芳根京子、20代後半になり生まれた変化「この1~2年友達の存在に支えてもらっている」

ドラマ、映画とさまざまな作品で確かな演技力を発揮し、可憐に作品を彩る芳根京子。『波うららかに、めおと日和』(フジテレビ系/毎週木曜22時)も好評を集める中、6年ぶりの舞台出演となる『先生の背中~ある映画監督の幻影的回想録~』の開幕を間近に控える。「今年上半期は令和にはいない」と笑う芳根に、久しぶりに臨む舞台への思いや、多忙を極める中でのプライベートの楽しみなど、“素顔の芳根京子”を語ってもらった。
【写真】芳根京子、キュートさと美しさがあふれるインタビュー撮りおろしショット
◆6年ぶりの舞台出演 キムラ緑子の存在が心の支えに
映画監督・行定勲が、中井貴一に「ぜひ、小津安二郎監督の、昭和の映画界の話を演劇作品にしたい」と熱烈オファーを出したところから始まった本企画は、名匠・小津安二郎監督や小津監督作品へオマージュをささげるフィクション作品。小津監督とは家族のような親交があった中井家に伝わるエピソードや思い出を織り交ぜ、当時の古き良き映画界への思いを重ね、そこに流れていた豊かな時間を“小津調”で、演劇作品として舞台上に紡ぎ出す。
中井貴一が小津監督をモデルとした映画監督・小田を演じ、小田を取り巻く5人の女に芳根、柚希礼音、土居志央梨、藤谷理子、キムラ緑子と多彩なキャストが顔をそろえる点にも注目だ。
パルコ・プロデュース 2025『先生の背中~ある映画監督の幻影的回想録~』メインビジュアル
――6年ぶりの舞台ご出演。前作(『母と惑星について、および自転する女たちの記録』)を拝見して、舞台作品で芳根さんをもっと観たい!と思っていたのでうれしいです。
芳根:前回やらせていただいた舞台がとても濃密で、「やりきりました!」みたいな気持ちが大きく、「しばらく舞台は…」という心境でいました。でも、まだ舞台というものが得意か不得意かを理解しているわけでもない中で、経験していないことにチャレンジすることは経験値がとても上がるという感覚が心のどこかに残っていました。今回、中井さんが主演で行定さんが演出。なにより、前回の舞台でお世話になった緑子さんがいらっしゃると伺ったときに、安心して飛び込めると思ったので、「やらせていただきたいです!」とお返事しました。
――今回演じられる幸子はどのようなキャラクターですか?
芳根:とにかく明るいハキハキした女の子なので、その点においては不安はないかなと思っています。今やらせていただいているドラマも昭和のお話なので、「上半期は令和にはいないわ」って思ったのですが、昭和という時代を目いっぱい楽しむ機会にしたいなと思っています。
――台本を読まれての印象はいかがですか?
芳根:中井さんと2人のシーンもたくさんあるのでとにかく楽しみですし、タイプが違う5人の女性が出てくるので、どういう場面になるのかなとワクワクしています。本で読むよりももっともっと広がっていく世界があると思うので、どんな作品になるか本当に楽しみです。
――中井さんとは初共演です。
芳根:ちょうどお互いのドラマのスタジオが近くだったのでご挨拶させていただいた時に、「体調に気をつけてね。体が本当に大切だからね」と気にかけてくださり、とても嬉しかったです。
――演じられる幸子は、中井さんのお母様がモデルの役ですね。
芳根:30分くらい前に知って、「えーーー!? そうだったの!?」ってなりました(笑)。中井さんが嫌な気持ちにならないように精一杯務めなきゃとプレッシャーです。きっと中井さんにいろいろお伺いすることもあると思うんですけど、中井さんに答えをもらうよりも、まず自分が幸子というキャラクターからすくいあげて役作りできたらいいなと思っています。お稽古期間を通して、まずは自分で考えて作ってみようかなと思います。
――演出の行定監督とも初顔合わせです。監督にはどんな印象をお持ちでしたか?
芳根:いろいろな作品を拝見していますが、女性が美しく描かれている作品が多い印象があります。今回は舞台で、どういう演出をされるのか楽しみです。今ドラマでご一緒している高橋努さんから「(行定監督と)作品はやったことはないけど、よく一緒に呑むんだよ。すごく優しい方だよ」と伺ったので、安心しています(笑)。
お稽古中は、どうやって腑に落とせばいいんだろうとモヤモヤを残さないように、分からないことはたくさん聞きに行きたいと思っています。私は自分のことをそんなに器用なタイプではないと思っていて、それを理解してくれていると安心なんですね。そのためには作品以外のお話も大切というか、自分がどういうタイプかを知ってもらえていると心強い。自分のことを知ってもらうコミュニケーションはうれしいし楽しいし、監督のことも知れたらより一層演出されたときに、これはどういう意味なんだろうというのが察しやすくなる。監督に限らず、共演の皆さんとたくさんコミュニケーションを取りたいと思っています。