沢城みゆき、惹かれるのは悪役「正義の人たちは、悪の人がいるから成り立っている」
元々『マイティ・ソー』シリーズが大好きだったという沢城。「ソーってすごく憎めないというか、心のパワーが強い人なんです。ロキとは本当に対照的」と主人公の性格を分析する。「二人の関係性が面白い。個々の魅力が掛け算になると言うか、切り離せない魅力がある関係だと捉えています」。
かつて『恐竜戦隊ジュウレンジャー』で敵役の魔女を演じていた曽我町子に衝撃を受け、演技の道を志したという沢城は、かつてアニメ『Go!プリンセスプリキュア』で担当した悪の王女ブラックプリンセスと、その洗脳から解放され覚醒したキュアスカーレット役をはじめ、これまで複雑な設定の役をこなすことも多かったことからか、悪役に興味があり、本作の一押しキャラクターもロキだという。「正義の人たちは、悪の人がいるから成り立っているんだと、ずっと思っていたんです。だから悪役の方に何となく惹かれるんですよね、子供のときから」。
そういう意味では今回登場する最強のヴィラン・ヘラにも魅力を感じているそうだ。「例えばちゃんと彼女のそばに寄り添ってみたら、その言い分も理解できる可能性はあります。彼女の立場、状況を考えると、当然の成り行きだったかも、と共感してあげられたかも」とその内面に想像を膨らませる。ストレートに勧善懲悪をさけぶヒーローとは違ったユニークな設定も魅力のひとつ。それぞれのキャラクターの生い立ちや立場に自分なりの思いをめぐらせるのも、本作を楽しむポイントといえるだろう。(取材・文・写真:桂伸也)
映画『マイティ・ソー バトルロイヤル』は全国公開中。