『RoOT / ルート』河合優実×坂東龍汰、今の世界線に導かれたきっかけは高校時代にあり
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ドラマ『RoOT / ルート』より (C)P.I.C.S.・此元和津也/RoOT製作委員会
――撮影で印象に残っていることは?
坂東:優実ちゃんが演じる玲奈と僕が演じる佐藤は、事件を解決していくストーリーテラー的な存在を担っているんですが、スケジュール的に話数が入り乱れての撮影だったので、撮影中、「このシーンではどこまで事態を把握しているのか、いないのか」みたいな確認があったのが印象深いです。
河合:うん、難しかったよね。そうした上で、どんどんと新しいキャラクターが登場してくるので、「何で今、玲奈はこの人に会っているんだろう」みたいな感覚になることも(笑)。本格的なミステリーだからこそだと思うんですけど、映像だと分かりやすいんですが、台本の文字だけでストーリーを追っていると、状況把握が難しいんですよね。
坂東:そうそうそう。
河合:だから、撮影中、『オッドタクシー』の考察サイトとか見ましたもん(笑)。「あれ? 何でこの人はこういうセリフを言ってるんだっけ」というのを把握するために。
坂東:優実ちゃんがすごいのは、いつ何が起きたかということを書き出して、時系列でノートにまとめてたんですよ。
河合:(笑)。
坂東:最初は、やたら僕に聞いてきてたんです。「ここ、何で私いるんだっけ?」とか。
河合:やたらって(笑)。嫌だった?(笑)
坂東:全然嫌じゃない(笑)。嫌じゃないし、一緒に考えるのも楽しかったんですけど、ある日を境に聞かれなくなったんです。
河合:え、そう?
坂東:うん。「あれ?」と思って、チラっと優実ちゃんのノートを見たら、出来事を時系列で書き出していたんです。それを見て、「優実ちゃんは自分の中で解決しちゃって、もう頼られることはないんだな」と思って、ちょっと寂しい気持ちになりました(笑)。
河合:それぐらい緻密な台本だったんですよ(笑)。
河合優実 クランクイン! 写真:高野広美
――(笑)。同じ事務所に所属されていて、共演も3度目。話を聞いていても、お二人の仲のよさが伝わってくるのですが、現場で気付いたお互いの新たな一面はありますか?
坂東:やっぱり普段会う時と現場では違うなとはちょっと思いました。オフの時は、年相応の人間味があるんだけども、現場にいるとすごく職人感があるというか。
河合:へぇ。
坂東:こうやっていろいろな人を圧倒してきたんだな、と。
河合:言い方悪い(笑)。
坂東:(笑)。そんな百戦錬磨の河合優実と、ここからどんどんまた成長していくと思うけど、このタイミングで一緒に芝居ができたのがうれしかったです。
河合:(照)。私も、もともと坂東くんのことは知っていたけど、現場での姿をずっと見ているのは初めてだったので、坂東くんの性格や人間性みたいなものが、現場でこういう作用を生むんだということを知ることができました。坂東くんが持っている明るい雰囲気がみんなに伝染していって、すごくハッピーな現場だった。それはやろうと思ってもできない人もいるから、やっぱり天性のものだなって感じましたね。
――坂東さん演じる佐藤の明るいキャラクターにも合っていますね。
河合:そうですね。現場の“太陽”でしたね。
坂東:え!?(驚)
河合:はい。本当に言ってますよ(笑)。
坂東:…でも、この現場は“太陽”が多すぎたからね、スタッフさんも。
河合:うん。でもシビアな俳優さんだったら、スタッフさんのそういう“太陽”な一面が出てこなかったかもしれない。
坂東:なるほど…そっかそっか。
河合:みんなで楽しくドラマを作っていこう、みんなが主張していいんだって思えたのは、坂東くんみたいな人がいるからだと思いますね。
坂東:うれしいな。何か、勇気出た(笑)。
坂東龍汰 クランクイン! 写真:高野広美