ギレルモ・デル・トロ監督、オタクの聖地「中野ブロードウェイ」を卒業

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ギレルモ・デル・トロ監督、『シェイプ・オブ・ウォーター』インタビュー
ギレルモ・デル・トロ監督、『シェイプ・オブ・ウォーター』インタビュー クランクイン!

 テーブルに用意されたスナック菓子を、うれしそうにポリポリ食べながらインタビューに答えるギレルモ・デル・トロ監督。来日した際は、大好きな日本の特撮映画やロボットアニメの関連ショップが集まる“中野ブロードウェイ”で爆買いするのがルーティンだったが、今回は、「この映画を作ったおかげで、もうあそこで買い物をする必要がなくなったよ」とまさかの卒業宣言。この映画とは、第90回アカデミー賞に作品賞、監督賞ほか最多13部門にノミネートされた『シェイプ・オブ・ウォーター』だ。ファンにとってはなんとも寂しい発言だが、いったい彼の心の中で、何が起こったのか。

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 本作は、『パンズ・ラビリンス』『パシフィック・リム』などで知られるメキシコ出身のデル・トロ監督による異色のラブストーリー。米ソ冷戦時代のアメリカを舞台に、政府の極秘研究機関で働く声が出せない女性イライザ(サリー・ホーキンス)と、そこに運び込まれてきた不思議な生き物“彼(ダグ・ジョーンズ)”との心の交流をファンタジックに描く。先日行われた記者会見で「今の世の中、“よそ者は信用するな、警戒しろ”という風潮があり、愛がなかなか感じられない困難な時代」と語っていたデル・トロ監督。一見、平和そうに見えて、「実は性差別や人種差別が横行していた冷戦時代と変わらない」と嘆く彼にとって、「この作品を作りたい」と思った必然性は十分に理解できる。

 「(器によって)いろんな形に変化しながら、同時に力強さもある“水”は、僕にとって“愛”の象徴」。そう目を輝かせるデル・トロ監督は、“水”、そして流れゆく“時間”を柱にした物語の中で、次々と困難が降り注ぐ異種間の恋愛を展開させていくが、人間の女性と半魚人風のクリーチャーが恋に落ちるという設定は、かなり奇抜だ。「例えば、誰かの人生について描きたいのならメロドラマやロマンティックコメディで表現できる。ところが、社会に対する愛であったり、平和であったり、もっと大きな思想を描きたいときは、“寓話”として表現した方が効果的。人々が聞く耳を持ってくれると思ったんだ」と胸の内を明かす。

 ゆえに今回、大役を担うクリーチャーのデザインには相当こだわり、大好きな円谷プロに敬意を評してか、CGではなくスーツを4着特注した。「男性スタッフだけでなく、女性からもたくさん意見をいただき、彫刻家をはじめアーティストからもアドバイスを受けたよ。“こんなくちびるじゃ、キスしたくないわ”とか、“もっとスイマーのような体型にした方がいい”“目は可愛い方がいい、いや、知的な方がいい”“お尻をもっときれいにした方がいい”など…とにかく、さまざまなアイデアが飛び出した」と苦笑い。「ウルトラマンのシンプルで神々しいほど美しい形も参考にした」というデル・トロ監督は、その仕上がりに大いに満足している様子だ。

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