葵わかな、“真面目すぎる”素顔「分からないことが嫌でした」

NHK連続テレビ小説『わろてんか』で幅広い世代へ知られることになった葵わかな。いわゆる朝ドラ女優にぴったりの雰囲気で、優等生的なイメージが強い。事実、実生活でも、つい“正解”を求めてしまう優等生だったという葵が、西島秀俊、西田敏行がダブル主演を務める映画『任侠学園』で、学校イチの問題児・高校生のちひろを演じて自身のイメージを壊しはじめた。とはいえ、取材時に見せたその素顔は真面目すぎるほどで、もはやそこが個性になっていた。
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■学生時代は「学級委員タイプ」
“赤髪”ショートヘアで問題児ちひろを演じた(C)今野 敏 / (C)2019 映画「任侠学園」製作委員会
優等生のイメージが強いことを伝えると、「私もそう思います」とうなずく葵。「今まで経験させていただいた役柄も優等生やいい子が多かったですし、私自身も真面目な、いわゆる学級委員タイプでした。今回演じたちひろは自分とはかけ離れていると思いました」。
今野敏の小説「任侠」シリーズの一作を、『民王』、『99.9‐刑事専門弁護士‐』シリーズの木村ひさし監督が映画化した本作は、社会奉仕が大好きな弱小ヤクザ一家・阿岐本組が、経営難に陥った高校の理事を頼まれ、再建のためにひと肌脱ぐ物語。葵が演じるちひろは学校イチの問題児だ。
これまで、きっちり役づくりをして撮影に臨んできた葵だが、本作は違った。
「ちひろの髪は金髪とかにしたほうがいいのかなと思っていたんです。それで、監督に聞いてみたら、『赤で』って。赤!? ってビックリしちゃって」と目をまん丸にして思い返す葵。「私の中には、赤という考えは全くなかったんです。問題児と言われるちひろについて私が考えて作っても、“正解”を出せるのかどうか分からなかった。なので『こんな子だろう』というベースだけを考えて、あとはああしようこうしようと固めずに、飛び込んでみようと思いました」。
■高校時代は「分からないことが嫌で勉強しました」
葵自身の高校時代は、「先生に怒られたこともないですし、友達と授業をサボった経験も1度もありません。制服のスカートを折って短くしたこともありません」と問題児とは大違い。そんな彼女には、どうも“正解”にこだわる節があるようだ。
「勉強も、分からないことが嫌で勉強しました。昔は『私はいろんなことを知っている』と思っていたんです。だからこそ、分からないことがあるとすごく嫌だった。“正解”が欲しかったんです。生き方に関しても学校に関しても、勉強でも演技でも、全部に正解を求めていました。だけど、二十歳を超えてくらいから、分からないことがどんどん増えてきてしまって(苦笑)」。
そしてある頃から、「分からないことがダメだって、誰に言われたんだろう」と思うように。そんな矢先に本作に入った。「何も分からない状況で現場に行ったのに、すっごく楽しかったんです。ちゃんとお芝居ができたという充足感もありました。あれ? 分からないのもアリなのかなって」。