中村倫也&賀来賢人「俺らは辛酸舐め組だから」 若手時代の苦悩を経て見つけた“仕事の向き合い方”とは
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――中村さんは、この2、3年で仕事の向き合い方に変化はありましたか?
中村:僕は「楽しい」と「幸せ」しかないです。
賀来:それ最高だな。
中村:変化で言うと、深く考えなくなりました。もちろん考えるし行動するけれど、余計な不安がなくなった感じです。手あたり次第思考を伸ばして行き詰まっていたのが、現実的に「今必要なことなのか」と精査ができるようになりました。
『劇場版 SPY×FAMILY CODE: White』場面写真 (C)2023「劇場版 SPY×FAMILY」製作委員会 (C)遠藤達哉/集英社
――今回のアフレコで「監督がOKならよし」と思えるようになったのも、その一環でしょうか。
中村:多分そうだと思います。あとは、最大速度が最短距離ではないかもと人生経験で分かってきたというか、寄り道して迂回した方が結果的に近かったよねとも思えるようになってきました。その瞬間の最大風速を求めはするけど、そこに固執して「そうじゃないとダメ」と思わなくなりました。
――辛酸舐め組だからこそ、たどり着いた境地でもありますね。
賀来:いろいろな辛酸舐め組がいますからね。太賀に話を聞いたらまた全然違うことを言うと思います。
中村:真顔で、熱を込めてね(笑)。
賀来:「金持ちになりたくて、車を買ったんですよ。そしたらお金なくなっちゃって」みたいな…(笑)。
中村:ピントがずれてるんだよなぁ(笑)。
(左から)中村倫也&賀来賢人
――12月22日公開の『劇場版 SPY×FAMILY CODE:White』は年内の締めくくりになる作品かと思いますが、お二人にとって2023年はどんな年でしたか?
中村:僕は汗です。今年の夏は『ハヤブサ消防団』の暑いロケ地で脂汗をかきながら撮影をしていて、今は舞台『OUT OF ORDER』の稽古で汗をダラダラかいています。
――中村さんといえば“汗をかかない俳優”で有名なのに…(笑)。
中村:そうなんですよ。背中の汗が腰まで下りてくるのを感じながら芝居しています(笑)。そういった意味では、らしくない1年だったかもしれません。
賀来:僕は『忍びの家 House of Ninjas』の編集だったり、まだ発表前の作品を撮っていたり、そうした1年でした。ただこの前、久々に体調を崩して「俺、働いていたんだな」と実感しました。知らず知らずのうちに頑張りすぎちゃって体が拒否反応を示してしまったんでしょうね。適度に休まないとダメだと感じましたし、これからはその辺りも考えながら取り組んでいきたいと思っています。
(取材・文:SYO 写真:上野留加)
アニメ映画『劇場版 SPY×FAMILY CODE:White』は、12月22日公開。