阿部寛、ローマ人から便利屋に!役作りに一苦労「すごく筋肉が残って…」

およそ190センチの長身に端正な顔立ち。二枚目から三枚目までこなす器用さを持ち合わせ、彼でなければできない登場人物を生み出し続ける阿部寛が、吉永小百合が主演だけでなく初プロデュースも務めた映画『ふしぎな岬の物語』で、またしても特異なキャラクターに挑んでいる。
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原作は、森沢明夫の小説「虹の岬の喫茶店」。千葉県に実在するカフェをモチーフに書かれた。成島出監督(『八日目の蟬』)の手で映画化された本作は、吉永、阿部のほか、笑福亭鶴瓶、竹内結子らのキャストによって人と人との絆を紡ぎ、第三十八回モントリオール世界映画祭で審査員特別賞グランプリなど2冠を獲得した。
「人はそれぞれいろんな傷を抱えていて、みんなが輪になって支え合って生きている。そんな温かさを思い出させてくれる作品」と阿部。
そんな阿部が演じるのは、岬の先端で小さなカフェを営む悦子(吉永)の甥で、何かと問題を起こす浩司。悦子のカフェのすぐそばで便利屋を営み、番犬よろしく、悦子を守る使命感に燃えている、子どもの心のまま大人になったような人物だ。阿部へのオファーは吉永から直々のものだった。
「大役だと思いましたね。普段は何も起こらない、のどかな岬の空気をかき乱すというか、動かしていく役。ちょっとお騒がせなヤツなんだけど、内面はそれほど描かれていないんです。正直、どう演じたらいいのだろうかと悩みましたね」と告白するが、同時にやりがいがあったと振り返る。「前にやったことがあると感じるような役はあまり好きじゃないんです。新しければ新しいほどいい。お、こんな役が来たか、難しいなと思うような役ほど好きです」。