M・ファスベンダー「情熱だけではできない」 大作映画プロデュースで学んだものとは
本作で特徴的な映像の一つが、カラムを持ち上がる巨大ロボットアーム「アニムス」だ。「アームの部分は全てCGIです。実際にはワイヤーで私が吊るされている状況で、とても居心地の悪いものでした。ゲーム上では単なるイスの設定ですが、それではカラムが受け身の人間になってしまいます。アギラールの追体験をしている時には、感じたり動いたりする演技が欲しいと思ったんです」と明かした。
また、本作で得た学びは大きかったようだ。「まず白髪が増えましたね(笑)。以前、自分の制作会社『DMC』でプロデューサーをやったことはあるんですけど、今回はより大作でスケール感が違います。全く新しい体験でした」と振り返る。
さらに、「脚本上で重要だと思って書いたシーンが実際撮影してみたら大したことなかったり、ビジュアルとして面白くなかったりしました。あるいは、ほんの1行しか書いていないものが撮影してみると語ることがたくさんあったりビジュアル的に良かったり。その場で即興で作ったものの出来が良かったりするから、注意をよく払わないといけません。また、色んな要素がある中、交渉力も学びました。映画は情熱だけではできません。外交的手腕が必要だと感じました」と語ってくれた。(取材・文・写真:サクライコウジ)
映画『アサシン クリード』は、3月3日より全国公開。