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三谷幸喜、田中圭は「すごい人」 12年ぶり人気シリーズ新作に「日本で最もふさわしい」と語る所以

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三谷幸喜
三谷幸喜 クランクイン! 写真:松林満美

 脚本家で演出家の三谷幸喜による、“完全ワンシーンワンカットドラマ”の新作『おい、太宰』(WOWOW)が放送、配信される。舞台、映画、ドラマと活躍を続ける三谷が、脚本と監督を務める同シリーズは、第1弾『short cut』が中井貴一、鈴木京香の主演により、第2弾『大空港2013』が竹内結子主演により放送され、人気を集めてきた。待望の第3弾『おい、太宰』は、太宰治をこよなく愛する平凡な男(田中圭)が歴史を変える(?)ノンストップ・タイムスリップコメディとなった。「ワンシーンワンカットの長回しドラマに、日本でもっともふさわしい俳優が田中圭」と言う三谷に話を聞いた。

【写真】キャリア重ねても“根っこ”揺るがず 貫禄たっぷりな三谷幸喜(7枚)

■舞台での田中圭の姿に「すごい人だな」と思っていた

――告知動画で「田中さんのためにこの役を書いたと言ってもいいくらい」とおっしゃっていました。

三谷:田中さんにお願いしたのは、ワンシーンワンカットの長回しドラマに、日本でもっともふさわしい俳優が田中圭ではないかと以前から思っていたからなんです。というのも2018年の舞台『江戸は燃えているか』で、僕が急遽代役を務めなければならないときがあって、そのとき、舞台上で右往左往している僕を田中さんがうまく誘導してくれたり、セリフが分からなくなったら見事にリードしてくださって、「すごい人だな」と思っていたんです。このドラマシリーズは、何が起こるか分からない。たとえどんなことが起こったとしても臨機応変に最後までできる俳優さんはそう多いものではない。そう感じるなか、田中さんに是非やっていただきたいと、ずっと思っていました。

――田中さんも本シリーズのファンで、もともと手を挙げていたとか。

三谷:プライベートで顔を会わせることがあって、会うたびに「ワンシーン、ワンカットやらないんですか? 俺、向いていると思うんです。やってみたい」とお話していて、「じゃあ、次にやるときはぜひ」と話していました。それで今回の企画が進み始めたとき、「まだどんな内容かもわからないんだけど、とにかく田中さんを押さえてほしい」と頼みました。


■シリーズ3作目の舞台は海 “言い出しっぺさん”の苦労も

――山、空(空港)と来て、今回は海が舞台。しかもタイムスリップものです。太宰治を愛する男(田中)が、妻(宮澤エマ)と迷い込んだ海辺で、暗い洞窟を抜けた先に太宰(松山ケンイチ)と恋人のトミ子(小池栄子)に遭遇します。この物語はどこから?

三谷:カメラマンの山本英夫さんとずっと一緒にやっているのですが、彼が「3本目は海がいいんじゃないですか。タイムスリップもので」とおっしゃったんです。だけどタイムスリップものって大変じゃないですか。そう言ったら、「海だったら現代でも過去でも大して風景が変わらない。海岸沿いだったらイケるよ」と。確かにそれはちょっと面白いなと思って、現代の浜辺と過去の浜辺があって、間にトンネルがある、そんな場所あるかなと調べていきました。

――タイムスリップものだけれど、景色が変わらない場所をと。逆の発想だったんですね。

三谷:それでいろいろ調べてもらって、南伊豆でベストのところを見つけました。写真を撮って、図面を引いてもらい、それを見ながら、話の展開を考えていきました。過去に戻るのであれば歴史上の人物がそこにいるだろう、海岸で歴史上の人物といったら、「太宰治か宮本武蔵しかいない」と。それで太宰になったんです。

――実際に海での撮影となると、大変だったのでは。

三谷:役者さんももちろんですが、カメラの山本さんが一番大変だったと思いますよ。一見分からないと思いますけど、山本さん、一度海の中に入ってるんです。海から撮っている箇所があって。足場が悪いので、一度カメラを落としてNGになったこともありました。『大空港2013』の大変さが高尾山だとしたら、今回はアルプス山脈くらい大変だとおっしゃっていたので、本当に大変だったのだと思います。プライベートの時間も使って、どう動けばいいか全部研究したそうですよ。でも言い出しっぺですから(笑)。

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■“津軽弁の太宰”になった理由は松山ケンイチ

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