清原果耶、“セリフのないシーン”で光る演技「感じていることを障害なく、クリアに」

2015年にNHK連続テレビ小説『あさが来た』で女中・ふゆを演じて女優デビューし、今年でキャリア6年目に突入した清原果耶。昨年は『なつぞら』にヒロインの妹・千遥役で2度目となる朝ドラを経験し、来年には『おかえりモネ』の永浦百音役で主演を務める。順調なステップアップを続ける彼女の映画初主演となる『宇宙でいちばんあかるい屋根』が公開。『新聞記者』『デイアンドナイト』の藤井道人監督と組み、家族との関係や片思いに揺れる主人公の中学生つばめをみずみずしく演じている。18歳にして、すでに「若手演技派」と称されることも多い清原だが、なぜ彼女の芝居は観る者を引きつけるのか。その向き合い方を聞いた。
【写真】18歳の清原果耶、撮り下ろしの別カット(全11枚)
■映画初主演にプレッシャーも、ただ役を全うするだけ
清原演じる14歳の中学生・つばめと、桃井かおり演じる謎の老婆・星ばあとのひと夏の交流を描いた『宇宙でいちばんあかるい屋根』。彼女にとって記念すべき映画初主演作だ。
「主演はもちろんうれしかったですが、『私で大丈夫かな』という不安やプレッシャーのほうが大きかったです。座長として何ができるのか、考え込んでしまうこともあったのですが、作品やつばめのことをしっかり考えて、現場で素直に演じることに力を注ぎました」という清原。現場では「藤井監督やスタッフさん、キャストの皆さんが支えてくれました」と感謝を口にする。中でもつばめに大きな影響を与える不思議な老婆・星ばあを演じた大ベテラン、桃井かおりの存在は大きい。
「撮影が始まって10日くらいして、桃井さんが(在住する)ロスから日本に来られました。そこで『初めまして』とお会いして、つばめと星ばあの出会いのシーンを撮影したんです。とても圧倒されて、いわゆるオーラみたいなものを感じました。本当にエネルギッシュな方で、これまでにもすごくパワフルな先輩方はいらっしゃいましたが、桃井さんのパワーは、また新しいものでした」。
パワーの一方で、清原は桃井から別のことも感じ取っていた。
「とても“繊細”だなと感じました。桃井さんが星ばあとして発する言葉は、方言みたいにちょっとアクセントが違っていたり、クセがあったりするんです。加えて、アクセントだけではなくて、急に大声で演じられたり。そうした細かいアクションがすごくありました。ビックリしましたけど、すごく面白かったです。真逆に聞こえるかもしれませんが、“繊細な爆発”みたいなものをすごく感じたんです。それについていこうと必死でしたね」。