リーアム・ニーソンが語る、アクション映画「3つの心得」
2つ目は、入念なリハーサル。とくに今回は“電車内”という密室による接近戦が多かったため、ケガをしないよう何度も確認作業が行われたという。「私がドラマパートを撮影している間に、スタッフがファイトシーンのシミュレーションをまず制作するんだ。そして、全ての撮影を終えた夜、その映像を見ながら毎晩議論を交わし、スタントマンたちとすり合わせをとことんやる。ある程度、ファイトシーンが固まったら、ジャウマ監督のチェックを受けて、GOサインが出れば撮影に入るわけだ」
そこからは、とにかく「リハーサル、リハーサル、リハーサル!」と、何度もその言葉を繰り返すリーアム。「目隠ししてでも動けるくらいに体に覚え込ませ、本番に臨むわけだが、ここで重要なのは、カメラが回ったら、それがあたかも“まるで初めて起こったこと”のように演じることなんだ。そこが難しくもあり、俳優冥利に尽きるところでもある」と、アクション映画ならではの苦労とやりがいを明かしてくれた。
そして最後は、“原点”を忘れないこと。「アイルランドの小さな町で育った私にとって、この仕事ができること自体、とても恵まれていること。私は何年経っても、この幸運を決して忘れない。主役だからといって、現場で急に機嫌が悪くなったり、鬱々としてみたり、そういう態度はスタッフやキャストに対して失礼なこと。僕はいつも、映画作りに対して“祝福する気持ち”でいたい」と笑顔を見せた。(取材・文・撮影:坂田正樹)
映画『トレイン・ミッション』は全国公開中。