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清原果耶、“セリフのないシーン”で光る演技「感じていることを障害なく、クリアに」

映画

■“セリフのないシーン”で光る演技「感じていることを障害なく、クリアに」


 “繊細”とは、清原の演技からも感じ取れるキーワードだ。特に、清原はセリフのないシーンで観る者の感情を揺さぶる。本作の終盤に登場する、星ばあとの“クラゲダンス”しかり、昨年の朝ドラ『なつぞら』も、その前年の主演ドラマ『透明なゆりかご』(NHK)も、セリフのないシーンを、ほんの細かい表情や体の動きで見せていた。セリフがなくとも感情が深く伝わってくる。そうした場面に、清原はどう向き合っているのだろうか。

 「それぞれの役者の方と対峙(たいじ)したときに感じることや、演じる役柄がそのとき感じていることを、障害なく、クリアに捉えることができればと思って臨んでいます。ここでこうしようとか、そういうことを考えて演じることはできないので…。とにかくそのときの気持ちをクリアに感じ取ること、そしてそれが伝わればというか、にじみ出れば、とも違うかな。とにかく何か、そこから出るものがあればいいと思っています」。


 ちなみに藤井監督は、清原を「撮影までにセリフや動き、衣装など全てを把握しておきたいタイプ」とコメントしていたのだが、事前に把握した上で、現場ではいったんゼロに戻して、クリアに感じ取るということだろうか。聞いてみると、アプローチは「役による」との答えが。

 「前準備が全くないほうがいい役もあります。ただ、今回のつばめは、ちゃんと脚本を読んで考えて、ある程度の基盤を作っておいたほうが、つばめという役を生きられると思ったんです。役によっては、とにかく現場に行って、というものもあります。たとえば去年のドラマ『俺の話は長い』(日本テレビ系)は家族5人の会話劇だったので、とにかくセリフを覚えていって、あとは監督に言われたことを『はい! 頑張ります!』という現場でした。それも楽しかったです」。

 前準備といえば、実年齢とは大きく離れた役を演じた『なつぞら』では必要だったのでは。

 「そうですね。料亭のシーンなどもあったので、専門的な所作を身に付けなければいけませんでした。だし巻き卵を巻く練習も必死にしましたし(笑)、日本舞踊も習いました。役へのアプローチとして、気持ちの前に、その人の基盤を体になじませることは必要だと感じます」。

■注目度上昇も本人は「まだまだ知らない世界ばかり」


 来年の朝ドラ『おかえりモネ』も期待される清原。年々注目度が上がっているが、本人は「まだまだです」と笑う。

 「いろんな作品に出演させていただいて、『観ました』と感想をいただくことが徐々に増えてきました。とてもうれしく感じていますが、自分としてはまだまだ知らない世界ばかりです。これから経験を重ねて、深く豊かな人間になっていきたいと思っています。まだまだ勉強したいことがたくさんあって、お芝居に関しても、もっともっと! という感覚です。もう少し、あと2、3年生きただけでもまた世界が違って見えてくるでしょうし、役柄もどんどん広がっていくはず。本当に勉強のしがいのあるお仕事だと感じています」と聡明な眼差しで語る。

 その人物の気持ちに、しっかりと共鳴させてくれる女優・清原果耶。2、3年先の未来でも測ることができない器がどう変化していくのか、楽しみでしかない。(取材・文:望月ふみ 写真:ヨシダヤスシ)

 映画『宇宙でいちばんあかるい屋根』は9月4日より全国公開。

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