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中村倫也&賀来賢人「俺らは辛酸舐め組だから」 若手時代の苦悩を経て見つけた“仕事の向き合い方”とは

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■もがいた時期を経て、さらに困難な挑戦へ

――お二人は2012年に上演されたミュージカル『RENT』から、10年以上の共演経験がありますね。出会った頃のエピソードで覚えていることはありますか?

賀来:(考えて)全然覚えていないですね。

中村:ぶった切るなぁ(笑)。

賀来:だって10年前だよ!?

中村:僕は覚えているよ。『RENT』はキャストに歌い手の方が多くて、母国語が英語の方もたくさんいる環境でした。そんななか、真ん中(メイン)の二人が俳優でちょっとアウェイな感じがあって(笑)。歌い手の歌い方とは違って、俳優としての歌い方をしたいね、と一緒に話しました。そうするしかなかったですし。

中村倫也
――今回の『劇場版 SPY×FAMILY CODE:White』の構造ともちょっと重なりますね。

中村:そうですね。賢人はあのとき21~22歳くらいだったけど、異文化が集まっているメンバーをちゃんとまとめようとしていて。主演として真ん中で役を演じるとか、歌や踊りをやるということにプラスして、そこも頑張ろうとしていたことは記憶に残っています。

賀来:ただ、なかなかまとめられなかったです。それで落ち込むことはあったけど、みんなすごく楽しそうにやっていて僕も楽しかった。

中村:僕はダブルキャストでしたが賢人はシングルだったから、負担もその分大きかったと思います。風邪をひいて体調を崩したり、当時のスケジュール的な忙しさもあって舞台袖で吐いたりしていました。

賀来:そうだったっけ? 忙しすぎて記憶が飛んでいるな…。すごくいい思い出だけが残っています(笑)。

――中村さんは以前、賀来さんに対して「悔しい思いをしたタイミングが似ている」とおっしゃっていましたね。

中村:僕たちは「自分はもっとやれるはずだ」「こんなことがやりたい」「こういう求められ方をしたい」「自分の居場所を作りたい」などなど、外側と自分の歯車がかみ合っていない時期があったタイプの俳優です。どこかで需要と供給の歯車がかみ合って回り出した時期と、軌道に乗って離陸した時期が割と近かったという話はよく賢人ともしますね。

『今日から俺は!』の現場に行ったときに賢人と(仲野)太賀がニヤニヤしながら「来たな売れっ子」と迎え入れてくれて、そのときに「俺らは辛酸舐め組だから」と言われて(笑)。

賀来:うれしかったんだよ(笑)。今となっては、そういうちゃんともがいた時期があってよかったと思います。

中村:順調でもそれはそれで他のタイミングで苦労するんだよね。

――だからこそ、先ほどお話しされていたように困難な挑戦の方向に自分を持っていくと言いますか。

賀来賢人
賀来:そうですね。前は仕事に対してどこか攻略ゲーム的で、困難に立ち向かって登るしかありませんでした。でも今は二人ともキャリアが20年分くらいあって、ある程度のことは経験できているし「やれ」と言われたらできる、というフェーズに入ってきていると思います。そんななかで僕は、次にどうするかと考えたときに自分のやりたいことやこれまでとは違う視点でやっていかないとキツイな、と2、3年くらい前に感じ始めたんです。

仕事が増えたことは嬉しいことだけれど、なくなるのが怖い、この安定を手放したくないと思い始めて。自分のポジションを守ろうとしている自分に気づき「もっと攻めの姿勢で、好きなことをやろう」というマインドに変わりました。

――賀来さんが原案を手掛けられた『忍びの家 House of Ninjas』(2024年Netflixにて配信予定)は、そうしたマインドセットの中で生まれたものだったのですね。

賀来:そうですね。ちょうど今は、編集作業を行っています。

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■2023年は「久々に体調を崩して」

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