愛希れいか、ドラマ&舞台で躍進続く 宝塚退団から6年、今も変わらぬ同期との絆
――演じられるソフィはどんな人物だと捉えられていますか?
愛希:トムはこの登場人物の中で一番強い人間だとおっしゃるんですが、私もその通りだと思います。純粋なんだけど純粋じゃなくて、賢くもあるんですけど、いろんなことを自覚してやっているというよりは、知らず知らず人を転がしたり、そういう素質を持っている人といいますか。彼女が一番のイリュージョニストなんじゃないかと思うくらい。
なによりも自分の感情を押し殺して生きるというのが当たり前の時代で、これだけ強い意志を持って生きている。かなり執着心が強い人だとも思いますし、すごくこの時代の女性というものを表しているとも思います。何を思っているか分からないミステリアスな女性ですね。
エリザベートもそうですが、この時代の女性の息苦しさというのは理解できるし、そのことを思うととても胸が苦しいなというのはあります。ソフィも政略結婚ですけども、宮廷にいて当たり前に恋愛をして誰かと結ばれるということがない時代。恋愛はあったんだろうけど、恋愛をして結ばれるということはない。この時代を調べると、この人たちはどれだけ自分の気持ちを押し殺してきたんだろうととても苦しくなるし、歌詞に自由という言葉が出てきますが、本当に自由になりたかったんだろうなと感じます。
――そんなソフィをどう演じたいと考えられていますか?
愛希:歌やセリフを通してソフィはどういう人物なのかお客様にダイレクトにお伝えできますが、セリフがないところでどうお伝えできるか大事にしたいと思っています。劇場にいらしてくださった皆様に私の姿がどういうふうに映って、それが観終わったときにどんなふうに変化しているのかすごく楽しみなんです。観終わった後に感想をDMやお手紙で教えてください(笑)。
――2023年の『大奥 Season2』や、今年の大河ドラマ『べらぼう』など映像作品にも積極的に取り組まれている印象があります。最近は『3000万』や『未恋~かくれぼっちたち~』など、現代に生きる女性を演じる愛希さんも拝見できて新鮮ですが、映像での経験は、舞台でのお芝居に活きているなと感じられますか?
愛希:出会うスタッフの方や共演者の方々が、舞台の方とはまた違う分野で活躍されてきた方だったりするので、お芝居に対する考え方や思いに新しく出会えるというのが一番刺激であり、学びですね。何が役に立っていたり、何か変わっていたりっていうのは自分では分からないんですけども、たまに、あぁこういうことが役に立っているのかなと思ったりもしますが、なによりも新しい出会いがあることが大きいかなと思います。