井之脇海、30歳になって生まれた変化「自分が繋いでいけるものを意識するように」

――20年以上のキャリアを重ねられてきた中でターニングポイントを挙げるとするとどんな出会いになりますか?
井之脇:いっぱいあるんですけど、17歳の時に染谷将太さんとテレビドラマで共演したことは大きかったですね。当時はいわゆる子役出身なので、子役の手癖というか芝居の作り方が凝り固まっていたんです。でも3歳年上の将太さんと出会って、こんなに脱力してお芝居をする同世代がいるんだ!とすごく衝撃を受けて。今でも彼の作品はなるべく観るようにしていますし、自分の中で転機になりました。
――井之脇さんは昨年11月に30歳になられました。30代を迎えられて心境に変化はありますか?
井之脇:自分が子どもの頃に見ていた先輩方のように自分がなれているかなと考えると、思い描いた大人にはなれていないかもしれないなぁと思ったりはします。でも30代となると後輩や年下の役者も増えてきますし、現場でも一番若い人じゃなくなってきたんですね。それに対しての責任や、映画界、演劇界において何か自分が繋いでいけるものを意識するようになりました。
これまで番手とかって気にしてないつもりだったんです。どの番手でも1人の人間を表現することに変わりないですし。でもここ最近主演であったり、2番手3番手をやらせてもらうことが多くなって。役と関わる時間が物理的に長くなればなるほど、より新しい発見や、自分の知らない井之脇海の感情と出会うことが増えたんですよね。そういう意味で、30代はもっと1つの役とどっしり向き合えるような10年間にしていきたいなと思います。
あと、やっぱり後輩が増えてきましたし、お節介にはなりたくないですけど、自分が見てきたものを言葉とかじゃなくお芝居や姿で見せていける橋渡しの年代かなとも思うんです。先輩と若い役者の間を繋いでいけたらいいなと思っています。
(取材・文:近藤ユウヒ 写真:上野留加)
舞台『レディエント・バーミン Radiant Vermin』は、東京・シアタートラムにて6月8日~7月5日上演。兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホールにて7月11日・12日、宮崎・メディキット県民文化センター(宮崎県立芸術劇場)演劇ホールにて7月18日・19日、新潟・りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館・劇場にて7月25日・26日、愛知・春日井市民会館にて7月31日・8月1日上演。

