橋本環奈、新ドラマは“セリフ地獄” 朝ドラから1ヵ月経たずスタート「『すぐ働いてるじゃん!』って言われます(笑)」
原作はアニメ化もされた人気作だが、寄せていこうという意識はあえて持たないようにしているという。ただし、髪型は橋本から切ることを提案したそうだ。「無理に近づける必要はないと原作の知念先生も仰ってくださっていたんですが、役作りとして雰囲気を作った方が、演じるうえでやりやすさにつながる時が結構あるので、ビジュアル面は少し変えたいなと思っていました。鷹央らしくレイヤーを入れて少し軽くしました」と笑顔を見せる。
医療ドラマといえば、難解な専門用語をスラスラと話すイメージが浮かぶが、「病名や臓器の名前、症状などがたくさん登場するので、ある程度意味を理解していないとセリフとして出てこないんです。第1話で描かれる疾患も全部調べました。身体の仕組みとか、大まかでもわかっていないと、ただ覚えるだけでは無理ですね。もう毎日気絶するように寝てます(笑)。撮影以外の準備期間もこれだけ時間を取らなきゃいけないんだ、大変だなって思ったのが、今回初めてかもしれないです」と、医療モノならではの難しさと日々向き合っている様子。
さらに専門用語だけでなく、「この前とある小説の冒頭を暗唱するシーンがあって、本当に頭を抱えそうでした。メイクを落としながらもブツブツ言ってました(笑)」と振り返り、「うまく言えた瞬間の『言えたー!』っていう達成感はすごいあります」とやりがいを感じる瞬間を明かした。
独特な話し方や態度をとる鷹央を演じる上で、工夫しているのが“距離感”と“視線”だ。
「誰に対しても“お前”呼びだったり、上から話すような口調なんですが、それを、悪意なくやっているところが難しいんですよね。相手をイラッとさせても気づいていない。それに、人の目を見て話すのが苦手なんです。鼻を見るようにしたり、斜めを向いたり、瞬きを増やしたりして、距離感を演出しています。強くなりすぎず、でも無邪気さは残す。バランスが難しいですね」。
自閉スペクトラム症やサヴァン症候群という特性を持つ役だけに、細かな演技にも神経を使う。「私はわりと直感的に動くタイプだったんですけど、今回はすごく考えてますね。こういう動きをしたら、ちょっと違うように取られてしまうんじゃないかとか、表情や視線も含めて、監督と話し合いながら作っています。例えば、鷹央は謎に対しての探究心が本当に強いので、緊迫した空気の中でもひとりだけワクワクしているみたいな、その不謹慎さをどうしたらちょうどよく見せられるのか…。ここ数年でも結構チャレンジングなことをしています」と話す。
鷹央が難問を前にするほど興奮するように、橋本も難しい仕事を楽しんで取り組む印象があるが、「好奇心は旺盛で、興味があることに対しての進む力、そういうところは鷹央にちょっと似ているかもしれないですね」と頬を緩めた。