青木柚、『じゃあつく』注目株24歳が目指すのは「その役が『生きている人』になること」

――実在したピーター・ルウェリン・デイヴィスという人物を、どう捉えていますか。
青木:いろんな狭間にいる人間だな、と。僕よりだいぶ年上で、家庭も持っている。ピーター・パンのモデルというレッテルがずっと付きまとって、苦しんでいる人。いろんな面が彼の中にあり、誰しもが持っている影のようなものを投影されているのがピーターでもあると思うので、ピーター・パンを演じる上ではもうちょっと深く知らないとなと思っています。
――演出の熊林弘高さんとはどんなやり取りを?
青木:事細かく言葉について考えさせられる演出をいただいています。日頃の台本の読み方も変わりそうなくらい新鮮な体験です。まだ消化できていない言葉もいっぱいあるんですけど、他の方に言っているのを聞いてハッとさせられることも多くて。刺激的な稽古期間ですね。
――青木さんは以前、共演した先輩からのメッセージをスクショして保存しているとおっしゃっていました。言葉を大事にされているんですね。
青木:言葉を大切に思う気持ちは年々強くなっています。使う言葉の威力ってすごくあるなと思っていて。自分の中で思っていることをなかなか伝えられない時期があったんです。10代の頃は何も考えていなくて、気持ちを言語化できないからコミュニケーションがうまくできなかったり、演じる役が何を考えているかも分からなかったり。10代から20代の狭間でそこにぶつかったことで、自分が何を嫌で何を好きかという初歩的なものから日記のように整理していきました。ちょっとずつ自分の輪郭を探すみたいなことをやってからは、自分の気持ちに正直になれた感じです。

――演じる役の幅が広く、たくさんの役を演じてきたからこそ、自分自身に向き合いづらかった部分もあるのでしょうか。
青木:それは僕の性質的なもので、役をたくさんやっていたから自分の気持ちが分からないとかではなかったんですけど、普通に人見知りというか(苦笑)。社交的ではない面を克服したいなとは思っていました。自分が閉ざしてはいけないなと思い、ちょっとずつ開いていく感じでしたね。
――自己開示できるようになって、変わったことはありますか。
青木:自分はこう思っているっていう軸ができると、人と一緒にいる時に新たに気づくうれしい気持ちもあるし、「そういう考え方もあるんだ」と、自分とは違う人の気持ちや考え方にも気づける。シンプルな話ですけど、人を演じる仕事だから、そういう発想の広がりはあると思います。

