上杉柊平、『とと姉ちゃん』で感じた悔しさがバネに “俳優”として気持ちの変化

昨年、NHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』にて三女・美子の相手役を演じ、広く認知された上杉柊平。『砂の塔~知りすぎた隣人』でも印象を残した上杉の俳優デビューは2015年とわずか2年前だが、川口春奈と山崎賢人がW主演を務める『一週間フレンズ。』は、すでに4本目の映画出演作となる。涼しげな眼差しで周囲を惹きつける上杉が、俳優としては「悔しい思いばかりしている」と素直な胸の内を明かした。
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1週間で友達に関する記憶の全てを忘れてしまうヒロイン・香織(川口)と、毎週、香織に「友達になってください」と言い続ける長谷(山崎)を軸に展開していく切ない青春ストーリーで上杉が演じるのは、長谷の恋敵となる転校生・九条役。「異質なポジションですよね。イヤなヤツだなって思いませんでした?」と苦笑した上杉。九条は、香織に「裏切り者」とキツイ言葉を浴びせて登場するのだ。しかし上杉はそんな九条を演じたいと思ったという。
「オーディションを受けたんですけど、最初は役が決まってなかったんです。脚本を読んで、九条をやりたいって思ったんですよね。ただのイヤなヤツには思えなくて。九条のベースにあるのは、香織が特別という思いだけなんです。それってすごくステキなことじゃないですか。この人という人がいたら、それだけでいい、他がみんな敵になっても構わない。そこに共感できたんです」。その思いは映画が進むにつれて見えてくる。
転入生として現れる九条。上杉自身も高校時代、知らない環境に飛び込む経験をしている。高校の3年間をオーストラリアで過ごしたのだ。「もちろん自分で留学を決めたわけですけど、一瞬だけ抵抗というか、不安を感じたときがありました。飛行機に乗る直前の、荷物検査のときです。見送りに来てくれた人たちと、そこでお別れ。一瞬、不安になりましたね。でも、かっこつけなんで、すぐに打ち消して『じゃあな!』ってしましたけど、一瞬すごく不安になったのを覚えてます」と当時を思い返しながら、その期間を「自分の基盤とか、フィルターみたいなものが出来た。今の自分にとって、大きな時間だったと思います」と語った。