表情は決まっていて、声だけで乗せないといけない。『100日間生きたワニ』の場合は、ある程度自由にやらせてもらって、絵の方で細部を調整いただくという特殊な形だったので、(動きが決まったパターンは)自分の中に手がかりがなくて。ただ、何をすべきかはわかるからとにかく一生懸命やるという状況で「もっとできるはずだ」と考えて落ち込んでいる賢人と、「わかんないけどみんながOKって言っているからよし」と思っている自分の違いが面白かったです。

賀来:音響監督のはたしょうニさんのディレクションには本当に助けてもらいました。僕の感覚とちょっとトゥーマッチくらいじゃないと伝わらない表現もありましたから。あと、ちょっと落ち込みたい自分もいたと思います(笑)。この仕事を続けてきて、なかなかそういうことも減ってきたので。

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■もがいた時期を経て、さらに困難な挑戦へ

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