愛希れいか、ドラマ&舞台で躍進続く 宝塚退団から6年、今も変わらぬ同期との絆

宝塚歌劇団退団後も『エリザベート』『マリー・キュリー』など舞台を中心に精力的な活躍を見せ、さらなる進化を続ける愛希れいか。大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』での熱演が大きな話題を集めるなど、近年は映像作品でも存在感を発揮している。そんな彼女がミュージカル『イリュージョニスト』で1年ぶりの舞台に挑む。コロナ禍に上演されたコンサートバージョンから4年、待望のフルバージョンでのお披露目への思い、そして宝塚で活躍を続ける同期への熱い思いなどを語ってもらった。
【写真】キュートな“ちゃぴスマイル”も! 愛希れいか、撮りおろしショット
◆コロナ禍の5公演だけの上演を経て待望のフルバージョンお披露目
2006年にエドワード・ノートン主演にて映画化された(2008年日本公開)、ピューリッツァー賞受賞作家スティーヴン・ミルハウザーによる短編小説『Eisenheim the Illusionist(幻影師、アイゼンハイム)』を原作とする本作。ミュージカル『タイタニック』『グランドホテル』で知られるトム・サザーランドの演出のもと、愛希のほか、海宝直人、成河、栗原英雄、濱田めぐみら実力派キャストが集結。ウィーンを舞台に、天才幻影師と公爵令嬢の禁断の愛、傾国の危機が迫るオーストリア皇太子の苦悩、嘘と真実に翻弄される人間模様を描く。
――コロナ禍の4年前は、コンサートバージョンとして5公演のみの上演となった本作。満を持してのフルバージョンでの公演となります。
愛希:前回コンサートバージョンとして一度皆様にお届けしておりますが、今回も初演のような気持ちで取り組ませていただいています。前回コンサートバージョンに持っていくまでにものすごくいろいろなことがあって、キャストもスタッフもこの作品に対して強い思いを感じていました。
上演後すぐ再演をというお話がありましたが、その時は5公演だけでもお届けできたこと、この作品のスタートを切れたということになによりも安心したといいますか、「よし、やるぞ!」と気持ちをまた持って行けるほどではなかったのが正直なところでした。皆さんお忙しい方ばかりなので再演は難しいだろうなとも思っていたので、4年という時が経ってしまいましたが皆さんがそろい、また精一杯頑張りたいなという気持ちでいます。
――前回コンサートバージョンで上演すると決まった時のお気持ちはいかがでしたか?
愛希:コロナでお稽古がストップしてしまい、毎日のようにオンラインで話し合っていたので、いつ聞いたのか正直憶えていないんです。できるのかどうか、どういう形で何公演やるのか、1日の中でも変わっていましたし…。前回フルバージョンのお稽古をしていた時の映像もあるのですが、これ私なの?と憶えていないくらいで、本当に作品に対して必死で、とにかく今やれることをやっていこうという気持ちでいたと思います。
――お稽古場の雰囲気はいかがですか?
愛希:今回の台本が来た時点で、かなり内容が練られている印象があったんですね。だけどお稽古をしていくと、もっとこうしたほうがいいんじゃないかということが出てきて。トムと一緒にキャスト同士が本当に細かいところまでずっと話し合いながらやっています。4年前もあんなに話し合ったのに、まだまだ演劇というのは深められるんだなと改めて感じています。
トムは私には思いつかないことをどんどんどんどん思いついて、本当にすごいです。私たちはトムの期待に応えて、彼の頭の中を表現しようと一生懸命頑張っている感じですが、彼は子どもみたいに無邪気なところがあって、思いついたアイデアを「やって」とリスクエストしてくるんです(笑)。私たちに絶大な信頼を置いてくれているのはありがたいなと思います。大変ですが(笑)。
でもこのカンパニーは皆さんプロフェッショナルで、1日1日、1回1回にちゃんと自分で達成感を持ってトムのリクエストに応えられちゃうんですよね。本当にすごいと思います。