作曲家・川井憲次「シーンがカッコよく見えること」がモットー 空気感作る映画音楽
その、川井が考える“気持ちよさ”とは?
「画に100%シンクロしつつも、さらにその映像の奥行き感を出したり、ストーリー的には関与しなくても膨らみをもたせることができたり等、色々ありますが、下世話な言い方をすれば、そのシーンがかっこよく見えること。映画音楽とは、その場の空気感を作り、お客さんの感情をコントロールするものだと思っています。それらを全部まとめて、かっこいいシーンができたらいいな、と。アクションでもそうですし、泣けるシーンでもかっこいいというのを目指しています」。
日本を代表する作曲家でありながら、さらなる高みを目指す川井。最後に聞いてみたい。やはり、寝ても覚めても音楽のことを考えているのだろうか。
「音楽のことを考えているのは、仕事をしているときだけですね。終わったら、スポーンと忘れます(笑)。また、映画やドラマは仕事なので、自分がやったもの以外は見ないですし、音楽も聞かない。作曲家によっては、歩いているときに曲が浮かんでくる人もいるそうですが、僕には一切ない(笑)。早く仕事を終わらせたいばっかりで(笑)。お酒を飲みながら、バラエティ番組を見ているのが一番幸せです」。
バラエティで充電し、新たなる作品を生み出していく。この意外性も魅力のひとつだ。
『イップ・マン 継承』は4月22日より公開。